ゴールデンウイーク ①
入社式から飛行機で帰って来ると空港には予定通りに桜田さんが待っていてくれた。
会社に戻って報告と清算を済ませれば後は午後からお休みだ。
帰りの車での会話では
「お疲れさん。聞いたぞ、社長偉い事言い出したってな。」
え?早くない?どこから聞いてきたんだ?
「誰から聞いたんです?」
「あぁ同じ大学の同期が本社にいるからソイツが昨日の夜遅くに興奮して電話で教えてくれたんだ。」
はぁ、なら俺の事も聞いているんだろうな。
「ん?俺は驚いてないぞ!残念だったな。絶対何かやらかすって思ってたからな。」
楽しそうに言われた。何それ?酷くない?
「それにお前言ってたしな、会社の体制とか5年後から色々変わるって……………………それって社長が何かするんだろ?それで未来を知ってるお前が本社に行くよな、そこで何かしら言ったりやっちゃって未来が早まるとか考えてたんだけど、どうよ?あってる?」
ん~~~~~~近い様な遠い様な…………でもやっちゃった感は否定できないし、くっ言い返せん。
やり返すネタももうあらかた言ってしまったし、悔しい。
ジェシカさんみたいに脇腹にでも鉄拳を入れたかったが運転してるから手を出せないし…………
あぁ~~~ストレス貯まる。鮎美でも誘ってカラオケにでも行くかな。
会社から家に帰ってくると、部屋のベットにダイブした。
疲れた~~~
鮎美と金田には帰って来た報告とお土産を買って来ているから後で渡したいとメールで送信した。
追伸でストレス発散でカラオケに行きたいと付け加えておいた。
これが後々あんな事になるとは……………………わかる訳ないから!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
鮎美視点
ん?やっと優紀からメールが来たわ。昨日は何もくれなかったけど何かあったのかしら。
内容は……………………帰ってきた事とお土産を渡したいと……………………ストレス?カラオケに行きたい?
優紀がカラオケ?そう言えば優紀の歌を聞いた事私あったっけ?
是が非でも聞いてみたい。
私はすぐに優紀に返信した。返ってきた返事は…………
「今日は疲れたから明日で」
そ、そんな~~
落ち込んだ私の隣には金田。別に付き合ってる訳じゃなく、今後の予定を相談していた。
1ヶ月後に東京に行く事は予定はある程度金田と決めて終わっていた。
今はゴールデンウィーク中のファンクラブの活動、企画の話をしていた。
この前に突如決まって開催したBBQがかなりの期待を持たせてしまい2回目の開催を要望する声が恐ろしいぐらいになっていた。
そして噂で姫のきわどい写真があると………金田が撮影した時に誰かにチラッと見られていたらしい。
金田は身の危険を感じて月極めのアパートを借りた。
私としては拠点になるし、他にもちょうど良かった。
私は持っているかもって疑いだけだったのが、金田があからさまに隠れたから金田が持っていると決定的になって私の容疑は晴れた。
そうそうBBQの話は大きくなり川の近くの前回の場所だと無理そうになった。今の予定で300人…………どうしよう。
金田はそれを見越して球場の近くのステージがある公園施設を借りる予約を取っておいてくれた。
流石、社長!頼りになる。だけど残念、私の好みじゃないのごめんね。
後は優紀をどうやって参加させよう………
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次の日
今日からゴールデンウィーク。
また、鮎美と二人だけでのカラオケかと思ったが今日金田も一緒に行くらしい。
俺が直接聞くと「一人でいたくないから」とよくわからない事を言っていた。何か淋しくなる事でもあったのかな?
向かったカラオケ屋はもう未来では無くなっている店だ。懐かしく想いながら中に入った。
昨日のうちに鮎美は予約をしていたらしい。11時から…………15時?え?4時間!どんだけ歌うつもりなんだ?
おぃ!金田!え?4時間も安全だ。って何を嬉しそうに言ってる?
はぁ、仕方ない付き合うか………
指定された部屋に入ると、テーブルの上に2冊の本が置いてあった。
あぁ、そうだ。昔は本から歌いたい曲の番号を探しリモコンで操作するんだった。
後、配信も遅かった。3月に流行った曲が5月に2ヶ月遅れて配信される。
未来は小さいディスプレイ端末機で検索で探してそのまま予約出来る。わりと配信も早い。
懐かしい本を開き曲を探した。
最新曲はどれも俺からしたら懐かしい。
あっ、これもよく歌ったよな。おっ、これも………
ん?もしかして今は女だから女性歌手の歌も歌えるんじゃないか?なら試そうと最新曲になっていた曲の番号を入れた。思い通りに歌えるかな?
ちなみに俺は歌のうまさは普通です。期待しないでね。
曲が始り歌い始めると不思議な感覚がした。声が加工されたみたいな音と正確な音程に修正されてる様な、でも不快感はなく逆に歌っていると楽しくなってきた。
声も渇れるとかそんな感覚も全く感じない。あっこれ本当に楽しいわ。
歌い終わった俺はスッキリ。ストレス?いやもうありませんって。
俺の番の曲も終わり、次に予約されていれば始まる時間なはずなのに始まらない。あれ?って思って2人の方を見ると……………な、何で泣いてるの?
金田お前鼻水!
カラオケの部屋にある箱ティッシュからティッシュを何枚か出して2人に渡したりと俺はあたふたした。
やっと落ち着いた2人は
「凄い感動したの、こうグッと来て涙が止まらなくなったの。」
「凄かった、もう俺ぶわっと鳥肌立ってそれからもう涙出てた。」
何それ?マジか?いや~俺も途中から楽しくなって熱唱してたけど……………………いやいや、そこまで俺は歌が上手い訳ないから!
明らかに異常な程感動しているよな?これってもしかしてあの神様が何かしたとしか思えん。
確か「見た目も綺麗にしといたぞ。」だったはず……………………ん?見た目も?も?もって何だ?見た目だけじゃなく他にも綺麗にしたって事か?
それは声も歌声も身体もって事になるよな……………………ヘタをすれば内蔵も綺麗って…………それはいいのか。ってゆうか、もう何を基準に綺麗にしたのかさえ怪しくなってきた。
もう普通に歌えないよな、これ……………………力をセーブすればいいのか?
悪いが二人には実験に協力して貰おう。
それから俺は何曲か選び歌ってみた。
1、熱唱すれば必ず相手は感動して泣く。
2、熱唱せずに声にも力を6割ぐらいなら感動はするが泣かない。
3、歌の歌詞の影響もある。
4、要注意※連続で聞かせると聞いた人は呼吸が苦しくなってヤバイ。(鼻水等)
きらきら星でも熱唱して歌うと感動して泣く
まっ、最後のは俺の悪戯だけどw
結果的には何とか人前で歌うコツを掴んだ。
案外楽しい。




