8話 危機迫る
「他の子は関係ありません!絶対に無理です!!」
ヒナがそう強い口調で言うと、10秒くらい沈黙が続いた。
(その間も、鼠蹊部の施術は続く)
タナカがメンエス初心者の頃は、性処理を断られることも多かった。
しかし、タナカのメンエスマニュアルと裏マニュアルが優秀になってきたせいか、ここ1年は無敗だった。
しかも、ここ1年は手だけでなく、それ以上のサービスをしてもらうことも度々あった。
タナカにとってここまで強く断られる事は今までで初めてで、さすがのクソ客タナカも少しひるんだ。
しかし、タナカにはクソ客のプライドと自信があった。
どうにかしないといけない、いや絶対にどうにかしてやる。
そして10秒ほど考えた。
しかし、いい考えが浮かばなかった。
そう。今までマニュアル頼みだった為、不足の事態に対応出来なかったのである。
そして考えがまとまらないまま、タナカの手は無意識に動いていた。
タナカは無言のままヒナの手首を掴み、無理矢理自分のアソコを触らせようとしたのである。
「ちょっ、やめて!!」
ヒナはそう言ってタナカに掴まれた手首を力ずくで振り解いた。
そして、施術を中断してタナカから距離を取った。
「そういう事するなら施術はできません!」
続けてこう付け加えた
「それ以上続くなら店の人呼びますよ!?」
タナカも初めての出来事に動揺していた。
そしてすぐに謝った。
「ご、ごめん。もうしないから」
そして、ヒナは少し考えてからこう言った。
「じゃあ、店の人は呼ばないけど、後で報告はしときます。
今日はシャワーを浴びてお帰りください」
そう言ってシャワーの準備をしに行った。
タナカは自分のした事に驚き後悔した。
俺はなんて事をしてしまったんだ。
そして、なぜあんな事をしたのかを自分でも理解できないでいた。
後悔とイライラがひしめき合う……
しばらくするとヒナが浴室から戻ってきた。
タナカは少し落ち込みながら全裸でシャワー室に向かった。
何かすごくモヤモヤしていて頭の整理が全くできていない状態だった。
するとヒナが追い討ちするように言った。
「この店は私が出禁にしてもらうよう頼んでおくので、他の店ではこういう事絶対にしないでくださいね」
タナカは突然足を止めた。
タナカの頭の中が爆発した。
そしてシャワー室に向かうのを止めて、ヒナの方へ向かって歩いてきた。
「調子に乗りやがって……
どうせ出禁になるんなら、1発やらせろよ」
「え、なにバカな事言ってんの?」
「え、本気だよ。俺を怒らせた罰だよ」
出禁という言葉でスイッチが入ったのか、メンエス嬢の分際で客の要望を強く断った事にイライラが募ったのか、真相は本人ですら分からない。
とにかく、この時のタナカは異常だった。
目が完全にイカれていた。
さすがにやばいと感じたヒナは、急いで自分のスマホを取った。
そして店に電話をしようとした。
しかし、すぐに全裸のタナカがスマホを奪った。
男の力には敵わない。
タナカはスマホを放り投げ、ヒナの両手首を掴んだ。
必死に抵抗するヒナ。
やはり、男の力には敵わない。
ヒナは施術マットに仰向けに無理矢理寝かせられた。
「やめってって」
「おとなしくしろよ。気持ちよくしてあげるからさ」
タナカはヒナのお腹の辺りにまたがる。
必死に抵抗するヒナ。
そして、タナカはヒナのマイクロビキニを脱がそうとした。
まずは上から。
ほぼヒモのようなブラジャー部分は簡単に脱がす事ができた。
そして次は下。
その頃になるとヒナは抵抗していなかった。
何かを悟ったのか、諦めたのか、疲れたのか、ヒナは泣いていた……
無抵抗のヒナはタナカに全裸にされた。
この時タナカの元気を失っていた下半身が再び元気を取り戻した。
タナカのイカれてた目は、いやらしい目つきに変わろうとしていた。
そして荒々しい力強い手付きも、ヒナが脱力するのと同時に、フェザータッチも織り交ぜるような、優しく、いやらしい触り方になっていた。
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