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俺を笑わさないとここの商品を買えないよ!

作者: 七瀬





僕の家から一番近いコンビニは少し変わっている!

それはね? そこで売っている商品をお金で買えない事。


なんでかな? 普通のコンビニだったら? お金で買えるよね!

欲しいモノは、お金を払えば買えるでしょ?

・・・でも? そこのコンビニは、違うんだよ!


商品を持ってレジでお金を払おうとすると、、、?

そこのコンビニの店長が、僕にこう言ったんだ!


『___おい! お金は要らないから! 俺を笑わせてみろ!

そしたら、この商品をタダで持って帰っていいぞ!』

『___えぇ!? おじさんを、“笑わせたらいいの?”』

『___あぁ! ここのお店の商品は、“全てお金では買えない!” 

俺を如何に笑わせる事が出来るかがカギになるんだ! だからな!

ここの店のモノはお金じゃ買えないんだ! 逆にお金を持っていなく

ても商品を持って帰る事ができるんだ! だがな、俺を笑わせる事が

出来なければ! そのまま家に帰ってもらう! 3回この店に来て俺

を笑わせる事が一度も出来なかった奴は、この店の出入り禁止となる

がな~! アハハハハ~面白いだろう!』

『・・・そんな、僕はただ欲しいものを買いに来たのに、、、。』

『欲しいものがあるなら! 自分の力で勝ち取れ! それが勝負って

もんだろう?』

『___いやいや? お金は持ってるよ!』

『___うるさい! ココは、俺のコンビニだ! 俺がルールを決めて

いいに決まってるだろう!』

『___でもさ、でもさ? おじさんて、ただの雇われ店長なんでしょ~?

じゃあ~さあ~本部の人に怒られんじゃないの?』

『___そんな事はどうでもいいんだよ! 俺がここのコンビニの主だ!

誰にも、俺の考えを変えさせることなんか出来ないんだよ!』

『・・・偉い? 強気なんだね! 雇われ店長のくせに、、、!』

『___そうだ! “俺は立派な雇われ店長だ!”』

『___なんだよ! 開き直ってんじゃん! なんで? そんなに強気?』

『___俺はな、坊主! 夢だったんだよ! コンビニの店長になる事

がな! その夢をやっと叶えたんだよ!』

『___その前に、、、僕は坊主ではないよ! よく見てよ50歳超え

てんだろう! それに、コンビニの店長が夢って凄いよね? 叶ってよか

ったじゃん!』

『___まあな、これも! 俺の努力の結果だよ!』

『___努力って? 何したの?』

『___強盗だ! 他のコンビニを襲って金をためたんだよ!』

『・・・何やってんだよ! おじさん!?』

『___あぁ! 思い出した!? おい! そこの坊主! 俺を笑わせる気

があるのか? 欲しいものを持って帰れないぞ!』

『___そう言ってもな~ 僕は人を笑わせるのが苦手だし、、、。』

『___何を言ってんだ! お前には、笑いのセンスを感じるぞ! 先から

お前の頭に被せてるモノがユラユラしてるじゃないか?』

『___あぁ、マジかよ!? 誰にもバレてないと思っていたのに、、、。』

『___くっ、フフフ、ヤバい!? 笑いそうだよ! 頭の上のそれがズレて

きてるぞ! 入り口の前で自動ドアが開いたり閉まったりしててその度に風が

吹いて、今にも取れそうじゃないか!』

『___見ないでくれよ! 僕が物凄く気にしているところなんだから!』

『___や、やめろ! 笑いが起きそうじゃないか! おい! もっとしっか

り固定しろよ! そんなにそれは取れそうになるのか?』

『___毛がないから、被っているだけなんだよ! でもさ~案外イケてるだ

ろう? 僕は凄く気に入ってんだけどな!』

『___マジで! 取れそうじゃないか?』

『___えぇ!?』




___その時だった!

自動ドアが開いた時に、、、強い風がフワッとコンビニの中に入ってきて、、、!

僕の頭にのせていたモノが、風に吹かれて飛んで行ってしまったんだよ。


『・・・ぷぷぷ、ガハハハッ~~~! なんだよ! それは!』

『・・・えぇ!?』

『___卵から帰ったヒナみたいな髪じゃないか! あははは~~~

仕方がない! お前は、俺を笑わせる事が出来たから、その手に持っている

商品を持って帰っていいぞ!』

『・・・なんだか、腑に落ちないな。』

『___ありがとな!』

『・・・・・・』





・・・なんだか、笑わせようと思ってないのに、、、。

僕をみて笑われたみたいで、嫌な気持ちが残っているよ。


___タダで、貰えたけど、、、?

後味悪いモノになったな、、、!





最後までお読みいただきありがとうございます。

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