27章 巨漢のハラダ
この日2人目のお客様が来店した。
歳は40前後だろうか、タナカより少し年下に感じられた。
予約名はハラダで、身長180センチで体重は100キロを余裕で越すであろう巨漢の持ち主だった。
ハラダが部屋に入った瞬間、異臭が感じられた。
そう、それはハラダの体臭だった。
ヒナはハラダが来店する前に、マスクを渡してきた。
そして笑顔で
「頑張ってね」
と言った。
その言動の意味がようやく理解できた。
ヒナの姿をしたタナカは、ハラダをシャワー室へ案内した。
「おい、あいつめちゃくちゃ臭いぞ」
タナカはヒナに遠隔で伝えた。
「知ってるわよ!だからマスク渡したでしょ」
「あんな臭いのにマスクじゃ意味ないぞ」
「私はいつもやってるし大丈夫よ。もうすぐ、シャワーから出てくるから静かに待ってて」
『ガチャ』(脱衣所の扉が開く音)
シャワーに案内してから1分ちょっとでハラダは出てきた。
◆◇◆タナカのメンエスマニュアル◆◇◆
◎第五条
シャワーは時間を掛けて念入りに洗うべし
(特に、足裏、股間周辺、脇)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
くそぉー、こいつに俺のメンエスマニュアルを教えてあげたい。
こんなんじゃメンエス嬢から良いサービスなんてしてもらえるわけないだろ……
タナカはそう心の中で思いつつも、言えるはずもなく通常通りに施術を開始した。
ぷ〜ん。。。
お尻の施術に近づくとウンコの臭いが漂ってきた。
そして、ハラダは大きなイビキをかいて寝ていた。
「ぐーぐー、ぐーぐー」
「ボオッ」
お尻の施術をすると、ハラダのお尻から音が鳴った。
「ゲホッ、ゲホッ」
タナカは咳き込んだ。
マスクをしているのに、マスクの隙間からオナラの臭いが入り込んでくる。
タナカは施術を中断して急いで窓を開けに行った。
施術を中断すると、ハラダは何も言わずに振り返った。
施術を中断した為、目覚めたようだ。
「ちょっとあんた何してるの!早く戻りなさい」
モニターで見ていたヒナがタナカを注意した。
「あ、ごめんなさいね〜すぐに再開しますね」
そう言ってタナカは急いで施術を再開した。
幸いにもハラダは怒ることはなく、しばらく施術を続けるとすぐにイビキをかき始めた。
なんとかうつ伏せを終えて仰向けになってもらった。
仰向けでも相変わらずハラダは異臭を放っていた。
陰毛の範囲が広く、Tバックの紙パンツからほとんどはみ出していた。
ハラダのイチモツの存在感はなく、硬くなっているのかどうか判断出来なかった。
きっとお腹の脂肪で埋もれているのだろう。
そして、背面の毛も濃かったのだが、太ももやお腹の体毛もかなり濃かった。
毛の薄いゴリラと言ってもいいだろう。
もう、体毛が濃すぎてオイルがどんどん吸収されていく……
タナカはそう思いつつ、何度もオイルを追加しながら施術をした。
巨漢のハラダの施術は表面積が多く、力もいつも以上に使っていたため、タナカはかなりの体力を消耗していた。
そして最後に鼠径部の施術をしようとした時に、タナカに悲劇が起こるのである……
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