会談
「では、自治独立による街が、それぞれ法を決めており、それらをまとめようとする動きはあるが、細かい法律はなく、大まかな物だけがあると、」
大昔に海と河川が枯渇しており、時折降る雨や、地下水脈などで水を賄っている模様。いくつか海も残ってはいるが、巨大な湖のような扱いで、塩が取れたら海という扱いのようだ、魚を捕る以外には岩塩とかと同じで重要視されていない。
広大な大陸において長距離間の交通整備が困難であるため、主に飛行船を用いて空路で交易を形成している。時代を経るにつれて、物資を狙う集団「空賊」が出現。空賊から物資を守るための「自警団」を形成していく中、依頼によって引き受ける「用心棒」も誕生していた。
もちろん直接聞いたわけではないが、フアイサル・ハルブ君、ひとつ前の最後に登場した外交官で、彼のの言葉巧みな話術により引き出した情報だ、回収した空賊の情報とも一致する。ちなみに私は隣でコーヒーを飲みながら過ごしていた。
「実は、報酬の件なんですが、物資を運べたらお金が入るのでその後でしたら、」
「ええ、かまいません。」
「ところで、先ほどから当たり前の質問ばかりを?」
「実は、我々は引きこもりのようなものでして、こちらの社長がトップに立ち、ようやく外側に目を向けたので、情報が乏しいのですよ。」
ふむ、普段飲んでるコーヒーと比べてあまりおいしくないが、これはこういう癖の強いものだと思うとおいしく感じる。ちなみにハルブ君の言っていることは、あらかじめでっちあげた嘘だ、設定といってもいい、別の世界から来たなんて言うより、海の孤島に暮らし引きこもっていたのほうが信じてもらえる。
「すいません、コーヒーおかわり、」
「わかりました。いまなんの話をしてるんですか?」
「報酬の話だよ、街に行ってからもらうって話、にしてもおいしいコーヒーだね、」
「えへへありがと、」
給仕の少女が出ていくのを確認した後に、松山が声をかけてきた、
「気が付いてますか?ボス、」
松山・哲、今回護衛の隊長として、来てくれた。
「武装してたね、わかりにくかったけど、まあ武器を持った人間がこんなに入ってきたら警戒するさ、」
「そうですね、」
交渉も終わりそうだ、
「では、報酬は道中の護衛を含めたもので、我々は船で向かいます。海に浮かぶ滑走路のようなものだと思いください、」
「なるほどね、自分の街だけならほかの街から物資が必要じゃないわけだし、飛行船よりコストの安い船を使うのね、わかったはまあ速度は遅いのだろうけど、それは我慢しましょう。」
こちらとしては、街に行きたいわけだが、ルック飛行隊の護衛として街に入ることでスムーズに、あまり悪い印象を与えずに街に入ることができる。
あと、元の世界での話だが、世界最大の飛行船『ツェッペリンNT』で最高速度は、時速125キロ程度、通常飛行速度は時速65~80キロ、
ニミッツ級やタイコンデロガ級は、最大30ノット以上、大体時速56キロらしい、キーロフも原子炉使用時は31ノットとかだし、きっとこの速度に驚くから、自慢の艦隊を馬鹿にされた気がして不機嫌なんだよ、
話が終わった頃を見計らい、彼女に話しかける。プレイヤーとやらであるのだろう彼女に、
「プレイヤーについて教えてほしい、どうやら周りにあまり知られたくないようだったのでな、気が付いたらいつの間にか見えるようになっていた、なんだこれは、」
「わかりました、お答えしましょう。」