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死刑囚チャンネルと略奪の異世界転移  作者: てれさがはく
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その少女を見た瞬間、「ああ、俺はこの子を一生守ろう」と思った。

出会った瞬間に何言ってんだって感じだと自分でも思うが、本気でそう思った。


人にはそれぞれ理想の女性像というものがあるだろう。

顔つきや体つき、仕草などでこういう人がキュンとくるとかこういう人とつきあいたいだとか、はっきりと明確な奴もいればそうでないやつもいる。

しかし後者でも、おそらく、綺麗な年上のOLさんと部活のかわいい後輩どちらとつきあいたいといわれてどちらかを選ぶであろうからそもそもに、多少の理想というものはある。


俺はどちらかと言えば今まで理想が明確では無い側の人間だった。


なのにもう俺の理想は固まってしまった。

この子だ。


名前も知らないこの子こそが俺の理想の女性だ。


今おれの理想の天使だと世界に叫んでも全く恥ずかしくないし、後悔もしないくらいに、


俺はこの子に心を奪われてしまった。



柔らかそうで、あたたかみのある、少し金のはいった白の髪、どこの国か分からないが魅力的な褐色の肌、紅潮した頬、小さめの唇、細い首、やせ気味の体、そしてなによりもその吸い込まれそうなオレンジの瞳!最高に魅力的だ、完璧すぎる。天使だ。うん。




今まで褐色肌のAVなど見たこと無いが今日から俺は褐色愛好家だ、いや、この子以外の褐色にあえての意味などないが、、

オレンジ目も銀髪もそうだ、考えたことも無い。


死刑囚の監獄の前だと言うことなど忘れていた。

この子が死刑囚だなんてどうでもいい

いや、この子はどう見ても冤罪だろ。

こんないたいけな少女が犯罪者な分けが無い。

しかもどうみても14才くらいだぞ。

ん……。

そう考えると俺はロリコンなのか……?

まあいい、年齢なんて関係ないさ!


「っっ、」

少女は凝視していた俺不思議そうに見ていたが、唐突に首の右側を押さえた。



しまった!

つい、目を奪われて少女の状態への対応が遅れてしまった。

おいおい何かけがしてんじゃないだろうな

他の看守がやったのか?

そうだとしたら許せんぞ。

皆殺しだ。


「大丈夫!? 天使ちゃん!?」


俺の対応が遅かったせいで何かあったら大変だ。

もし何かあったときにおれは一生後悔するだろう。


「sる¥んvぐHch@、、てんSi、、?」


俺と違う言語のようだ。

アクセントの付け方が全然違う。

この子は見るからに見たことの無い人種だが。


「……ne tiiga eetta」


ん?ねてぃぃがえった??どういう意味だ……?


……寝違えたか!マジかよどんな寝相だよ!!!


少女はくるくると首をまわしている。

良かった、元気そうだな。

痩せすぎている気はするが。


いや、安心している場合じゃ無いな。

状況は一刻を争うものだ。


ここは理由があって殺せない、名ばかりの死刑囚がいる場所。

デイジーの死刑が決まったときは世界中で百万人のデモが起こったくらいだ、そうそう手は出せない、しかし万が一ということもある。

加えてここは、間違いなくこんな年齢の少女がいるべき場所では無い。

こんなかわいい子が、粗末な食事しか与えられなく、薄い毛布、硬いベッドのこんな部屋でいること自体間違いだ。

いや、この子にベッドはあまり意味が無いのかもいれないが……。


ぐーーーーーーー


少女のおなかが大きな音を立てて鳴った。

かなりでかい音だったが少女は気にした様子も無く。


「おなかへった」


と口にした。


……やけに流暢だな

さっきまでローマ字で喋ってたのは気のせいか?


いや、もしかして食べ物もろくに与えられていなんじゃないのか!?

おいおい、基本的人権をなんだと思っているんだ。

健康で文化的な最低限度の生活だぞ。


ん?

ふと俺は少女の後ろに目がとまった。

そこにある大量の食器に目を落とした。


サッ


んんんんん??

今隠したよなぁ?


少女はその小さな体で後ろの食器類を隠そうとする。


「なにもたべてない」


ほう?

よく見るとこいつの体は腹だけがかなりふくれあがっていた。


「…………どれくらいだ?」


「mikka」


あらやだ、すっごい嘘つき。


しかも口の横になんかソースついてるぞ!

げっぷぅっ、て感じじゃねえか!

おなかすいたがやけに流暢だったのももしかして言い慣れていたからか!


「その食器はなんだ」


ふるふるっ


少女は首を横に振るう。


「……自分が食べたものではないと?」


コクコク


部屋の中にはよく見たら、コンビニのものと思われるパンやお菓子の袋が散乱していた。

こいつ絶対他の看守から食べ物をもらってやがる。

この可愛い見た目でカツアゲされてんだろなあ。

可愛いものにはホモだろうがなんだろうが、皆弱いのだ。


「そうか」


意外とたくましい性格をしているようだ。

あークソ可愛いな。

首をたてにふるだけでなんでこんなに可愛いんだ。


俺は自分のポケットから夜食用の菓子パンを取り出す。


「ほらよ」


つい差し出してしまう。

全く、たいしたカツアゲ師だ。


腕を鉄格子の隙間から中に入れる。


少女はそれを見るやいなや。

目を大きく開き。

こちらに飛びかかってきて。

そして……。


「いってえええええええええ!!!!!」


俺の手ごと菓子パンに噛みついてきたのだった。






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