30話 元通り!?
ピカーン
ヒナがキスをすると急に周りが明るくなった。
「眩しい……」
そして、ヒナが目を開けるとそこには驚きの光景があった。
そこにはタナカのキス顔があった。
「はぁ?何これ?」
驚きのあまりヒナはタナカの身体を押し飛ばした。
『ドカッ』
「いてててて…
あれ……」
「入れ替わってる!?」
(2人同時に言う)
タナカは自分の身体中を触り、ヒナは鏡を見て自分の顔や頭を撫でた。
「おい、俺たち元に戻ってるぞ!」
「うん、戻ったわね」
「これでまたメンズエステに客として行ける〜」
「あんたも好きね。
私はあんたと離れ離れになれる事が嬉しくてしょうがないわ」
「え、そんな寂しい事言うなよ〜
ところでなんで俺たち元通りになれたんだ?」
「え?それは……なんでだろう」
ヒナには心当たりがあった。
それはキスである。
ヒナは過去に色々と試してきたことを思い出していた。
……………………
◆入れ替わった可能性リスト◆
?気絶
×オデコをつける
×手を繋ぐ
×鼻をつける
×ビンタ
×抱きしめる
×胸を揉む
?キス
?全裸で襲う
……………………
色々と試したけど、キスはしたくなかったからしてなかった。
2人が元通りになったことで、ヒナはキスをすると入れ替わるのだと気づいた。
「そういえば入れ替わった瞬間にお前は俺を突き飛ばしたけど、その前に何かしてたの?」
そう、タナカが言った。
「え、いや、なんかあんたの顔を近くで見てて……」
「え?それだけで入れ替わるか?」
不思議そうにタナカはヒナの顔を見た。
「ま、いいじゃない元に戻れたんだし、男なら細かいことは気にしないの!!」
「はぁ?なんか隠してるだろ……怪しい」
「そ、そんな事ないから」
ヒナは自分からキスした事は口が裂けても言えなかった。
「ま、いいや。とりあえず俺は家に戻るわ。家族にも迷惑かけてるしな」
「うん、戻って戻って。そして家族サービスしてあげて」
「ところで体調はどう?俺は入れ替わって元気になった気がするけど……」
そう、タナカが心配そうに尋ねた。
「私はなんか身体が重い気がする……」
「そっか、お前の身体は倒れたばかりだし無理してきてるから、しばらく安静にしてた方が良さそうだな」
「そうね。仕事もしばらく休む事にしてるし、ゆっくりできそう」
「じゃあ、とりあえず帰るな。ほとんどの荷物は置いてくし、また連絡するわ」
「うん、じゃあまたね」
こうして入れ替わる事ができた2人だが、すぐに縁を切る事ができず、とりあえずそれぞれの生活に戻る事になったのである。
続く
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