新曲
久しぶりに調子戻ってきた感じ
女神様から助言と期待しているとの励ましを貰ってから1ヶ月が過ぎた。
あれからボイストレーニングや演技指導が毎日の予定に加わり体力がどれ程無いか思い知らされた。
女神様の助言処じゃなく、体力的に毎日ベッドに倒れるように寝る毎日だった。
そして今日は新曲が出来たとの事で、これから作詞作曲をしてくれた人との打ち合わせらしい。
どんな曲なんだろう?上手く歌える…………まぁ補正能力を使えば大丈夫だと思うけど、女神様が言う様にあまり使わなくてもいいように努力してみるけど。
打ち合わせ場所に鮎美と一緒に行くと、ジェシカ社長と髪がボサボサで長くて顔が見えにくい男の人とその横にキリッとした女性が座っていた。
「さ~てみんな揃ったからまずは自己紹介から始めるわよ。」
ジェシカ社長が打ち合わせを進める為話始めた。
「このボサボサの方が矢追 笛也ちゃんで作曲担当で、その隣の委員長みたいな子が渚 詩織ちゃんで作詞担当よ。」
ってそんな見た目をバシッと紹介に入れるジェシカ社長。…………まぁわかりやすいけど。
「ちなみに~付き合っているのよね~」とニヤニヤしながら二人を見ていた。
へっ?マジ?タイプ的に全然違いますよね?
「…………ジェシカ社長。仕事にその情報は関係ないかと思いますので話を進めて頂けますでしょうか?」
さすが委員長タイプ。表情にも恥ずかしがるとか一切なくズバッ冷たい視線でジェシカ社長に返していた。
そんな渚さんに隣に座っている矢追さんが左腕の服を引っ張って何か伝えているけど、声が小さすぎて何を言ってるかわからなかった。
そして何を言われたのかわからないけど、渚さんがみるみる顔を赤くして動揺し始めた。
「!!!そ、そんな大事な事を今、言わなくてもいいじゃないですか!…………わ、私もしたい………です。」
「なになに?矢追ちゃん今何て言ったの?」
ジェシカ社長も気になった様ですぐに聞いていた。
「クッ、ぷ、プライベートな事ですから、も、黙秘させて頂きますわ。」
動揺しながらも一瞬でキリッと返されたけど、それからの渚さんは上機嫌なのは私にもわかった。
何を言われたのか気にはなったんだけど、その答えは後の打ち合わせの時にすぐにわかったんだけどね。
とりあえず初めての打ち合わせは歌詞を配られそれを見ながら曲を聞いた。
ってこの歌詞………遠回しに自分は産まれたばかりの女神で、翼も小さく力も無いけど、いずれ大勢の人を救い幸せにする女神になりたいって意味じゃない?
女神って言葉は歌詞には無いけど…………なんとなく女神様を知ってる分想像してしまって、恥ずかしくて歌えないんだけど!
曲と歌詞を合わせながら聞き終わると、曲と歌詞のコンセプトの説明が始まった。
やはりと言うかやっぱりと言うしかないのだけど、矢追さんの言葉は渚さんを中継して私達に伝えられた。
「この曲は神のオーラを感じて出来ました。信じて貰えないと思いますが、夢に子供の女神様が現れそしてその女神様は大人の姿に変わり微笑んでくれました。あの感動とあの神秘的で圧倒的な存在感を表現してみました。」
渚さんはハッキリと矢追さんが言った事を当たり前の様に普通に私達に話した。その話を聞いて一番に反応したのはジェシカ社長だった。
「へぇ~今回は随分自信あると思っていたら、女神様が現れたですって?何かあったの?いつもの優しい曲に力強さを感じるいい曲になってるわ。」
この時は知らなかったけど、矢追さんは普段曲が完成しても打ち合わせには参加しない人らしい。
それが今回参加してきた事でジェシカ社長は自信作なんだろうと判断したみたいだ。
「その説明は私から話させて頂きます。実は信じられない事ですが同じ日に私も彼と同じ夢を見ているんです。こんな事は初めてで…………でも彼の表現はその通りで私の作詞のイメージも同じ夢から出来ています。」
心当たりがあり過ぎるんですけど!!!
顔には出さない様に動揺していると、隣にいる鮎美が
「ねぇ、女神とか言ってるけどあの2人大丈夫?それとも作曲家とか作詞家ってあんな感じの人ばかりなのかな?」
うん。違うと思うよ。それに鮎美さん、あんな感じの人とか変な人みたい言わないであげてね。
そう心の中で答えていると…………
「いいわ、いいわ。私もこんな感じの曲が欲しかったのよ!優紀ちゃんにピッタリよ。」
どうもジェシカ社長の想っていた曲だったらしく、一発OKらしい。
普通がわからないからこの時は、こんな感じで打ち合わせって終わるんだな~ってしか思わなかったけどね。
「じゃ~次は優紀ちゃんの番よ。練習に1週間ぐらいでいいかしらね。」
ん?んん?練習?
意味がわからないから笑顔で答えた。
「ちょっと意味わかってないでしょ?この曲が優紀のデビュー曲になるんだよ。」
ん?デビュー曲?鮎美さんが何を言ってるのかわからないから笑顔で答えた。
あれ?ドラマの出演がデビューって聞いていたんだけど?どういう事?
「あっ!鮎美ちゃん!鮎美ちゃん!優紀ちゃん気が付いてなかったんじゃない?」
「え?まさか…………この1ヵ月練習してきたんですよ。わかってるはず…………って優紀…………」
ん?何?わからないんだけど?
とりあえず笑顔で答えた。
「はぁ~。いい?ボイストレーニングは何の為?」
ん?……………………ドラマのセリフの為…………かな。
「演技指導は何の為?」
ん?………………………………ドラマの為…………かな。
とりあえず笑顔で答えた。
「ここまで言ってもわかってないか。その笑顔困った時によく出るからね。いい?歌手として女優として同時にデビューするって事だから。」
!!!
「ちょ、ちょっと聞いてないんだけど!!」
打ち合わせに参加してこの時初めて私は声を出した。
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