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もしもクソ客とメンエス嬢が入れ替わったら恋愛に発展するのか  作者: ino(小説家セラピスト)
第1章 入れ替わり前
7/30

6話 施術開始

入店して20分が経つ頃に、ようやく施術がスタートした。


「うつ伏せからお願いします♪」


ヒナの施術はうつ伏せからスタートする。


最近のメンズエステは仰向けからスタートする場合や、座位の状態からスタートする場合など、施術の幅がどんどん広がっている。


ヒナは外部の研修などは特に受けておらず、基本的には店舗の研修で教えてもらった方法で施術していた。


意欲的なセラピストは外部講習をよく受ける人が多かった。


ヒナはそこまで施術に興味が無かったのと、メンズエステはルックスと接客(コミュニケーション能力や愛嬌も含めて)が重要だと考えていた為、外部講習を受ける事は無かった。




タナカはマットにうつ伏せで寝て施術を受けた。



足から始まり、お尻、背中、肩首へと施術が進む。




ヒナの施術は特別上手いわけではなかった。


施術だけなら中の下くらいだろう。


でも、マイクロビキニ姿の美女のオイルマッサージは格別だ。


触られてるだけで正直気持ちが良かった。




それに、タナカは施術の上手さにはこだわりが無かった。




施術序盤でタナカが意識していた事は、とにかく仲良くなる事。


それが施術後半の目的の為には、必要不可欠な準備なのだから……




◆◇◆タナカのメンエスマニュアル◆◇◆


◎第九条

会話を盛り上げるべし


◎第十条

話題はセラピストの興味ある事にするべし


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




タナカは施術中に、比較的話をするタイプだった。


そして話題はセラピストが興味のある事に持ってくようにしていた。



「ヒナちゃんはアニメが好きなの?」



タナカは事前にヒナのプロフィールの『好きな事』の欄を見ていた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


◇好きな事

美容

ファッション

アニメ


◇好きなお客様

たくさんお話してくれる人


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



タナカは最近アニメを見るようにしていた。


自分が好きというよりは、メンエス嬢にアニメ好きが意外と多い事に気づいたからだ。


最近だと『推しの子供』だ。



タナカの質問にヒナは答えた。


「好きです♡」


「最近観てるアニメあるの?」


「推しの子供とか見てますよ」


タナカはうつ伏せの状態でニヤけた。



メンエス嬢との会話を盛り上げる為だけに見ていたアニメが、役に立つ時が来たからだ。



「俺も推しの子供見てるよ!面白いよね!」


「え、タナカさんもアニメ見るんですね!」


「うん、見るよ!『YUASOBI』の主題歌も最高だよねー!」


「えー、私も『YUASOBI』大好きでPVめっちゃ見てます!」


「『YUASOBI』の曲はいい曲ばかりだよね」


「え、タナカさん趣味が若くて素敵ですね!」




タナカの努力のおかげもあり、タナカのメンエスマニュアルの九条、十条は達成する事ができた。





女性は話を聞いてもらいたい生き物だ。


だから、相手の好きな話題に持って行き、聞き手に回ればいい。


おじさんの武勇伝なんかに興味のある女なんかいない。


だから、自分の面白い話なんか必要ない。


ただ、相手の好きなことを引き出せばいい……




タナカは『モテおじ』になる為に、動画や本、ネット記事などをよく見ていた。


おじさんになっても若い女の子からモテたい。


タナカと同じ考えの男が多いせいか、その手の動画配信者や再生数はかなり多かった。




そして、今のところはタナカの勉強の成果が出ていた。



ヒナは普通にタナカとの会話を楽しんでいた。



ヒナにはタナカがクソ客だというのが信じられないくらい、良客に見えていたのである……




閲覧ありがとうございます。

Twitterフォローもよろしくお願い致します。

@ino_shousetuka

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