#1 救世主マコト・エイロネイアー
※こちらは『能力ガチャを引いたら、武器ガチャが出ました(笑)』の続編です。
前作のキャラクターももちろん登場しますが、主人公含めその都度説明もしますし、前作のストーリーも大して深くないし、今作から読むんでも全然大丈夫なんじゃないかと思います。
「はーい! 先生の横にいる男の人が、誰かわかる人いるかな? 手を挙げてねー!」
……俺の横にいる女が、掲げた手をブンブン振りながら、ハキハキと言った。
さっき会ったばかりの初対面の女。
そいつは二十代っぽい若めの女で、ポニーテールにしたツヤツヤの水色の髪で、片眼鏡(モノクルってのか?)を掛けてる感じの、
「先生!」
「はい、アールくん答えて!」
今、席に座ってるクソガキに呼ばれた通り。このクラスの担任……なのかは知らんが教師だとよ。
――え? 俺? 俺が何者かって?
――まぁ、そりゃ気になるよな。
その答えはたった今挙手したアールとかいうクソガキ男子生徒が教えてくれる、
「顎髭オヤジぃ!」
「「「きゃはははは!」」」
かと思いきや、全っ然答えてくんねぇわコレ。
一つの教室に詰め込まれた三十人くらいのクソガキ生徒が、一斉に笑った。
確かに俺は恐らく四十歳のおっさんだし、オールバックの茶髪だし、サングラス掛けてるし、上下ともスーツ着てイキったサラリーマンみたいな見た目で。
まぁ顎にヒゲも生えちゃいるが、
「礼儀ってもんを教えてやろうか、クソガキども!? ケツの穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わせちまうぞコラ!」
「「「わっはははは!」」」
おいおい俺の本気の脅し文句に何笑ってやがんだ、ここの学園の生徒どもは!
「よーしそう来りゃ上等だガキども! 俺の手でボッコボコにされたい奴から前に出て、ここに一列に並びやがれ! 前〜ならえっ!」
「「「うひゃははは!」」」
何でもかんでも笑いやがって! ったく教育がなってねぇってのはこういう状況で使う――
「ちょっとマコトさんっ! あまり汚い言葉を使わないでください、子供たちが真似しますから!」
「なにぃ!? 俺に味方がいねぇぞ!?」
横の先生が頬を膨らませて、歳下(ついでに身長も俺よりだいぶ下)の分際で俺に説教してきて、
「そう来りゃ上等だー!」
「フィー先生の奥歯ガタガタ言わせちゃえー!」
「「「あっひゃっひゃっひゃ!」」」
「ほらもう真似してるー! そういうの大好きなんですからこの子達!」
「大好きなら言わせとけよもう……早々に疲れたぜ」
『プンスカ』みてぇな効果音が見えそうな怒り顔を振りかざしてくる先生に、俺はため息。
俺だって別に好きでこの『学園』にいるわけじゃねぇ。俺は教師でもなけりゃ用務員のおじさんでもねぇんだからな。
当然、生徒でもねぇぞ?
じゃあ何で無関係の俺が、『学園』の『教室』の中で、『生徒』の前に立ち、『先生』の隣で紹介してもらってるのか。
その理由を話してくれんのは、結局のところ先生だった。
「みんな失礼なことばっかり言わないの! 昨日も、今日の朝礼でも、話したでしょ! ……これから二時間『英雄について』の特別講義をしてもらう、特別講師の方なんですよ!? 彼の名は――」
そうそうソレだよ。つまり学園から招かれちまったその特別講師こそが、
「はいはいはーいっ、フィー先生! 私はそのおじさんに詳しいよー!」
「あら元気! プラムちゃん答えて!」
「異世界から来た救世主、『マコト・エイロネイアー』だよ!」
この俺。
――突然に異世界転移させられて、トントン拍子で救世主になっちまった『マコト・エイロネイアー』なのだ。
ここは日本ではねぇ異世界。
俺は日本人だが、まぁ色々あってこの剣と魔法のファンタジー異世界に飛んできたんだ。
この学園も、異世界の学園ってこった。
んで、
「プラムてめぇ! しれっと発言してんじゃねぇよ生徒でもねぇクセに!」
「マコトだって先生じゃないんだからお互い様だもーん! べろべろべー!」
「覚悟できてんなクソガキぃぃ!!」
今しれっと生徒に混じって発言しやがったのは、俺とほぼ同じ立場な『特別生徒』であるプラム。
十二歳ってことで生徒達より少し歳上で、見た目もフツーに金髪美少女なんだが、
「いだだだぁ! マコト痛いーっ!」
「やり過ぎですってばマコトさん!」
「「「あはははは!!!」」」
俺に何度、こめかみをぐりぐりされたって治らねぇ生意気さが欠点だ。
ま、そこも可愛いっちゃ可愛いけどな?
プラムとは、俺がこの異世界に転移してきた日からの付き合いだ。
転移した日から――もう、半年は経つか。
オッサンと美少女ってのは第三者から見ると危ない組み合わせかもしれんが、犯罪的な恋愛感情とかはもちろん皆無。
友達というか親友というか……そんな感じの関係だな。
「そんじゃ改めて」
俺は「ごっほん」とおっさん臭く咳払いしてから、
「俺はマコト・エイロネイアー。異世界から転移してきて、この世界に君臨しやがった魔王をぶっ殺し、どうにも『救世主』だの『英雄』だの呼ばれるようになっちまった人間だ……二時間よろしく」
なるべく笑顔を作り、堂々のサムズアップ。そうやって初めの挨拶を締めくくる。
締めくくったっていうよりか、切り抜けたって感じかね?
プラムは俺の全て、いや『前の世界での俺』以外の全てを知っている……そこは俺も正直曖昧なんだがな。
さっきから話してる先生も、大人だし俺のことは知ってるだろう。一応このサンライト王国じゃ有名人らしいからな俺。
だがポカーンとしてる生徒達には説明が必要だなってか、そのために来たようなもんだったっけか。
……あー、画面の前のあんたも、わかんねぇよなぁ俺のこと。
まぁまぁ、とりあえず簡単に説明するからよ。大して面白くもねぇ自己紹介になっちまったら悪いが。
お読みいただきありがとうございます。今後も、感想等いつでもお気軽にください。
投稿頻度も予測がつきませんが、とりあえずよろしくお願いします。
…あと最初は説明ばっかりかもしれませんが、そんなちゃんと覚えなくていいと思います。気楽にいきましょう。
頭を使わず読んで大丈夫、というのもコンセプトの内なんです。
前作から一年以上経ってますね…もし万が一待っていたような方がいらっしゃったら、すいませんでした…