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U:niON《ユニオン》  作者: 藤華 紫希


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17/19

タイトル未定2026/02/20 21:57

 朝イチで昨日の報告をする為に社長室をノックする。

「失礼します。おはようございます」

「おはよう」

 報告待ちで社長も上機嫌だ。

「社長、仲野先生にダンサーの件とスカウトの件伝えました。ダンサーはMVの2人と男子4人先生と一緒にピックアップ済みです。スカウトの件は親御さんにもお話ししたので、近々こちらで社長に面談して頂ければ後は問題ナシです」

「ご苦労さま。親御さん大丈夫だった?」

「はい。元々プロ志望なので。高3ですし、進学をせずに先生の手伝いをしてプロを目指すつもりだったようです」

「タイミングも良かったみたいだね。他所に先を越されずに良かったよ」

 ここに入ってから知ったのだが、TRILLの時はタッチの差で他に決まっていたそうだ。先生が顔が広くて、あちこちに生徒を送り出している。

「そう言って頂けると私も嬉しいです。可愛い後輩にお声がけありがとうございます」

「U:niONのツアーにできるだけ同行させて勉強させてやって」

「はい。U:niONのファンなので喜んでました」

 また練習の時に来てあのテンションで大はしゃぎするんだろうな……。

「ダンスレッスンもゆきさん頼んだよ」

「仲野先生も練習から出来るだけ入って下さるそうなので、一緒にレッスンの予定です」

 先生もダンサーの仕事が入って喜んでいた。

「それでは面接の日程の調整しますので、スケジュールを私の方へ送っておいてください」

「了解。よろしく頼むよ」

「では失礼します」

 社長室を出るとリュウが待ち構えていた。

「ゆきさん、ちょっと話があるんだけど」

「まだ集合には早いですよね。また何かありましたか?」

 わざわざ一人で先に事務所まで来て話があると言われたら、さすがに色々ありすぎてつい身構えてしまう。

「あ、いや……ダンサー無理矢理押し切ってしまったかな、と思って……」

 リュウも色々ありすぎたせいで気を遣いすぎている。

「大丈夫ですよ。言いましたよね?ダンス楽しいって。それに高橋さんもU:niONを助けてくれるって」

 そう言ってもまだ不安そうにしている。

「リュウは、私を信用できませんか?」

「信用してるよ!してるから……」

 かなり落ち着いたトーンで話しても不安気だ。

「信用してるなら、私がU:niONの為に楽しんでやるって言ってるんですよ?……少し座ってコーヒーでも飲んで話しましょうか?私も色々相談したい事があるんです。聞いてくれますか?」

 無理矢理作った笑顔で頷いている。

「練習室でいいか。事務所の美味しいコーヒー貰ってきます。先に行って待っててください」

「わかった」

 背中をポン、と押して送り出す。

 まずは……リュウが先に事務所に来ていることを高橋さんとナツに連絡。ナツからは聞いてる、よろしく、とすぐ返事があった。リュウはあんな状態でもリーダーを怠っていない。

 事務所でコーヒーをポットで(!)貰って練習室へ向かう。手がいっぱいになる事がわかっていたので、ドアは予め解放してくれている。リュウはイスとテーブルまで準備して待っていた。

「お待たせしました。朝食は食べた?お菓子とパンも貰ってきました」

「食べてない。ありがとう」

「私もここにあると思って食べて来てないので」

 コーヒーを注いでいるとリュウが笑い出した。

「なんですか?」

「いや……コーヒーはポットだわ、パンもお菓子も山積みって」

「二人で食べるならそこそこの量必要でしょ!余ったら置いとけばみなさん食べますし。コーヒーは朝二杯くらいいつも飲むから。何度も事務所まで行くならこれの方が効率がいいと思いませんか?」

「……確かに効率はいいか。でもそんなに持って来るなんて予想しないだろ、普通」

「ほら、早く食べてください。みんな来ちゃいますよ!話も聞いてくださいよ!」

 みんなが来るまで1時間ちょっと。

「ゆきさんどれがいい?」

「気にせずに先に選んでいいですよ?」

「ゆきさんの好きなのが知りたいの」

「気分はこれかなー。でも食べたいのしか貰って来てないですよ?」

「なるほど。そりゃそうか。で?話……相談って?」

 パンをコーヒーで流し込んでから切り出す。

「まずは、後輩ダンサー二人の事なんですが」

「MV出てくれた子達?」

「はい。ツアーにも同行させます。ウチの事務所に所属させて頂けるそうです」

 パンを咥えて手を空けて拍手してくれる。

「ありがとうございます。しばらくU:niONと一緒に回って勉強させるので、リュウにも迷惑かけるかもしれませんが、よろしくお願いします」

 やっとパンを飲み込んだリュウが返事をする。

「ゆきさんの後輩が俺らの後輩にもなるんだ。皆でフォローするよ」

「問題はU:niONのファンってところなんですよね。また大はしゃぎですよ、あの二人」

 MVの時を思い出したのか、リュウも笑う。

「U:niONには一緒になってはしゃがないように言っておかないとだな」

 パンを口に入れながら、次の相談をどうしようか悩んでいるとしっかり見透かされた。

「まずって言ってたよね?次の相談は?」

「モデルの事です。社長にも続けて欲しいと言われて。一年後の返事でいいと言ってくださってますが。マネージャー業と両立できるのかまだわからなくて。学生の頃みたいに楽しめるのかとか、U:niONの皆はどう思っているのかとか。社長にもU:niONと相談って言ってあるので」

「俺は……ゆきさんがやりたいことをやって欲しい。一緒に居る時間が減るからマネージャーは続けて欲しいけどさ、誰にもゆきさんのやりたいことを止める権利は無いから。俺は、どんな答えでもゆきさんを応援する」

「ありがとうございます。まだ、モデルの件は皆には黙っていてください。もう少し動き出してから皆には相談しますので」

 あまりに真剣に答えてくれて少し照れくさくなってしまった。コーヒーを飲み干して二杯目を注ぐ。

 リュウももう一杯コーヒー飲みますか?

 お願いします。ゆきさんしっかり食べてよ

 はい。

 その後たわいない話しをしながら食べていると、メンバーがぞろぞろとやってきた。

「え、リュウくんずるーい!」

「なんで二人だけでこんなとこでモーニングしてんの」

「これちょうだい!ぼくも食べるー!」

「なぁー、なにしてたん?」

「僕も気になるなあ」

「ちょっとゆきさんの相談に乗ってたの」

「リュウくんの相談じゃなくて?」

「ダンサー無理矢理押し付けて気になったからさ」

「あー!そやった。ゆきさん怒ってへん?」

 あちこちでしゃべり出して一気に賑やかになった。誰がなにを喋っているのかもわからない。

「怒ってなんて無いですよ。ダンス楽しいですから。社長に任されたので、ダンサーも昨日仲野先生の所へ行って手配して来ました。ついでに社長が後輩ダンサー二人をスカウトしてこいって言って下さったので、伝えて来たんです。しばらくはツアー同行させてU:niONを見て勉強になるので、リーダーに相談してたんです」

「MV出てくれた子達?ツアーのダンサーもしてくれるの?」

 アキはちゃっかりイスまで持って来て食べながら聞いている。

「U:niONのファンなので、またはしゃぐかと思いますが、一緒になってはしゃがないようにしてくださいね?」

「大丈夫大丈夫。いつものことやん」

「おいおいリツ、それじゃダメでしょ」

 いつもの掛け合いで笑いが起きる。

「後十五分だよ!迎えに行っただけなのに来ないからどうしたのかと思ったら!早く準備して!」

「すみません!急ぎます!」

 高橋さんに怒られてしまった……。


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