柿崎 奈々子との遭遇
本当にお久しぶりです。
まだこんなにも待っていてくれる人がいる事に感謝です。
完結目指して頑張ります。
明日も更新します。
突然の身バレに戸惑った。
何でバレた?
一応芸能デビューした事で鮎美にも注意を受けていたから変装はしていた。まぁ変装と言ってもマスクで顔を半分隠して伊達メガネを掛けていただけだけど…………まさかこんなに簡単にバレるとは思いもしなかった。それに彼女『柿崎 奈々子』さんは最初に「黒沢」と確かに言った。それはデビューする前から知っていたかもしれないって事でもあると気が付いた。
でも、一度否定した方がいいのかな?
「え〜と違います…………あっ!」
良く見れば柿崎さんの胸には社員証がぶら下がっていた。【ワールドスター芸能プロダクション スタイリストアシスタント 柿崎 奈々子】。同じ会社…………同僚やん!
柿崎さんも私の視線に気が付いたようで、ぶら下がっていた社員証を良く見える様に手でつまんで見せてくれた。
「大丈夫ですよ。騒いだりしませんから。」
良かった〜どうなるのかと心配しちゃったよ。
「あっ、初めまして、くろ…………神代姫華です。よろしくお願いします。」って頭を下げて挨拶してから柿崎さんをみれば…………おい!ちょっと待て!何だその手とハァハァな息使いは?
「ハァハァ本物だ!やっと、ハァハァ本物を触れる!」
「ま、待て!何故触ろうとする!本物って、おい!」
余りにも突然な事で男口調になってしまった。
私の「待て!」の言葉にビクッと反応してピタリと止まった柿崎さん。何か鮎美と同じ感じがするのは気のせいか。いやまだこの時は鮎美も将来の金田の嫁となる柿崎さんには会ってはいないはず。でもこの感じは…………
「す、すいません。毎日姫華さんの等身大のマネキンで着替えやヘアーメイクの練習をしていたのでつい。」
いやサラッと等身大の私のマネキンとか怖い言葉出てきたんですけど?それも毎日とか…………その前に本当に将来の金田の嫁の柿崎さんだろうか?偶々の同姓同名とかじゃないよな?
「ごめん。ちょっと聞きたいんだけど、もしかして私と同じ秋田出身?」
「はいっ!そうです。もしかして私の事覚えてくれてたんですか?さっき初めましてって言われてちょっと悲しかったんですよ。」
ん?あれ?会った事あったっけ?いや悪いんだけど記憶にないんだけど。
「いや、ごめん。ちょっとハッキリ思い出せなくて、前に何処で会ったっけ?」
「あ〜やっぱりですよね。仕方ないですよね~前にカラオケ大会でスタッフとして周りでバタバタしていましたから。挨拶も会話もしてませんでしたし。」
ほほう。あの時のスタッフの中にいたんだ。なら鮎美や金田とも面識があってそれでこっちにいるん感じかな?
「もしかして、鮎美とか金田繋がりでワールドスター芸能プロダクションに就職?」
「そうなんですよ。鮎美さんに誘われて姫華さんのスタイリスト兼ヘアメイクになれるなんて夢のようです。あ〜でもまだ見習い始めたばかりですけどね。」
そうなんだ。へ〜っと私はこの時はそんな風にしか思わなかった。
まさか彼女が以前着たメイド服のデザインやら管理、その後に着る事になる数々の衣装のデザイン制作者になるとは思いもしなかった。
それに彼女の部屋には私の等身大のマネキンが1体だけでなく3体もある事や私の持っている服、それに下着まで大半を同じく買い揃えている事等知る由もなかった。
その後彼女は私のCDを10枚も購入して一緒に会社へと戻った。戻る途中に夕方のTV出演の為の衣装を準備している事など教えて貰い彼女とは「では、また後で。」別れた。
そしてその日の夕方、初の生放送出演前
テレビ局に鮎美と一緒に行くと、日中に偶然にも出会った柿崎さんが控え室で待っていた。挨拶も軽く済ませるとすぐに鮎美と柿崎さんはコソコソと何か打ち合わせを始めた。微妙に私と距離を空けて楽しそうに話している事が気になったが、すぐに理由がわかった。ジェシカ社長からの指示で私用の衣装を作ったそうだ。
私用の衣装と聞いて写真を見せて貰うと………巫女?何故に巫女風な衣装が2種類?
それも1つは巫女風なのに胸の辺りが露出多めだし、もう一つの衣装はかなり短めのスカート。………巫女が露出しちゃダメでしょ!
そんな衣装を見比べていると「どっちがいい?」との鮎美さんからの質問。
その質問の意味は選択肢は2つだけと言う事ですよね?
いやどっちでも私は大丈夫なんですけどね。何せ元男としては胸まで出してもOKですから。
しかし初の生出演どちらが正解なんだろう?
正直な所、選択としてはスカートのあのスースーする感じには慣れないので、まだ胸元露出系の方が希望なんだけど…………そう思い胸元露出系を選んだ。
あっその顔は鮎美的にはスカートが推しだったのね…………なぜ?
それから柿崎さんに着替えを手伝って貰い準備を進めた。うん。手際は勿論凄く良いと思うよ、でもね…………ハァハァするのはちょっと止めようか柿崎さん!
それにしても私のイメージって巫女的な感じなのかな?後でジェシカ社長にどうしてか聞いてみよう。
そうして準備も終わり一緒に出演する予定の萩原誠二さんの控室に挨拶に行く事になった。
撮影の時はもう毎日の様に会っていたんだけど、撮影が終わってここ2週間程会ってなかったから久しぶりに感じる。
芸能界だと多分こういう感じが普通なんだろうな〜。それはそれで寂しい気もするけど。
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萩原 誠二
俺の名前が貼られた控え室のドアを見つけいつもの様に中に入る。いつからかテレビ局に来るのも控え室に入るのも1人だ。マネージャーや付人がいた時期もあったが面倒になり1人で行動するのが当たり前になった。
今日の仕事はドラマの番宣だ。
俺もこの仕事をして長いが今日一緒に出演する彼女は別格だと思う。別格って言うより異質だな。
後輩に指導する時に「役になりきれ!」なんて俺も偉そうに言ってはいるが、俺でさえ彼女の演技をみれば自分の演技を笑ってしまう。
彼女の演技…………ハッキリ言って別人だ。
普通は役を演じるにしても、その個人の個性が大きく出る。そりゃ〜人だから経験もそれぞれ違うから役の認識もそれに伴う知識も違うから仕方ない。
何故彼女を異質と思うようになったかと言えば、俺が刑事の役を演じている役を彼女がしたのを見たからだ。
唖然としたな。
目の前に自分がいる感覚…………見た目は勿論彼女だが言い方から雰囲気、身体を使った表現の仕方等俺のマネをしているってレベルの話じゃなかった。
本当に自分が彼女に乗り移ってるとさえ思ってしまったほどだ。
俺の演技をされて本人でさえそう思うのだから他の人もそう感じたと思う。
そんな彼女とのドラマの撮影も2週間前に終わり久しぶりの再会だ。
多分今日の生放送は彼女にとって初めての経験だろう。
ふっ彼女が緊張する?する訳ないな。
また今日もカメラを前に女優を演技するのだろうから。
読んで頂きありがとうございます。
後数話で芸能活動編に区切りをつけ、対策活動編に進もうかと思っています。
まだ決まってはいませんが…………電子コミックのお話が…………




