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ラランぴとタケちょみ

ふざけんな、設定が違う。


ラランは私の中のお姫様で、どんな熱気あるステージでも汗で乱れない。

踊りに合わせて前髪が揺れ、頬はコットンのようにサラサラの質感だ。


この姿になるのに、どれだけの努力がいるか、女の私にはわかる。

ステージの始まる2時間前にはメイクにとりかかるのだろう。その上、これには日々のケアや日焼け対策、食事制限、睡眠管理の努力が切れ目なく必要とされる。


それを怠った子とは、歴然の差が出る。最初はどんなに綺麗でも、アイドル活動を始めれば荒れる肌を化粧で覆い隠し、粗を見せないようどんどん派手髪にしたり、キャラを濃くしたり…


その子たちも、その子たちなりの理想や考え方でやっていることなのかもしれない。

それに、生まれつきの身体の強さ弱さもある。


でも、それならそれで、最強遺伝子を持っているラランちゃんは、至高の存在だということだ。


という設定だったのに…


間近で見るラランちゃんは、肌に凹凸があり、安めのクッションファンデなのか、ファンデーションの載せ方にムラがあって汚らしかった。


ステージでは光を受けて輝いていた目も、薄暗い店内だといやにギョロリと見え、小型の恐竜のようだ。


カ…カケル…カケルの方は…

私は心の呼吸が絶え絶えで、願うようにカケルの顔を盗み見る


おっ、スッピンだ!目元がくすんでるけど、さすが現役アイドルだ!

しかし、よく見ると手元においたサングラスが劇的にダサい。それは某幼児アニメの園長先生ですよね…というグラデーションのレンズに、なんかドラゴンみたいな装飾があった。頼む、それをしまってくれ。深夜には必要のないものだ。


私は深夜に足を運んでくれたお客様に対して、心の内でありとあらゆる失礼を働いていた。


もう頭は爆発寸前だった。

定時まで、あと2時間…


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