最初の一手
【購入画面表示】
ふむA国兵器、M42ダスター自走高射機関砲、ゲームでも初期から手に入る安めのユニットだ、試しに使ってみるか、購入にはゲームでためたお金か、この世界の紙幣どちらも使用できるな。ゲームの方のお金は電子マネーとして地球で使われていたという設定らしい。
「見たまえ、これが購入の能力だ、M42ダスター自走高射機関砲、1ユニット十台、」
目の前に並ぶ、十台の対空車両。
「これも、販売するので?」
能力の使用に驚きながらも、質問する部下。
「ああ、町の自警団にでも売るつもりだ。さて、早速だが地図を手に入れた、これらの町に交渉のために飛んでくれ。」
「「了解しました。」」
「予定としては、海岸沿いの都市間の物資輸送の仕事を受け、代わりに我々の商品を内地に運ぶ仕事を回すことで、現地の商会とは住み分けしよう。」
護衛を付けた輸送機が、一斉に飛び立つ。
「さて私も行くとしよう。」
「主要な都市へは既に部隊を派遣しました、どちらに向かうのですか?」
私は地図を広げ、小さな町とも呼べないような集落を指差す。
「この地形良い港になりそうじゃないか?それに本部にも近い。」
歴史を調べ、地図と見比べる。湖ではあるが日本海の数倍のおおきさはある。それより小さい琵琶湖ですら、昔は開運で盛んであったのに、何故この世界では海運が発達しなかったのか。
あまりにも都合が良すぎて、違和感があるが、このゲームのようなガチャシステムから船の類いが出てきた記録が無い、いやボートの類いが出てきて資源に解体したと言う記述がある。出てくる物の大きさが決まっているとか?
「しかし飛行船の技術が謎だ、ガチャがこの世界の技術に影響を与え続けているのはわかるが、そこで飛行船だけが発展した、まあ気球にエンジンをつけてとかかな?まあ海がほとんど無いなら、でもあの規模なら小型船での海運も。」
「ボス、何を熱心に眺めているんで?」
「特殊部隊に忍び込ませて手に入れた都市の運営情報のような物だったり、購入した歴史の教科書だったり、おやこれは宗教?」
巨大な飛行船から飛行機が飛び出し空族を倒す所から始まる英雄譚、多くの物を運ぶ事に驚愕し、それにより砂漠や荒野の中で孤立した都市が発展していく。
「我々と同じ立場、フム、しかしそれだけでは、いやそれを利用した独占?」
すると歴史の見え方も変わる。飛行船に対する信仰と海に出る化け物や海賊の民間伝承、また湖の周辺の中小企業が制裁を受けている。
「すでに探らせたからな、報告を待つしかない。」