ワールドスタープロダクション本社③
ーーーーー熊谷鮎美視点-----
これから昼食。
よしよし、今の所計画通り。
これからジェシカ社長と電話で打ち合わせした通りに昼食の会話の流れに乗せて私もワールドスタープロダクションに就職する事になる。
本当はもう社員扱いになってるんだけどね。
今から4日前にジェシカ社長から『優紀ちゃんと一緒に来れば?』と打診があった。
当初は一緒では無く後ろから気づかれない様に金田と二人で付いて行く予定だった。
前回の事もあるし姫は1人で行動させたくない。
その気持ちは金田も同じで今回私達の後ろから付いて来ていた。
多分今頃は1階か2階で前にカラオケ大会を撮ってくれたカメラマンの梶さんと合流していると思う。
それで姫には仕事を辞めた事は内緒にしていたから理由を急遽作った。作ったと言っても姫に嘘はつきたくないので、真実をぼかして姫に話すと信じてくれた。実際私の叔父さんがやっているガソリンスタンドの燃料タンクが使用期限が来年3月までなのは事実だし叔父さんもその時にガソリンスタンドを閉めるつもりなのは聞いていた。ちなみにファンクラブの事は内緒にしているって事で嘘をついている訳じゃないからね。
だけど橘さんがあれほど演技が下手とは思わなかった。
初めて会った素振りぐらい簡単じゃないの?それに後ろから隠れて付いて来ている金田を探す仕草もありえないでしょ?滅茶苦茶不自然だから!一発見舞ってやろうかと思ったけど、それはジェシカ社長が見事な角度からのボディーブローをしてくれたのでスッキリした。おもわず小さく拳を握り締めたぐらいだった。
あれは見習わないと。
それから14階の部屋……………………前持ってジェシカ社長からランク制度は聞いていた。本当は芸能部門でデビューする新人は12階の8帖のワンルームからスタートするのが一般的な事なのも教えて貰った。
なのにどうしていきなり14階に?と聞くと、『優紀ちゃんは影響力があるから…………いい意味でも悪い意味でも…………それにランクなんて優紀ちゃんならすぐ上がるわ。その度に引っ越しとか面倒じゃない。』
その説明で私はピンっときた。多分同ランク内での嫌がらせなんかがあるんだろうと……………………
『それで悪いんだけど、優紀ちゃんと一緒に暮らしてくれない?ちょっと言いにくいんだけど女性らしい計算された見せ方が優紀ちゃんには足りないのよ。そこを身につけさせて欲しいの、鮎美ちゃんならそういうの得意でしょ?』
姫と一緒にくらせるとか、どんなご褒美かと思った。
この前も女性としてのお風呂の入り方を教えると、一緒に入りたくて無理やり理由をつけて入った。
そこで見た姫の身体は同性愛に目覚めて後ろから抱き着き胸を揉みまくり一線を軽く10回程超しまくりたいぐらい魅力的だった。多分女神様が脱いだらあんな感じなんだと思う。
まっ、今からする話の中で姫が一人で暮らしたいと言えばこの話は無い事になるんだけどね。
ん?そろそろかな。
ーーーーー優紀視点ーーーーー
私、いや俺が選んだ定食は日替わり定食のAの和食風。鮎美が選んだのは日替わり定食のBの洋食風。
それをカウンターで受け取りテーブルに移動して食べ始めるとジェシカ社長が鮎美に話かけた。
「ところで熊谷さん。こっちで仕事を探すって優紀ちゃんから聞いたけど何処かあてはあるの?」
「いえ特にありません。初めて東京に来ましたし、どんな仕事があるのかもまだわからないのでいろいろ見て回ろうかなって思ってます。」
「……………………そうなのね。いきなりだけど、うちで働いてみない?」
え?ビックリした。ジェシカ社長いきなり何言ってるんですか?え?まさか鮎美も芸能デビュー?
ほら、鮎美もビックリしてるし。
「……………………あ、あのどんな仕事ですか?」
「熊谷さんは優紀ちゃんとは高校からずっと一緒で友達なんでしょ?」
「はい、そうです。」
「なら優紀ちゃんのマネージャーやってみない?マネージャーって言っても仕事を取ってくるとかそういうのじゃなくて、優紀ちゃんの体調管理とか精神的なケアとかお願いしたいんだけど、どう?」
マネージャーか…………いや正直凄く助かる!そう東京で仕事するって決めたけど、不安で一杯だったのよ。
まさか鮎美に仕事辞めて一緒に東京に行かない?なんて言えるはずもなかった。なんでって、未来では地元で知り合った男性と結婚する予定なんだもの。
あれ?もしかして未来はもう変わってたのか。現に鮎美が仕事辞める話もこの時期に無かったし、俺が東京に来るってのも無かった話だし、いやいやそもそもカラオケ大会なんての無かったよな。
何処から変わってたんだろ?……………………絶対俺のせいだよな。ここで鮎美が路頭に迷って大変な事にならない様にしないと……………………
「あ、あの。鮎美…………えっと熊谷さんにマネージャーして欲しいです。お願いします。」
私は立ち上がりジェシカ社長に頭を下げた。(この時二人はニヤリとしていたのは見えなかった)
【ここからは優紀は頭を下げたままなので見えていません】
「ほら!優紀ちゃんもそう言ってるしどう?マネージャーやってみない?」ニヤリ
「え~といいんですか私で?芸能界の事とか全然わからないですけど。」ニヤリ
「誰だって最初はわからないものよ。大丈夫、あたしも教えるし面倒な事は全部橘にやらせるから。」ニヤリ
橘さんはやっぱりそうなんですねみたいな顔。
ニヤリ顔のまま鮎美は立ち上がり優紀と同じく頭を下げた。
「……………………わかりました。精一杯頑張りますので宜しくお願いします。」キリ
「ほらほら、そんな堅苦しいのはいいからご飯食べちゃいましょ。」ニヤリ
【ここから戻ります】
俺は頭を上げて感謝の気持ちで鮎美とジェシカ社長を見た。
何ていい人達だろう。
あっ、橘さんだけが疲労感が顔におもいっきり出ていたけど。
「あっ、そうよ。熊谷さん、住む所もまだでしょ?優紀ちゃんがよければだけど、一緒に暮らしてもいいわよ。優紀ちゃんどういい?」
…………おっ、え?いや女性と暮らすとか……………………そ、そうか今は同性だからいいのか。何も問題は…………ないよね?
「い、いいと思います。あゆ…………熊谷さんが良ければ大丈夫です。正直広すぎて落ち着かなかったので。」
「よ~しそれじゃ決まりね。優紀ちゃんも熊谷さんもこれから一緒に頑張りましょう。」
そうして急展開での昼食が終わった。
読んで頂きありがとうございます。
お豆腐メンタルな作者ですが、モチベーション維持に感想を頂けるのと
評価ポイントをつけて頂けるのが一番の効果になりますので宜しくお願いします。




