嵐の夜
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何気ない日常の最中、その日はやってきた。まるで、突然死神が現れたかのように。
その時、私の目から自然と涙が溢れた
私、ジャン・ドールは天気が荒れているので外には出ず、屋敷の中で趣味の古書を読んでいた。
まあ、文字に起こしてみるとカッコよく見えるのだが、その本は言ってしまえば古めかしくボロが付き、旧友が見たら揶揄われただろう。天気に関して言うならば、余りに酷いという訳では無い。
正直に言ってしまえば毎年夏に数回ある様な嵐の日でしか無く、
多少の影響はあるが対策はあまりしなくて良い、そのぐらい普通の物であった。
つまり雨風が強いだけの普通の日であった。
窓に風が打ち付けられてガタガタ言っていた。
しかし、この様な状態でも問題と言うのは起こるらしい。
夜も更けてきた頃、本を閉じたのが先だったか、それとも悲鳴が聞こえたのが先か、その様なタイミングで私は屋敷に響きわたる様な悲鳴を感じ取った。この荒れた天気で何かあったのだろうか、そんな風に思い本を置き、扉に手を掛けようとした。すると、扉に手をかけた途端、足音が聞こえてきた。家の者が呼びに来たのだろうか。父の所に先に行かない事を疑問に思いつつも、一度扉から手を離し、席に座った。扉が開いた時そこにいたのは焦燥に満ちた顔の執事長のセバスチャンであった。
その顔は、まるで数多の地獄を見てきたかの様に震え上がっており、いつもの様な冷静さ、丁寧さはすっかり無くなっていた。あまりの彼の焦り具合にただ事ではないと思い、彼に状況を問いてみたが返事は無く、彼の膝が揺れているだけだった。
5分程経ち、流石に痺れを切らした私は、自ら悲鳴の原因を探そうと席を立った。
だがしかし、彼はまるで懇願するかの様に私を止めた。そして、彼は意を決した様に言った。
「と、当主様、及び奥様がお亡くなりになられました!」
あまりにも冗談めかしく聞こえたその言葉は、しかしながら、私に本当の事だと言ってきた。
いつもそこにいるのが当然と思っていた物は突然、私から奪い去られた。
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