表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
parallel root  作者: 鴨宮 鏡夜
5/8

22:15

2人分の洗い物を済ませ彼女の元へ戻る。すると頬を赤らめた彼女がこちらをチラチラと目線を送ってくる。「なんか顔についてるか?」視線を合わせると彼女は目を逸らし「別に…ただ、男の人の家泊まるのは初めで…」何か俯きながらボソボソと呟いてる。「なら帰るか?駅までなら送るぞ?」時間を確認する『23:15』うん、ギリギリ終電はあるな…そんなことを思い彼女の方へ顔を向けると、さっきとは違い眉間に皺を寄せながら…「そうじゃなくて…」なんて言いながら頬を膨らませる。女心はわからん…ここは何か言わないと不味そうだ…「冗談だよ、風呂入るか?それともこのまま寝るか?入るんだったらバスタオルとかはそこにある」そう一言残し電子タバコの電源をつけながらベランダへ向かう。夏の夜のジメジメとした空気とタバコの煙が一緒に肺に入ってくる…やっぱりタバコは冬の方が美味いな…あの冷たい空気が堪らない…10分くらいして部屋に戻ると彼女の姿はなかった。怒って帰ってしまったかな?なんて思っていたら聞こえてくるシャワーの音と彼女の鼻歌、まだ居たのか…布団でも準備しておこう。ゆっくり今晩の自分の寝床を支度する。大して面白くもないテレビを眺めていると、彼女の声が聞こえる。「サッパリした…ありがとう…」返事をする為に振り返ると彼女が頬を赤らめバスタオルに包まれた状態でこちらに歩いてきている。「なんて格好してんだ!服はどうした!?」僕の心臓は朝よりもうるさく騒いでいる。「お泊りってこういう事じゃないの?」とバスタオル1枚の彼女の声が聞こえる。「嫌ってわけではないが…君はいいのか?」顔をうつ向かせ出た言葉。しかし、 好意が無いと言えば嘘になる。容姿は良く、気も使える。会社でも人気がある方だ、何故そんな彼女が僕に?疑問を抱かずにはいられない。会社の成績は悪い物ではない。だが、容姿はいたって下の中から中の下と言ったところ、遅刻等の生活面での問題も山済みだ…それに…「鴨宮君がいいんだよ…ずっと気になってたのに…君は何とも思ってなかったの?」彼女の言葉に思考が停止する。深呼吸をし、脳の再起動を行う。「風呂に入ってきていいか?今朝の一件のせいです風呂に入れていなくてな」と言い残し僕は風呂場へ向かう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ