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もしもクソ客とメンエス嬢が入れ替わったら恋愛に発展するのか  作者: ino(小説家セラピスト)
第2章 入れ替わり後
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25話 おじさん同士の密着


そしてカネマツの太ももにヒナの姿をしたタナカの太ももがついに触れた。



メンエスの衣装はベビードールだったので、生足と生足が触れ合ったのである。



あ、あたたかい……



あれ?



でも、そんなに嫌じゃない!



な、なぜだ?



おじさん同士が密着してるのに、なぜだ?



昨日は嫌で嫌で眠れなかったのに……



一体なぜ?



タナカは太ももを密着させながら動きを加えた。



ハッ!


そうか!!



この客は毛が生えてないから気持ちがいいのか!



毛が生えてない事で清潔感もある、まるで女性の足のように。



カネマツは脱毛していて清潔感があった。



練習中はタナカ自身の身体を使っていたから違いがよく分かる。



Tバックからケツ毛もはみ出してない。



タナカは思った。



俺よりもこのカネマツという男の方が格段に清潔感がある。



タナカはカネマツをマッサージしながら敗北感を味わった。



そして女子達が清潔感にうるさい事もなんとなく理解できてきた。




そしてその後も、カネマツとの会話はヒナに言われたように返事した。



タナカは教えられたマッサージをひたすら続けた。




「では、仰向けお願いします」


ヒナの姿をしたタナカはカネマツを誘導した。



メンズエステといえばそう、鼠径部!


鼠径部の施術が近づいてきた。


タナカは密着の他にも嫌な施術があった。


それは鼠径部の施術である。



男同士だと銭湯などで生で股間を見ることはある。



しかし、生で大きくなったモノを見たことは一度もない。



タナカは想像しただけでゾッとした。



自分がマッサージをする事で、同性が興奮して大きくなるのである。



興奮を抑えられなくなって過剰サービスを要求されたらどうしよう。



絶対に触りたくない。



それで終わればまだいい。



無理矢理襲われたらどうしよう。



いっその事、ヒナの中身はおじさんだとバラしてしまおうか?


そうすれば諦めてくれるだろう。



そんなことを昨夜はずっと考えていた。



タナカ自身がクソ客だからよく分かる。



男は仰向けで急変するものだ。



うつ伏せではいい子ぶってるだけ。



仰向けになったらスイッチを入れる。



それがタナカのメンエスの楽しみ方であり、他の多くの男たちもそうしていると思い込んでいた。



ヒナには直接聞きにくかったが、このカネマツもどうなるか分からない。



タナカは警戒しながら施術を続けた。



しかし、鼠径部付近を施術してもカネマツは反応していなかった。



それどころか、鼠径部付近を施術してもカネマツが下ネタを言うことは無く、急変する前兆が無かった。



あれ??



俺だったら、この辺でギンギンになって下ネタぶっ込んだり、紙パンツを脱ぎ捨てるのに……



この客は違う楽しみ方なのかな?



そう警戒しながらも、もう少し深く攻め込んだ。



Tバックの前側もかなり細いのだが、カネマツの毛ははみ出して無かった。



VIO脱毛が完了しているのだろう。



Tバックタイプの紙パンツのギリギリまで攻めたがカネマツは反応しなかった。



俺だったらこの辺で、竿も触ってくれとお願いするのに……



カネマツは過剰要求するどころか、ヒナの体調を気遣い、会話を楽しんでいた。



タナカの警戒は意味なく、過剰サービスの要求は一切なく終了した。



カネマツの鼠径部は女子の身体のように綺麗で、嫌な気持ちにならなかった。



ほっとした気持ちもあるが、何か拍子抜けしたような気分になった。



施術が終わり、タナカはカネマツをシャワーへ案内した。



おかしい、何かの間違いだ。こんなんで終わっていいのか?!




「おい、ヒナ聞こえるか?」



「うん、聞こえるよ」



「あの客はいつもあんな感じなのか?」



「うん、そうだけど?」



「あ、そう……


わかった」



おかしい。



そんな事があるのか?……



タナカは自問自答した。



タナカは自分とカネマツを比較して段々恥ずかしくなってきた。



なんでこの客はこんなにも紳士的なのか?



なんで過剰サービスの要求をしないのか?



なんでムラムラしないのか?



こんなメンエス楽しいのか?



この時は、タナカが特殊なのか、カネマツが特殊なのかタナカにはまだ分からなかった。



なにはともあれ、タナカのメンエスデビューは無事に終了した。


セラピストとしてのデビューの方である。



ヒナがほとんどの会話を担当していたが、施術はタナカ1人でやりきった。



カネマツがシャワーから出てきて、お茶を出した。



ヒナの指示通り少し会話をして、タナカはカネマツを見送った。



……




「お疲れ様!よくできたね!」



隠れていたタナカの姿をしたヒナが出てきて言った。



「おう、やっぱり慣れない事は疲れるな」



「慣れてきても真剣にやると疲れるわよ!」



「そうなんだ」



「今日は1人だけだから…片付けて帰るわよ」



「おう……」



慣れない事の疲れと、カネマツの振る舞いが未だに信じられなくて、タナカは放心状態だった。





片付けを終えて、2人は別々に家路に向かった。



考え事をしたかったタナカは、少し寄り道をして帰った。





「ただいま」



「おかえりー、遅かったわね」



「あー、ちょっと寄り道してきた」



「そうなんだ……


なんか元気ないけどどうしたの?」



「……


うん、なんかメンズエステの楽しみ方って何なんだろうって思って……」



「なにそれ急に真面目になっててうける!はぁはぁはぁはぁは」



「いや、こっちは結構真剣なんだよ」



「あ、分かった。カネマツさんの紳士っぷりを見て比較しちゃったのね」



「うん、まぁーそういう事だな。今までは過剰サービスの要求をする事がメンズエステの楽しみだと思ってきたけど、間近で違う奴の楽しみ方を見ていると俺が間違ってたのかと思えてきてな……」



「なにそれ、あんたが間違ってるに決まってるでしょ!ルールの範囲で楽しむのが普通でしょ?」



「いや、そうだけど……ルールを破るのも楽しいんだよ……」



「バカね!

そんなくだらない事いつまでも考え込まなくていいのよ!

どうせ入れ替わってる状態であんたはメンズエステにお客として行けないんだから」



「そうだな……」



「しばらくは、セラピストとして色んなお客様を担当してみればなにか分かるわよ!」



「うん、そうかもしれないな……


嫌だけど頑張るよ」



「じゃあ、明日もよろしくね!」



「え、明日も?」



「うん、施術は大丈夫そうだからさっき追加で出勤出しちゃった!」



「一言相談してくれよ」



「ごめんごめん!速攻で予約入っちゃったからよろしくね」



「流石だな〜もう、、わかったよー」



メンズエステの楽しみ方について考えているタナカだったが、翌日もメンズエステにセラピストとして行くのであった。


果たしてどんなお客に出会うのだろうか……





閲覧ありがとうございます。

Xのフォローもよろしくお願い致します。

@ino_shousetuka


今年もよろしくお願いします!

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