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もしもクソ客とメンエス嬢が入れ替わったら恋愛に発展するのか  作者: ino(小説家セラピスト)
第2章 入れ替わり後
23/31

22話 イトウ家の食卓

翌日の日曜日はタナカの姿をしたヒナはイトウ家に帰る事になった。



タナカは1週間近く仕事を理由に外泊している事になっていたが、さすがに日曜日は帰らなくては怪しまれる。



もちろん帰るのはタナカの姿をしたヒナである。




「ただいまー」



タナカの姿をしたヒナはイトウ家に帰宅した。(タナカの本名はイトウ)


 

「パパおかえりー」



娘のヒマリが出迎えてくれた。



「あー、ヒマリちゃん久しぶり♪」



リビングに行くと妻のマミコは家事をしていた。



「た、ただいま」



「おかえり」



妻のマミコは家事をしながら、目を合わせずに言った。少し冷たさも感じられた。




やっぱり怒ってるのかなぁ、、1週間近く帰ってないし……



ヒナにはマミコが怒っているように感じられた。




テレビゲームに夢中の息子のハルトは父親の帰りを特に気にせずに、ゲームに没頭していた。



寝室で着替えてタナカの姿をしたヒナは再びリビングに戻ってきた。



あー、気まずいな、、何を話したらいいんだろう。



「あなたお昼まだだよね?」



「あーうん、どっか食べに行くか?」



家に居るのが気まず過ぎてヒナはそう提案してしまった。



「そんないつも外食ばかりじゃ家計も苦しくなるわ!今作ってるからもう少し待ってて……」



「あー、分かった」





リビングで待っているとすぐにヒマリがやってきた。



「パパー宿題教えて」



「宿題?どれどれ見せてー」



ヒナは学生の頃あまり勉強してこずに生きてきて、正直勉強は苦手だった。



しかもヒマリが持ってきたものは、ヒナが1番苦手な算数だった。



「あー、掛け算ね。さすがに小学2年生レベルならわかるわ!任せといて!」



「7×8=52だから……」



「えーパパ、シチハゴシュウロクだよー」



「え?そうだっけ?ハハハ」



その後も小学2年生の宿題に悪戦苦闘したヒナは全くヒマリに勉強を教える事ができなかった。



しかし反対に、ヒマリはヒナに教えながら楽しく宿題を進めていった。




「みんなご飯できたわよー」



妻のマミコが言った。



「よし、じゃあ一旦休憩にしてご飯食べよー」




イトウ家の食卓には、家族4人が集まった。



「頂きまーす!」



「ねー、あなた頭大丈夫なの?病院行った?」



「あ、あーー、大丈夫だよ。異常無いって言われた」



「え、ほんと?じゃあ8×4は?」


「ハッシ、ハッシ、サンジュウ、、サンジュウシ?」



「ハァハァハァハァ」



マミコ、ハルト、ヒマリが笑った。



「パパふざけてるの?」


ハルトが言った。



「パパはおバカになっちゃったの。さっきからずっとそう……」



ヒマリが悲しそうに言った。



「でも、ヒマリにとって人に教える事がいい勉強になってたかもね。実際宿題はかどってたし」



そう、マミコがフォローした。



「あ、ああ、だからわざと間違えたんだよ。ハハハ」


ヒナが都合よく言い訳に利用した。



「なんだーおどかすなよ!俺は頭の悪いパパは嫌だよ!かっこ悪いし」



そう、ハルトが言った。



「ハハハハ」



イトウ家の食卓が笑顔に包まれた。





食事の後は、ヒナとハルトとヒマリの3人でずっと遊んでいた。



ヒナにとってはマミコと距離が置けてラッキーな時間だった。





その後も、どこか頼りない、チグハグな父親役ヒナだったが、子供達は楽しそうで、家族に笑顔が増えた。



以前は、家族に対してどこか冷めた態度のタナカだったが、ヒナに入れ替わってからは当然態度が変わった。




マミコは、夫の変化に不安や疑念を感じながらも、以前とは違った家族への思いやりも感じ、離婚したいという気持ちが減って行くのであった。




閲覧ありがとうございます。

Xのフォローもよろしくお願い致します。

@ino_shousetuka

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