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魔法使いの心得  作者: 鹿の子
ジンジャー・ペンの物語
5/25

5・土の属性①

 翌朝、ジンジャーが学校の正門をくぐると、待ち構えていたように、イフティが近づいてきた。


「おはよう、ジンジャー。昨日さ、俺たちが消えた後、倒れたんだって?」

「……おはよう。さすがに、早いわね。情報が」

 イフティは、ニヤニヤしている。ブラッド家は、うわさ好きだ。なので、いろんな情報がいち早く彼のもとにも届くのだ。

「あれかな。やっぱり、十六歳で儀式っていうのは、結構きついもんなのかな。俺は八歳だったけどね」

 イフティがケラケラと笑う。

「儀式には、個人差があるからね」

 いつのまにかやって来ていたコチが、ジンジャーとイフティに加わる。 きっとお得意の、風にでも乗って来たのだろう。

「体は大丈夫?」

 背の高いコチが、ジンジャーの顔を覗き込んできた。

「心配掛けてごめんね。昨日は、ありがとう」

 ジンジャーは、コチにお礼を言った。

「あれ、俺には礼はなしかよ、ジンジャー」

 キャンキャンとイフティが吠える。

「……ありがとう。イフティ」

「ふふ。それでいいんだよ」

 ジンジャーの言葉を聞き、イフティは満足げな笑みを浮かべた。 そんな様子に、ジンジャーとコチは苦笑する。

「しっかしさぁ、ラウ家の奴と儀式の場で一緒に立つとは思わなかったなぁ」

 イフティが伸びをしながら言う。 ラウ家とは、土の属性のアレックスのことだ。

 そういえば、儀式の最中も、彼の登場による気持ちの揺れを参列者から感じたことを、ジンジャーは思い出した。そして、今朝の朝食の場でも――。


「『ラウ家は、危険』だって、言いたいのかい?」

 コチが静かに問う。

「なんだよ。そんな風に訊いてくんなよ。だってさ、そうだろ? ラウ家云々の前に、『土の属性』ってだけでも、ちょっとあれなんだし」

 もごもごとイフティが言う。

「え、なに? ちょっとあれ、ってどういう意味?」

 真っ直ぐに訊いてくるジンジャーに向い、イフティは軽く舌打ちすると「君んとこはさ、ほんと、疎いよね」と言った。



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