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もしもクソ客とメンエス嬢が入れ替わったら恋愛に発展するのか  作者: ino(小説家セラピスト)
第2章 入れ替わり後
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26話 イケメンのイケダ

翌日も前日同様に、ヒナの姿をしたタナカはメンエスセラピストとして出勤した。



この日もヒナが陰で会話をサポートしてくれた。



この日の最初のお客様は、イケダという20代の男だった。


イケダも頻度は少ないもののヒナの常連様らしい。


一回り以上離れた若い男におじさんが密着マッサージするなんて嫌だな〜と思いながらタナカはイケダの来店を待っていた。



「こんにちは〜」



「こんにちは〜」



イケダはイケメンでおしゃれで、今どきの若者という感じだった。



シャワーを浴びてもらい施術に入った。



イケダは無口でこちらから話しかけない限り自分から口を開くことは無かった。



程よく日焼けをしていて筋肉質である。


全身脱毛をしているみたいで、肌も綺麗だった。



うつ伏せのカエル足の時にマーメイドという密着施術をしていると、ヒナから遠隔で注意された。



「もっとしっかり密着して!」



くそっばれたか……



おじさんが若い男に密着マッサージをするなんて屈辱的だ。



嫌々やっているのが、ばれてしまった。



タナカは渋々密着度を高めて、教わったやり方を思い出しながら鼠径部も深くまで施術した。



するとイケダの股間が大きくなり紙パンツからはみ出した。



そしてタナカが鼠径部深くまで手を伸ばしていると、イケダのイチモツが手に触れた。



「わぁっ」



タナカは声を出して慌てて手を遠ざけて施術を中断してしまった。



「あ、ごめんなさい」



イケダが驚いたように謝ってきた。



「バカ、何やってるの!すぐに謝って再開して!」


ヒナがタナカに指示を出した。



しまった…コイツがこんなにも左に曲がっていて大きいとは思わなかった……



「いえ、こちらこそごめんなさい!続けますね」


タナカはそう謝って再開した。



クソー、この客は左曲がりで大きいから左の鼠径部は要注意だな。


短小のタナカには想定外の出来事だった。



そう思いながら四つん這いまでして、仰向けになってもらった。



「仰向けお願いしまーす」



で、でかい。



仰向けになったイケダのイチモツは膨れあがり、ギリギリ紙パンツに収まっている感じだった。



イケメンで、マッチョで、アソコも大きくて清潔感もあって……



タナカにないものを全て持っている男を目の当たりにして、敗北感が湧き上がってきた。



ここまで完璧に敗北感を味わったのは初めてだ。



いや、待てよ。

こういう完璧な男は、この後絶対にクソ客になる。



芸能人でもメンエスで抜きを強要してニュースになっていた。



よーし、抜きを要求してきたら出禁にしてやろう!


クックック!



タナカは自分がクソ客だった事も忘れて、他の男が過剰サービスの要求をしてきたら出禁にしようとたくらんだ。


元クソ客ならではのアイデアである。



鼠径部の施術に入るとイケダのイチモツはさらに大きくなり紙パンツから先端がはみ出していた。



デカっ!


今までのは100%じゃなかったのか。



くそー、絶対に出禁にしてやる!



きっとこの後、紙パンツを脱ぎ出し抜きを強要するか、襲ってくるに違いない。



そうなったら即出禁にしてやる。



しばらくタナカは鼠径部の施術を続けた。



メンエス好きのタナカは様々なセラピストから受けてきた鼠径部の技を繰り出した。



「あれ?ひなちゃん鼠径部のバリエーション増えた?」



「あ、はい、ちょっと休んでた間に講習受けてきたんです。ウフフ」



タナカがアドリブで答えた。



「へぇーそうなんだ!凄いね!」



イケダはヒナの姿をしたタナカを褒めた。



「ちょっとあんた何勝手な事やってるの!?

まあ、お客様喜んでるからいいけど…」


ヒナから遠隔で指摘された。



危ない危ない、と思いながらタナカは鼠径部マッサージを続けた。



「気持ちいいですか?」



「うん、気持ちいいよ」



「こういうの好きですか?」



「うん、好きだよ」



タナカはイケダを見つめながら、自分が嬉しかった言葉で責めた。



イケダのイチモツはギンギンに膨れ上がり、紙パンツから先っぽがはみ出した状態をキープしていた。



あれ、コイツ我慢できるのか?



こんな美人で可愛い女が鼠径部をねっとりじっくりマッサージしてるのに、、過剰を要求したり襲ってこいよ!



このくそイケメンが!!


……


……



タナカの奮闘虚しく、終わりの時間が近づいてきた。



ヒナからの催促もあり、タナカはイケダをシャワーに案内した。



「あんた最後の鼠径部だけ変に気合い入ってたけど、どうかしたの?」



ヒナから遠隔で問いかけられた。



「い、いや、ちょっと色々試したくなってね!ハハハ」



「なに、あんたもしかしてメンエスセラピストに目覚めたんじゃないの?」



「あーー、そうかもしれないな」



「なにそれ、元々はクソ客なのにキモっ!!ハハ笑」



本当はイケダを出禁にする作戦だったのだが、見事に失敗した。


そんなカッコ悪くて恥ずかしいことは誰にも言えなかった。


そして、若くてイケメンで、マッチョでアソコも大きくてビンビンになり、それなのに我慢できるイケダに、、


タナカは激しく


嫉妬しっと


していたのである。



イケダを見送り、急いで片付けをした。



片付けをしたのは奥で隠れていたタナカの姿をしたヒナである。



ヒナの姿をしたタナカは落ち込み、疲弊していた。



「大丈夫?次のお客様もうすぐくるわよ」



「えーー、インターバル15分って短か過ぎだろ?

片付けしてたら休憩時間なしじゃないか」



『インターバル』


それは、お客様とお客様の退店と来店の間隔時間。


インターバルはそれぞれのお店やセラピストで異なるが、15分くらいの店が多い。


15分だと片付けや準備で終わり、休憩する暇はない。


時間ちょうどの来店が、暗黙のルールになっているのは、インターバルの影響でもある。



そして、


落ち込み、疲れ切っているタナカにさらなる試練が起こる。




閲覧ありがとうございます。

Xのフォローもよろしくお願い致します。

@ino_shousetuka

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