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もしもクソ客とメンエス嬢が入れ替わったら恋愛に発展するのか  作者: ino(小説家セラピスト)
第2章 入れ替わり後
25/31

24話 メンエスセラピストへの復帰


「準備できた?」



「おう、できたよ!」



「じゃあ行くわよ」



「え?お前も行くの?」



「うん、あんたに任せようと思ってたけど心配だから一緒に行く事にしたわ」



「そうか、まあいいか」




そうして2人はメンズエステのルームに行った。



「じゃあ着替えといてね」



「おう、分かった」



ここの店のメンズエステの衣装はベビードールである。



露出の多いパジャマみたいな感じである。



タナカがベビードールを着るのは初めてだった。



「どう?ちゃんと着れた?」



「うわっ、恥ずかしいー、谷間が見えてるしパンツも見えそうだぞ」



「大丈夫大丈夫!似合ってるから!足だけ閉じてね!女の子なんだから…」



「はーい」



身体はヒナだから似合うのは当然だけど、心は男なんだぞ……



そうタナカは思いながら予約の時間まで待機した。





準備やお店とのやりとりは、ほとんどヒナが終わらせた。



清掃や着替え、備品の準備など施術前にやる事はタナカが思っていた以上に多かった。



「よし、準備は終わったわ」



「いやー、1時間前に来ても結構ギリギリになるんだな。助かったよ」



「じゃあ私は隠れて指示を出すから、これを付けといて」



そう言って、タナカの姿をしたヒナは、ヒナの姿をしたタナカにイヤホンを渡した。



「お、準備がいいね。

実は初対面のおじさんと会話するのはきついなって思ってたんだよ!

これで少しは安心できるよ」



「うん、じゃあ練習通りしっかり頼むわよ」



そう言ってヒナはお客様に見つからないような場所に隠れた。





「ピンポーン」


インターホンが鳴った。


ヒナの常連客であるカネマツがやってきた。


「どうぞー」



年齢は50前後でタナカより少し歳上に感じられた。



部屋に入ってもらいカネマツを椅子に案内した。



「先週はすいませんでした」



「ああ、いいよ。もう大丈夫なの?」



「はい、大丈夫です。ご心配おかけしました」



ヒナの姿をしたタナカは、謝罪後にコースを確認してカネマツをシャワーに案内した。




その一部始終を、タナカの姿をしたヒナは隠れてモニターでチェックしていた。



「今の所順調だわ。モニターでチェックしてるからこのまま頑張って!」



タナカがしているイヤホンにヒナからのメッセージが入った。



「は?お前カメラ仕掛けたの?


盗撮じゃないか!バレたらやばいだろ」



「大丈夫大丈夫!

バレないように仕掛けたから」



「勝手な事しやがって……


まあ、いい、会話の手助けしてくれよ!」



「うん、任せといて」




しばらくして、カネマツがシャワーから戻ってきた。



「ではうつ伏せお願いします」



「はーい。よいしょっと」




そしてヒナの姿をしたタナカは練習通りにマッサージを始めた。





しばらくするとカネマツが口を開いた。



「ヒナちゃんなんかいつもと違うね」



ドキッ!突然のカネマツの言葉にタナカと隠れていたヒナは焦った。



「え、そうですか?……


(ヒナからの指示)

ごめんなさい!ちゃんとやりますので…」



この時、タナカとヒナは努力の練習が無駄に終わったと感じていた。




「違う違う!そういうことじゃなくて……」



「え、どういう事ですか?」



「なんか、固い……


んー、初対面みたいな感じがする……


ほらもっと前はフレンドリーだったからさ」



2人はマッサージの練習に力を入れてきた為、接客の雰囲気については盲点だった。


2人はお客様に怒られないようにする事ばかり考えてきたのである。




(ヒナの指示)

「あ、そうだよねー。

実はこの前休んだのは頭を打ったのが原因なんだよね。

その影響で少し記憶に障害が出てるの……


ごめんね!

これからはタメ口で話すね♪」



そうヒナの言葉をタナカはそのまま伝えた。



「え、そうなの?大丈夫?」



(ヒナの指示)

「ええ、大丈夫!病院に行ったら身体には異常ないみたいだし、そのうち治るらしいよ!」



「ならいいけど、無理しないでね!」



(ヒナの指示)

「うん、ありがとう!」




頭を打ったという半分ほんとの事を伝えながら2人は窮地を乗り切るのであった。




その後、トークはヒナに任せながらタナカは黙々とマッサージを続けた。



カエル足(片足だけ平泳ぎの途中状態)になってもらいマーメイドの出番が近づいていた。



マーメイドとはメンズエステ特有の技で、男性客の片方の太ももを女性セラピストが両方の太ももで挟み込むという密着技である。



しかし、タナカとヒナは入れ替わっている為、おじさんがおじさんに密着するという事になる。



タナカは練習の時から何度も文句を言って嫌がっていた。



しかし、ヒナがモニターで監視しているしやらなければならない。


マーメイドの練習は何度もしてきた。


タナカは心の中で



『気合いだ!気合いだ!気合いだー!』



と気合いを入れて臨んだ。



そしてカネマツの太ももにヒナの姿をしたタナカの太ももがついに触れるのであった。



次回

25話 おじさん同士の密着




次回

25話 おじさん同士の密着



閲覧ありがとうございます。

Xのフォローもよろしくお願い致します。

@ino_shousetuka


今年もありがとうございました!

良いお年を〜

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