ゴールデンウイーク ③
ゴールデンウイーク2日目
いつもの会社に行くように早く起きてしまった。
何か暇だな~~昨日の夜から鮎美も用事があるって忙しそうだし、金田も仕事でいろいろ忙しそうだし…………
ぼんやりと窓の外を見れば曇り空、今回のゴールデンウィークはずっと曇り空だ。
昨日の夜に少し降ったみたいだけど、それでも晴れる様子はないみたいで天気予報では5日目最終日が少し晴れるぐらいと言っていた。
この休みを利用して車のローンを一括で払いに行きたいと思っていたけど、車屋も休みで無理だった。
はぁ~どうしようかな~って思っていると、思い出した。そうだ!
神様に会いに行ってみよう!
俺は一泊するつもりで準備をして車に乗り込んだ。
一応母さんに隣の県の〇〇市の友達に遊びに行ってくる。遅くなるようならあっちで一泊してくるからと言うと「車の運転気をつけて行くんだよ。後。心配だから着いたらちゃんと電話で教えてね。」と案外簡単に許可が降りた。信用されているのかされてないのかよくわからん。
向かう途中にATMにより20万を下ろして、ホームセンターで登山用品を少し買った。
あとこの時代の地図を買った。
あの時は現場の為に道が出来ていたが今は車で行ける道があるかわからないから。
鮎美には忙しそうだからメールで「ちょっと出掛けてきます。」とだけ入れておいた。
やっぱり忙しいのか珍しく超速での返信は無かった。
そして俺は車で片道5時間掛けて隣の県の〇〇市に向かった。
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鮎美視点
優紀が急に山に向かった頃
「金田!そっちどうなった?」
「あぁ、電気工事士見習いがほとんどだけど18人にOK貰った。鮎美の方はどう?」
「こっちはカラオケの参加希望が56人になったけど、かなりの数の人前で歌う事になるって説明したら辞退するって言う人がいてもう一回確認中。多分30人くらいになると思う。」
「そっか。賞品目当てでもやっぱり大勢の前で歌うのは勇気がいるものな。……………………それでさ気が付いたんだけど『姫』の許可も取ってないのに例のアレ、景品にしたらマズイんじゃない?」
「くっ、私も気が付いてた。でもさ、優勝するの絶対優紀じゃない?」
「え?あぁそっか、そうだよな。あれに勝てるとか想像できないもんな。なら『姫』が優勝したら他の物をあげるようにすれば問題ないかな?」
「了解。それは何か考えておくわ。」
「何その了解って?」
「え?あぁ最近優紀がよく使うからうつっちゃったみたい。」
「へぇ~そうなんだ。って言ってる場合じゃなくて!どうする出店とか?」
「あっ、そう、そうよ。どうする?今から食品衛生とか申請してる時間ないよね?」
「あと二日しかないから普通の方法だと無理だと思う。……………………仕方ないけどあの人に連絡取ってみるよ。」
「あの人ってまさか……………………」
そう、まさかな人がファンクラブに入っている。それは………………………………現役の市長の村岡 清史郎さんだ。
今はホームページで登録とか出来る様にしたけど、その前はどうやっていたかと言うと駅の伝言板に連絡先を書いてあった。
伝言板も定期的に消されるので、駅の職員に説明をして消さないで欲しいと頼むと「あの子のファンクラブ?それなら俺も入りたい。」と話を聞いてくれた職員がファンクラブの会員となり責任を持って消さないと約束してくれた。
それをどういう経緯で市長の村岡さんが見たのかはわからないけど、連絡が来た。
「わしも入りたいのだがいいだろうか?」
今もだけどファンクラブに入る条件はあの決まりを守るだけで会費も無い。でも登録として名前と住所、それから職業と連絡先の電話番号を教えて貰う。後日確認もかねて連絡して会員番号を教えていた。
電話を取ったのは金田だけど、職業を聞いた時は驚いて2度聞き返したらしい。
そして最後に「『姫』の事で困った事があればいつでも連絡をくれ。」と………………………………
金田は多分だけど公園の施設を借りる申請もスムーズに下りたのは市長が動いてくれたんじゃないかと思うと教えてくれていた。
直接連絡を取るのは初めてだけど、頼んでみよう!となり金田に電話させた。
「も、もしもし。村岡さんですか?」
「うむ、わしが村岡だがどちら様かな?」
「え、え~とファンクラブの会長をしている金田と申します。突然の電話すいません。」
「ほほう!やはり来たか。」
「はい?」
「そろそろ来るかと思っておったからの、公園の施設での件じゃろ?」
「え?えぇそうです、でもどうして?」
「いや、何この前バーベキュー…………いや今はBBQと言うんじゃったな。それをホームページで見ていてなそれで次に公園の施設をファンクラブの名前で申請したじゃろ?それでわしはピンと来てた訳じゃ。何か大きな事をするとな。それでカラオケ大会となったじゃろ?なら出店やら出すんじゃないかと思ったんじゃがその申請が出てないのを気にしておった。」
「はい、そうなんです。今から申請とかどうにかできませんか?無理を言ってすいません。」
「いやいや大丈夫じゃよ、もう申請は出しておいた。」
「…………え?いやでもまだ何の出店を出すかも決まってないんですけど……………………どうやって?」
「それはわしがもう出店を手配したからじゃ。何も食べる物も飲む物も無いのはわしが淋しいしの。」
「え?それはどういう事ですか?」
「簡単じゃ、わしも参加するからの。カラオケで歌う募集にも参加すると出しておいたが……………………もしかしてわし落ちたかの?」
「はい?」
横にいた私は電話の声が聞こえていたからすぐに名簿を確認すると……………………あっ!あった。
私はすぐに金田の電話を奪い
「はい。ありました大丈夫です。」
「おぉそうか、そうか良かった。してお嬢さんはもしかしてダブルゼロの熊谷さんかな?」
「は、はい。」
「『姫』は元気かの?」
「はい!」
「ホームページには書いてないんじゃが、『姫』も歌うんじゃろ?」
「はい!優紀の歌をどうしてもみんなに聴いて欲しくて……………………あっ!そのみんなも歌って楽しんで貰えればとも……………………」
「いいんじゃ、いいんじゃ。わしらファンも皆、多分気がついているじゃろうて気にせんでもいい。楽しみにしておるから頑張るんじゃぞ。」
「はい!」
それから残り2日間準備の為に忙しく動いた。優紀からのメールも軽く見るだけで深く考えずに「了解!」としか返さなかった。
まさか宿泊する程遠くに出掛けているとは思いもしなかった。




