0-0.紡がれる始まりの伝詩
“世界が争いに満ちた時”
“『双星の神子』はその姿を現す”
“はじめは災いをもたらす悪魔として”
“二体の悪魔はその力をもって、世界に死を振りまき”
“やがて死ぬ”
“深い眠りのあと”
“『双星の神子』は再び、その姿を現す”
“混沌の世界を導く、救世主として”
“新たな世界を照らす光となる――”
それは……どこにでもあるような、ありふれたひとつの『昔話』。
今もなお人々の間で語り継がれる、遥か遠い記憶の『伝詩』。
西方よりあまねく命の息吹きが芽吹けば、数多の吟遊詩人たちの詩に乗って『物語』は世界へと紡がれる。
ある時は、世界に死を振りまく災禍の『悪魔』として。
またある時は、混沌の世界を導くこの星の『救世主』として。
二つの星が描いた二つの軌跡はやがてひとつに交わり、大いなる輝きをもたらす『キセキの光』となるであろう。
『彼』も『彼女』もまた、その『光』の『はじまり』に過ぎないのかもしれない。
『運命』に翻弄されながらも、ひたむきな『想い』を決して手放さない『少年』。
過酷な『運命』に身を引き裂かれながらも、純真な『優しさ』を決して忘れない『少女』。
二人の『歩む』、二つの『軌跡』。
どんなことがあろうとも、決して離れることのない『ふたつの光』。
人間の心に、『善』と『悪』があるように。
箱庭の陽だまりに、『光』と『陰』があるように。
いずれ『終わり』を迎える、『旅』の『終着』へと向かって……。
――だから、今はそっと見守ることにしましょう。
彼ら『二人』の辿り着く『先』が、その『答え』が、私たちの『信じた道』であると、そう願って――。
“Sol farli fia reiyl ror”