成人しました
「4月……今日で過去に戻って来てから3年が過ぎたのね。」
私はカレンダーを見ながら1人そう呟いた。
「長かったわ。やっと貴方に復讐出来るのね。」
そうして私は持っているナイフを壁に張っていた写真に突き刺した。
「うふふ、本当に私達愚かね。あの時の愛の言葉が本物だったら………」
私は微笑みながら涙を流した。
「貴方も戻って来れるように祈ってあげるわ。」
壁に張ってある写真を見詰めながら時間を待った。
「ハイ、カット!」
「映像確認しま〜す」
先程まで静かな空間だったのが嘘の様に一気に騒がしくなった。
その中を、ふぅ〜肩の力を抜きながら監督の方に歩いて行く。
そんな私に柿崎さんが歩調を合わせる様に小走りでフェイスタオルを持ってきてくれた。
「姫華さん、お疲れ様です。凄かったです。見てて鳥肌立っちゃいました。」
「そう?微笑みながら泣くとかちゃんと出来てたかな?」
「もう、怖いくらい気持ちわかって凄かったです。」
今回のドラマの題名は『復讐者に咲く華』は、ある男に騙され財産も体も何もかも奪われ殺された社長令嬢が過去に戻り男達に復讐するお話だ。
このドラマ実はかなり難しい。全11話なんだけど最初の3話は『ある男』の少年時代と社長令嬢に復讐する話となっていて社長令嬢も悪役的な姿で登場する。
4話目からは『ある男』の復讐が叶った後の話になる。その後も復讐を続け犯罪的残忍に変貌する。その話の中で男を復讐に駆り立てた黒幕が登場し9話目に社長令嬢が殺される。その時に真実が知らされる事になる。
10話目から初めて主人公の社長令嬢の目線での、物語の真相と復讐劇が開始される。
内容はこんな所で今回の社長令嬢の役が私。
今回のドラマは女優として大きな評価になりそう。何故なら私が成人したから。
セリフにも似たのがあったけど、今は本当に4月。過去に戻って来てから2年が過ぎた。
成人前は過激なシーンは撮らないとのジェシカ社長の方針に従って仕事をしていた。
そのせいもあり今まで割と清純派の役ばかりになっていた。
過激ってどんな?ってなるかも知れないけど、4話目からの話の中で襲われて身体を男達に弄ばれるシーンがある。めっちゃ恥ずかしかったけどね。勿論大事な部分は撮っていないから。
声とかは過去に沢山見ていたAVを参考にしているのは内緒。それと言っておくけど過去の俺は童貞ちゃうから!今は処女?まっ童貞な気分だけどね。
この2年間、女優としても歌手としても思いっきり頑張ってみた。
ドラマだってこれで5作目だし、歌だってもう6曲も出した。成果としては通帳に一時、億のお金があったぐらいだったのが証拠かな。それも神様通帳とは別で!神様通帳は今も億越えの金額になっているけどね。
さて監督からもOKも貰ったので今日の撮影は終了。控室に戻った私は携帯を見ると着信履歴が6件とメールが1件あった。
この前とうとう私、会社を作っちゃいました。それも2つ!建設会社と不動産会社。社長です私。
6件の着信履歴も建設会社と不動産会社からの連絡、まぁ定期連絡みたいなものかな。
問題はメールの方。
すぐに内容を読み私はすぐにメールの送り主に電話をした。
「も〜し、も〜し、彰人さん。」
「は、はい。」
「メール見たけど私の言いたい事わかるかな〜?」
「えっ、あっいや、でも…………」
「何回も言ってるでしょ?数字とかお金がとかじゃなくて出来る出来ないの結果で報告って!」
「いや、でも…………」
「解決方法は?」
「あっはい!ふ、複数の空調会社に装置が無いか確認して無いなら……………………作るです。」
「そうそう、無ければ作る!」
「いや、でも作るって言っても俺も他にいろいろと…………これ以上は設計とか…………」
「出来るの?出来ないの?」
「…………出来ます。」
「そう、わかったわ。近いうちにそっちに行って私も手伝うから。また助手募集する?」
「えっ?いやいやいいです!」
やっぱりと言うか理数系の彰人さんは人を使うのが苦手みたいで助手を募集しても仕事が減らないみたいな感じになっているみたい。
「そう。じゃ頑張ってね〜」
「…………はい。」
最初の頃は私の方が泣く様な事があったけど今では良い関係を築けたと思う。まっ私も恐怖の笑顔というスキルを覚えたのも大きいかな。
彰人さんとはあれから地震の対策方法をあれこれ考えて今は開発と試作を繰り返し実験をして建設を最近始めた所だ。
まず考えたのが避難所の事。海岸近くで高台まで逃げる時間が間に合わない場合でも身を守れる場所を作る事にしたのだ。最初は津波の高さよりも高い丈夫な建物を作る案が出たけど、これには広い土地と倒れない構造を可能にする為の費用が高額となり実現には無理そうだった。
そこで次に考え出されたのが、地下にシェルターを作る案だった。
でもその案も簡単にはいかず地面が揺れる上に水面下に一時でもなる訳でシェルターの安全をどうしてもクリアー出来なかった。
ならどうするか?そこで行きついた案が潜水艦を作って埋める!
埋めると言って地下に水溶性の物質(ゼリー状)で地面との接触をなくした状態にして浮かせた状態をキープする感じにしてだ。
この案だと最初の案の高層の建物を作るより格段に予算も掛からず、土地を買って穴を掘って作ってあった潜水艦型の保護施設を埋めるだけと時間も掛からない。
潜水艦の住居部分は他で作って置く事も出来るし、収容人数次第で大きさも自在だ。
それでも問題はあとから沢山出てきた。空調の事や汚物の事に電気の確保等細かな所を言えば沢山あった。
空調は割と簡単に解決した。汚物も粉末にして収容人数次第だけど1ヶ月分は貯蔵出来る様になった。問題は電気。
完全に地面に接触を無くすと言う事は外部からの電気の供給は出来ない。だからと言って発電機を潜水艦型の施設の中で動かすとなれば酸素は勿論有害な物質まで処理しなければいけないし、燃料の問題もある。
そこで考え出されたのが磁力発電機!
燃料も使わずクリーンな発電機らしい。構造はよくはわからなかったけど、何でも磁力の反発力とかを利用して発電出来るらしい。ただまだ発電能力は低いらしいけど。
想定では長くて1ヶ月避難出来る様に考えているので数台設置出来れば可能との結論になり、ついに先日10人用の試作型の制作、土地の準備を始めた。
読んで頂きありがとうございます。
反論以外の感想よろしくお願いします。
テンションが…………
『復讐者に咲く華』→https://ncode.syosetu.com/n5166ha/




