目標の為の計画作り
ジェシカさん達と別れてから俺は心機一転頑張るぞって気持ちになっていた。
いや~流石に恩返ししたい4人目の香織さんを…………そして出来れば沢山の人をどうやって助けようか悩んでいたけど、何とか出来るかも。ちょっと?結構?かなり壮大な計画になりそうだけど道筋が見えた気分だ。
車に戻った俺はすぐに鮎美に電話してみたけど、あれ?話中?
仕方ないメールでいいか。
えぇ~と『芸能界デビューしてみようと思います。』送信っと。
ふ~仕事辞めないとな~
あっ!ジーンズ買うの忘れてた。今からまた戻るのもしんどいしまた次にするか…………
そして家に帰ってきた。
俺はすぐに自分の部屋に行き、空いているノートを探した。
よし!さっそく計画を立てよう。
俺って昔から計画立てるの大好きなんだよな~そんでその計画通りに出来た時の達成感はもう格別。
いつもの様にノートを広げて俺は書き始めた。
目標① 家の修繕と増築
1、現在築15年
主な修繕箇所ーーー屋根、外壁、台所の床の軋み、老後に備えたバリアフリー化。
増築予定箇所ーーーお風呂場の増築、オール電化、ソーラ発電、車庫(2台分)
2、予算3600万
目標② 恩返し
1、母さんと毎年旅行に行く。
2、鈴木社長と南さんの不幸を回避する。孫の愛ちゃんが南さんと笑顔で一緒にいる姿を見る。
出来ればあの男を懲らしめる。
3、桜田所長の結婚を早める。あと家の建てる場所を変えさせる(床下浸水防止)
出来れば犬の飼い方を見直させる。
4、5年後に柳田 優を捜索。嫁を紹介する。
出来ればまた吞む。
5、笹倉 香織(旧姓)改め佐藤 香織さんの不幸を回避する。出来れば沢山の人も!
目標ーーーーー11年後のあの日に海岸線に近い人を避難させる。
発電所を浸水させない様にする。
避難所の準備。
手段ーーーーー
ここで俺はノートに書くのをやめた。手段がわからないからだ。
詳しい人っていないかな?あれ?そういえば未来で地震が起きた時、地震予測に詳しい教授がいたっけ、名前なんて言ったっけな。
何年も地震について研究してて、自分の予測通りだったとテレビで話して批判浴びてたっけ。
俺もテレビ見ててわかってたんならもっと何とか出来たんじゃないのかって思ったのを覚えている。
教授とか偉い人が地震が起きればこうなりますよって言っても実際は誰も率先して準備も対策もしていなかったんだよな。
なら…………無理やりしかないか。それとも避難しなければいけない状況にするとか、その日だけみんなを集める…………餌でも何でもいいから釣るみたいな感じかな。
そんな感じで考えていくと何個か避難の方法を思いついた。どれもお金が掛かりそう…………
勿論、発電所の浸水の回避も思いついた。実現出来るか専門家にでも聞かないとわからないけど、これもお金掛かりそう…………
避難所は丈夫な大きな建物を建てるしかないな。大きくて丈夫で3万人ぐらい収容出来る建物?球場かな?
え~球場建てるのっていくら掛かるんだよ。
そこで俺は気が付いた。何気に俺、お金に困りそうじゃない?
ちょっと神様!話が違うじゃん!お金に困らない人生をって言ったよね?
これは文句を言いに行かないと…………あそこにいるかな?それとも隣の神様の所かな?
俺はノートに書き足した。
目標① 家の修繕と増築
1、現在築15年
主な修繕箇所ーーー屋根、外壁、台所の床の軋み、老後に備えたバリアフリー化。
増築予定箇所ーーーお風呂場の増築、車庫(2台分)
2、予算3600万
目標② 恩返し
1、母さんと毎年旅行に行く。
2、鈴木社長と南さんの不幸を回避する。孫の愛ちゃんが南さんと笑顔で一緒にいる姿を見る。
出来ればあの男を懲らしめる。
3、桜田所長の結婚を早める。あと家の建てる場所を変えさせる(床下浸水防止)
出来れば犬の飼い方を見直させる。
4、5年後に柳田 優を捜索。嫁を紹介する。
出来ればまた吞む。
5、笹倉 香織(旧姓)改め佐藤 香織さんの不幸を回避する。出来れば沢山の人も!
目標ーーーーー11年後のあの日に海岸線に近い人を非難させる。
発電所を浸水させない様にする。
避難所の準備。
手段ーーーーー
目標③ 神様に会いに行く。できれば文句を言う。
まっ、感謝の気持ちの方が上なんだけどね。前の人生での後悔は沢山あるけど、そのうちの大きな4つ…………5つをやり直せるんだから。
そんな感じで未来の事を考えていたら、ふっと思い出した。
明後日入社式じゃん!
入社してから1ヶ月後に入社式って思うけど、ちゃんと会社的には理由があるらしい。
なんでも新人で辞めたりする人は1ヶ月もたないらしい。
だから1ヶ月間で辞めない新人だけで入社式をした方が辞令を出すにしても経費からみてもお得らしい。
辞めるって決めたのに入社式に出るの俺?今からじゃ間に合わないよね?
入社式って北海道の本社でするんだけど、そこで退職届出す?いやいや飛ばしすぎでしょ。
とりあえず今出来る事は退職届を書く事だけか…………大丈夫か?俺の計画…………
あっ!母さんに何て言おう………
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
熊谷 鮎美視点
やっぱり芸能プロダクションの橘さんから電話が来た。
携帯のディスプレイに出た名前を見ながら私は思った。
はぁ、今の優紀なら落ちるかもって思ってたけど案外簡単に落ちたみたい。
聞いてた待ち合わせ時間から30分しか経ってないから!
「はい。もしもし熊谷です。」
「もしもし、芸能プロダクション〇〇〇の橘ですけど、今大丈夫?これから黒沢優紀さんの事で会えないかな?」
「はい、大丈夫です。…………決まったんですね?」
「え?う、うん。そうだと思うよ。今、〇〇〇のショッピングモールにいるけど、どのくらいで来れそう?」
そう私は聞かれたけど、もう私は橘さんの後ろにいるんだけどね。
私はそっと肩を叩いた。
「う、うわっ!なんでいるの?」
優紀が行く所に私も行くのは当たり前。
「マネージャーですから。」
「そ、そうなんだ。」
電話する為に店から出ていた橘さんに連れられ先程まで優紀が中にいたお店に入って行った。
くっ!強烈なオカマがいた。ピンクのスーツに薄く髭も見える、多分濃い人なんだろうな。
「あたしジェシカ。よろしくね~」
「えっ、えぇ、どうも。」
「貴女が雅史ちゃんから聞いてた黒沢優紀ちゃんのマネージャーさんなのね?」
「えぇ、優紀さんには内緒ですけど、そういう感じで動いてます。」
「ふ~んそうなの。じゃ黒沢優紀ちゃん芸能界にデビューさせるから貴女もうちに来ない?いや来るでしょ?」
何このおかま!私の優紀を私から奪う……………………え?私も行く前提なの?
それからジェシカと名乗ったのは社長である事やこれからの事を話合った。
「わかりました、優紀さんがやる気なら私は何処にでも付いて行きます。それでもう二人…………いえもう一人雇って貰えませんか?」
「ん~、どんな子なの?」
「ファンクラブの会長をしている金田君です。会社を作って今まで企画制作をしてくれていたんですが、最近会員の人数が増えて対処できなくなってきていたので…………ダメでしょうか?」
「そう…………男なのね?どんなタイプ?」
タイプってあんた!興味はそっち?金田……………………ごめん。あんたを一緒に連れて行く為だから。
「見た目ワイルド系なんですが、中は可愛い子犬のような純情で従順な男です。ジェシカ社長の様に引っ張って行く様な女性には弱いと思います。」
「あら……………………あら~、あら~、俄然興味が沸いたわ!いいわ、その子も連れて来てあたしが雇ってあげる。」
「はい、ありがとうございます。」
こうして私と金田は優紀と一緒に雇われる事になった。
金田の了解は勿論取っていないけどね。
そして、優紀にはファンクラブの事がバレないようにする為にギリギリまで私と金田の事を内緒にする事にした。




