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推したち
あんなにキラキラしていた推し
私の私生活に潤いとハリを与えてくれた推し
その推しは、いまや犯罪予備軍のうちのふたりだった。
私は、焦っているのが自分だけなことに混乱していた。
バイト君とは、まだ自己紹介すらしていない。据わった目をしていて、なんか強そうな筋肉があった。
私は、彼に望みを託していた。
彼は、奥さんに指示を受けたのか、ズンズンと推し等のテーブルへ近づいていく。
なるほど!戦争だ!
私の興奮は最高潮になった。
いざとなったら私も、椅子を振り回して刺されないようにして戦おう。
「お客様」
バイト君は、威圧的に声をかけた。