胡散臭い男
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そう言って呼んで来た男は報告と違うあの暴動の主犯者としては余りにも似つかわしい程に細目で疑わしい男だった。
「失礼ですがあなたは本当にこのデモの代表者なのですか。」
人と相対する時の口調になりつつ疑問に思った事を聞いてみる。
「ああ、副リーダーですよ。リーダーに言われてね。」
そうは言っても胡散臭さは全く取れない。ただ胡散臭いだけか、あるいは…
「それで、呼んでくれてくれたというのはやはり我々の意見を受け入れて下さるのですよね。」
この男は疑わしいのと同時に厚かましいらしい。思えば敬語も時々なく、何処か馬鹿にしているのが目に見えてわかる。
「いや、受け入れるにしても受け入れないにしても問題が起きている現状を放っておく訳には行かないという事で呼んだだけだ。」
「ほう。何か問題かと。」
あそこまでやっていて気づいていないのか。私は心の中でため息をつきながら言った。
「民から苦情が寄せられている。商売の邪魔、煩くて寝られない。そんな苦情だ。デモをするのは勝手だ。だが民の生活の邪魔をするのはいけない。」
「いえいえ、それは許して下さいよ。この活動はみんなに知ってもらって初めて成功するんですよ。そんな事を言われても変える事は出来ませんよ。」
「民から嫌われていると言っている。民からの支持を得る為に言っているのだろうが、そのままでは成功しないぞ。」
「それは脅しですね‼︎」
その男は急に激昂した。何なのだろうか、私は脅したつもりでは無いのだが。
「成程、分かりました。そっちがその気なら良いでしょう。」
そう言った瞬間立ち上がってこちらの許可も取らず勝手に部屋から出ていった。
数日後、領主に脅されたと言ってデモが激化していた。
民に白い目で見られながら。
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