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伝説のカラオケ大会 (後編)


市長の歌には驚いたし笑った。

声まで真似て歌っているのが似すぎてて。

歌い終わって歓声の中ステージから降りる市長に親指でグウってされて思わず私も同じ様に返した。


さぁ、私の番だ。

市長のお陰で緊張も何処かに飛んでいった。


ステージの中央に準備してあるマイクに向い歩いていく。客席には沢山の人。どこを見ればいいのかわからなくなりそう。


ステージにいる演奏の方々を見ると、確か富田さんだっけ?さっきの市長みたく親指でグゥってして見せた。私は軽く頷きマイクを手に取った。


心臓の鼓動を感じる。


曲のイントロが始まると同時に曇空だった空が少し晴れて陽射しがステージを照らした。

うわっ眩しいな。咄嗟に顔にかかった陽射しを右手を使い隠そうとしたら右手の小指にはめた指輪に陽射しが反射して、なお眩しいわ!


そんな事をしていたらイントロが終わり私は歌いだした。

利き腕が右なのに左手にマイク…………右手の置き位置に困った私は振り付けの様に手を動かし続けた。


それにしても生演奏って凄いな。背中を音の圧力で押されてる感じがする。

私はこの前のカラオケで練習した6割ぐらいで歌うつもりだったのに自分の声まで掻き消されそうな勢いに負けない様に声をだした。


いつしか楽器達が奏でるメロディと自分の声が絡まり、時に競うように、そしてハモる様に歌っていた。

気持ちいい!楽しい!


力加減なんてすっかり忘れて思いっきり歌った。曲の終わりが近づく頃には陽射しが眩しいのもあって目を瞑って熱唱していた。


曲か終わり静かに目を開けると、曇り空は雲がなくなり陽射しの眩しさは無く会場全体が明るくなっていた。


そして私から見える範囲にいる人達がみな泣いていた。会場にはすすり泣く音だけ…………やっちまった!

感動し過ぎてるよ絶対!全く拍手も無い………え?このまま退場したらダメですよね?もう完璧やっちゃったよ!


内心焦っていると、ステージ横から拍手の音が聞こえ見てみると泣きながら市長が手を叩いていた。

その拍手はすぐに会場全体へ伝わり凄い歓声になった。

時折『姫~』って聞こえるけど、変なあだ名はやめてね!



これで終わったと思った私は帰ろうと……………………って誰だ?今何て言った?



会場に広がる「アンコール!」「アンコール!」の声。

いやいやカラオケ大会でアンコールとか聞いた事ないから!


困った私は救いを求める様に演奏の方々を見たら……………………え?何その満面の笑みで親指でグゥって?え?何で演奏始めるの!


何で?ハナミズキ

あぁ~歌うしかないじゃん!


で、もう1曲歌った。

今度はさっきみたく熱唱はなしで、力加減も出来たと思う。ふぅ、やっと終わった。



これで終わったと思った私は帰ろうと……………………って何で皆来るの?!



鮎美を先頭に今まで歌った参加者が全員ステージの真ん中に向かって来た。あぁ、そっか!

そういう事ね。

カラオケ参加者がステージに一列に並び終えると鮎美が主催者として会場に向かってマイクで話始めた。


「皆さん!どうでしたか?初のカラオケ大会で当初はどうなるかと思いましたが、最後に『歌姫』とも言える様な黒沢優紀さんの歌には感動致しました。本当にありがとうございます。他の参加して頂いた皆様もお疲れ様でした。そしてありがとうございました。」


鮎美は私達カラオケ参加者全員に向かって深いお辞儀をした。そしてまた会場に向かい


「さてカラオケ大会は以上で終わりとなりますが、公正な審査を持って優勝者を決めたいと思います。会場に入場された際にお渡ししたこちらの用紙に出場者のエントリー番号が1から34まで表記されております。こちらの用紙の数字は軽く押すと切り込み通りに穴が開く仕様となっております。ご自身が良かったと思われます出場者3人を選びください。それを退場する際に出口の横に設置しております箱に入れて頂き後日集計結果によりホームページで結果を発表致します。皆様この度は参加して頂きありがとうございました。」


鮎美は会場に集まったお客さんに向かって深いお辞儀をした。

会場からはそんな鮎美や私達に向かって凄い拍手と歓声が巻き起こった。本当に鮎美は凄いな。


そして歓声と拍手の中、ステージ上の私達は静かに退場して行った。鮎美だけが残り会場に向けて退場の際の忘れ物の注意やらの説明をしていた。


参加者待合室に私達は移動したそこには金田の姿があった。どうもずっと裏方的な仕事をしていたみたいだ。そんな金田が参加者全員に


「え~~~皆さんお疲れ様でした。この後、小さいながら打ち上げをしたいと思っております。スタッフ一同並びに参加者でご希望者がありましたら、ステージ裏にお集り頂く様お願いします。」


おぉ、ここにも凄い友達がいたよ。金田社長やるね~私が女なら惚れそうだよ。……………………ん?今は女か……………………ごめん金田、それは無理だ。


こうしてカラオケ大会は無事に終わった。勿論打ち上げにも参加した。まっその話はいつかね。


後日、カラオケ大会の結果が印刷された用紙を鮎美に見せて貰った時は思わず吹き出しそうになった。


私が1位で称号付きで『歌姫・黒沢優紀』2位『ロックな市長』3位『結婚予定の恵さん』だった。


何だよ『歌姫』って!あの歓声の時に聞こえたのは『姫』じゃなくて『歌姫』だったのか。それと3位ってもしかして、あの恵さん?参加してたの?



更新の予定は活動報告にてしています。

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