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15分チャレンジ②

作者: まぁらぃおん。

世界が終わる、

俺のすべてだけではなく世界のすべての歴史が幕を閉じようとしている。


約1年前に突如現れた星、その星今日18時にこの地球へと衝突するらしい、

幸いなことか不運なことか、その星は太陽のようにガスが蔓延しているのではないようで

巨大な月が近づいてきているくらいにしか感じない。


本当に地球が消滅するのかと疑問に思っている人間は少なくはないだろう

だが、それは事実としてテレビで連日放送されている、

いや、されていた。


テレビ局の人間はすでに撤退しており、約1ヵ月前にはテレビは何も放送されず

ノイズの入っている灰色の画面だけ、


家に引きこもる人、外へ出て大切な人と最後の光景をと言う人、最後だから何をしてもいいだろうという人

この地球という星の人間は混乱の真っただ中である。


けれど俺は至って冷静だ。

なぜならば、俺には引きこもる家も、最後を添いとげる大切な人も、最後だから何かをしでかしてやろうというような思考も存在しない要は空っぽなのだ。


とりあえず俺は現在近くにある公園のベンチで座っている。

することもないし、空を見上げるとでかい星があるしで

ただただ座っていることしかできなかった。


そこへ声が掛かる。


「あなたも空っぽなのね」


「ん?」


女性の声だった、ふと声の方向へと視線を向けると


20代半ばといったところだろうか

艶のある綺麗な黒髪の整った顔立ち、歯はセラミックのように真っ白で

手足は細く、服の上に張っている胸を見るだけでもその大きさが俺にもわかる。


世界の終わる最後の日だからだろうか、なにか補正でもかかっているのではないかというほどに

その女性は美しかった。


「あの……、どなた?」


「わたし?わたしは(かおる)、あなたと同じで空っぽの人間よ」


空っぽ俺の想像している空っぽであれば

先ほど考えていたこと通りだろう。


「空っぽですか……」


「あなたは空っぽではないの?世界の最後の日になんの変哲もない公園の椅子でただただ座っている

 そんな男の子が」


「そう……ですね、俺には何もありませんし、何かをしたいという思いもありませんから」


「そうね、」


と静まり返る公園、隣に綺麗な女性が居るからか、俺の心はこんな状況にもかかわらず高揚していた。


「綺麗……ですね」


「そうね……、口説き文句かしら?」


「そんなつもりはありません


 俺……なんかでよかったんですか? もうすぐ世界が終わりますよ?」


なぜ俺なのだろうか、

と思案した俺だったがすぐに答えが返ってきた。


「私は、未来から貴方に会いに来たのよ」


「え?」


俺は驚愕の声を上げてしまう。


「世界はここでは終わらないわ


 でももうすぐ時間ね、また目が覚めたら会いましょう」


「ちょ……、」


星は大気圏に突入しているのか

他の建物が風圧で飛んでいく、

その風圧に飛ばされる対象は俺だけではなく


空へと舞い上がる俺に対し

彼女は微笑んだまま宙を舞っていた。


そして、飛んできた瓦礫が俺の頭に辺り。


一瞬にして俺の意識は刈り取られた。


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