土管争奪戦!シロヒレくん
エピソード4「後から来た3匹・特にシッポナガサン」の後書き写真に「土管」が映ってます。ご参考まで。
2022年12月、夫の友人が誕生日プレゼントをくれると言ってきて、ガーデンセンターに行きました。
目についた私の好きなものを何でも買ってくれるって!
私はホクホクでついていきました。
だってそこには、熱帯魚も金魚も、水槽だって売ってるんですから。
職業柄、花や庭木は職場から持って帰ったりナーセリーから取り寄せたりで、ガーデンセンターで買うものは限られているので、ねらいは金魚物。
ただ、友人は住宅ローンに車のローン、別れた奥さんに息子の養育費を払ってる身、贅沢は言えません。
予算は3千円以下だろうなと当たりをつけて、私が選んだのは、土管。
土管としか言い表せないのですが、直径5センチx12センチくらいの長さで、エーゲ海の遺跡に沈んでそうな欠けた土器の中に水苔を詰め、アヌビアスという水草を固定したもの。
カナダモやマツモはすぐ食べてしまう魚たち。アヌビアスだけは攻撃しない。
他にも水草はいろいろあるけど、熱帯魚水槽ではないので、水温不足で育たないものばかり。
ということでアヌビアスは重宝。
家に帰ってすぐに大水槽のすみに沈めました。
まる1日魚たちは遠巻きに見ていましたが、やはりヌシが一番に周囲を泳ぎ、匂いを嗅ぎにきます。
不発弾などの危険物ではないと判断したもよう。
それから1週間は、土管を既にそこにあったものと見做したようで、魚たちは土管に触れはしないけれど、土管の周囲に沈んできた餌をついばんでました。
(ついばむって鳥類用の言葉でしょうけど、砂利を口に入れてポッと吐き出しながら餌を食べる様子は「ついばむ」と言いたくなります)
それから数週間後だったか、なぜか水槽の水面に綿ゴミのようにふわふわと浮くものが!
浮遊物はフィルターからの水流で浅いところを回遊するので、見苦しいったらありゃしない。
「何なのよ?」と網で掬ってみるに、水苔の残骸でした。
土管の水苔!
どうして出てくるのかしばらく見ていると、
まずはヌシ!
土管に頭を突っ込んでは水苔をつつく。
全部吐き出しているようではないので、ご飯の代わりに食べているみたい。
そんなヌシの真似を始めたのはシロヒレくんでした。
シロヒレくんはちゃっかりしてるんです。
どこにいけば餌があるか、誰についていけばおこぼれにあずかれるのか知ってるような頭脳派。
餌が投入された途端は水面で食べ、次に沈んでくるものを待ち、水底を転がってくるものをフィルターに吸い込まれる前に食べ、仲間が気付いていない隠れ家の隅に落ちていたものも食べ、といった調子。
そのせいか、同じくらいのサイズだったクロヒレくんより成長が早いのです。
餌が水面を一周廻って沈んでくるのがこの土管界隈。
最初は降ってくる餌を待ってたくせに、夕方暇になったのか、ヌシが近くにいない時を見計らって、土管の水苔に興味を示しました。
土管に頭を突っ込んで、前進しては後退、その繰り返し。
その動きにそって水苔が出てくる出てくる!
ヌシと違って食べているようではありません。
これは絶対いたずらしたいだけ。
シロヒレくんはヌシの半分の大きさなので、ある日とうとう、土管を通り抜けて反対側から出てきちゃいました。
ヌシとシロヒレのコンビで詰まっていた水苔に穴を開けたらしい。
私としては、金魚が植木鉢の穴をくぐったり、隠れ家の通り抜けなどすると、曲芸みたいで「尊い!」と叫びたくなるので、嬉しい反面、「そこまでしなくても……」と頭を掻いて。
そのうちふたりがかりで水苔をなき物にしてしまい、水草も取れてしまいただの土管になり果てました。
内径は充分にあるはずなのに、ヌシは一度も通り抜けてくれなかった。
頭入れて後退。
シロヒレくんは当分の間、通り抜け遊びをしてました。
土管争奪戦はシロヒレくんに軍配!!
3年経った今では、シロヒレくんにとっても土管は小さくなってしまい。
かといって、シロヒレより小さなクロヒレとリロワンは土管には全く興味がありません。
お昼寝にでも使ってくれたらいいのにね。
あ、ちなみに土管をくれた夫の友人は、その後、
「オレと付き合わない? アイツも認めてる、『よろしく頼む』って言ってた」
などと言い腐るのでケンカして没交渉になりました。
亡夫の「よろしく」はそんな意味で言ったんじゃない。
土管もそろそろ、水槽から取り出してやろうかな。笑
この話を書いた直後の日曜日(2026年3月)、ヌシが土管を通り抜けるのを目撃しました!
できるんじゃん。
ヌシができるなら恐らくみんなできる。ということで土管は当分沈めたまま、決定~
次話に過去作が続くので、投稿をちょっと早めてます。
「金魚だから水曜日投稿」だったはずなんですが。
のんびり読んでいただけると幸甚です!




