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もしもクソ客とメンエス嬢が入れ替わったら恋愛に発展するのか  作者: ino(小説家セラピスト)
第2章 入れ替わり後
21/31

20話 メンズエステの練習


2人が入れ替わって1週間が経過した。



元通りに戻る方法は未だに見つからない。



というより、2人は現状を乗り切る事に精一杯だった。




《土曜日の朝》



「タナカー、相談があるんだけど……」



「ん、何?」



「あのー、私もそろそろ仕事を再開したいと思うんだけど……」



「え、メンズエステ?」



「うん」



「えーと、つまりそれは俺が働くって事だよな?」



「そうね、私の身体を操っているあなたが働くって事」



「えー、俺が男の身体触るの?嫌だなー」



「私は今までそれをやってきたの!あんたも客として来てたんだからわかるでしょ?」



「分かるよ。仕事内容はなんとなく分かるよ!でも、汚いおっさんとかも来るんだろ?やっぱり嫌だよ」



「あんたも汚いおっさんの仲間でしょうが!もし元に戻れても仕事やお客さんが無かったら生活に困るでしょ?その為にもたまには出勤した方がいいと思うの。あんたの会社が休みの週末だけでいいからお願い!!」



タカナの姿をしたヒナが手を合わせて頭を下げた。



ヒナの姿をしたタナカは、自分の姿で頭を下げられたので少し同情してしまった。



「じゃあ、とりあえず週末だけ……

短時間にしてくれよ」



「うん、ありがとう!


来週から大丈夫そう?」



「分かった」




1時間後




「予約入ったよ!」



「え?もう?」



「うん!オーナーに連絡して、SNSに投稿したら速攻で入ったよ!」



「早っ」



「毎週来てる常連様がいるのよ!先週は予約キャンセルにしてもらったし、今週も無理だからきっと来週は楽しみにしてると思うよ!」



「若い人?おじさん?」



「多分あんたより少し歳上かな。嫌だ?」



「んー、色々考えたけど、おじさんは汚そうで嫌だし、若い男をマッサージするのもなんか嫌だ!結局どっちも嫌だなって思った笑」



「なにそれ!聞く意味ないし笑」



「あ、1番いいのは綺麗なおじいちゃんがいいかも!静かでラクそうだし」



「綺麗なおじいちゃんって、、そんな人来るわけないでしょ……」



「そうかな。ま、誰でもいいよ!考えても仕方ないし……


練習するんだろ?マッサージの……」



「もちろん!


私の技を全て教えるから、頑張って入れ替わった事がバレないようにしてね」



「おう!ちなみに給料もらえるの?」



「んー、じゃあ半分ずつね」



「よし!


でもお前はなにもせずに半分ももらえるのズルくないか?」



「え?バレた。ウフフ笑


でも、私が教えるんだし、私の身体を使うんだよー。半分でも結構いいお金になるし、差し入れやチップはあんたの好きにしていいから!」



「ふーん、まあいいや。続けれるか分からないし、とりあえず練習するか……」



「そうね!」




こうして1週間後のタナカのメンエスデビューに向けて練習が始まるのだった。




タナカの姿をしたヒナがモデルになり、ヒナの姿をしたタナカが実際にオイルを使ってマッサージした。



「うわー、おっさんのすね毛は邪魔だなー。オイル使ってるのになめらかにすべらないよ」



「この足はあんたの足だろうが!メンエス嬢はいつもすね毛ボボーの足をオイルマッサージしてるの!」



「そうだけど……モデルが女の子の身体ならやる気出るのにな……おっぱいマッサージしたいな!」



「いちいち文句を言うな!真面目にやれ!


あと、私のおっぱいはマッサージするなよ!」



「え、俺の思考バレてた?


でも、別にいいだろお風呂の時おっぱいいっぱい触ってるし……」



ヒナの姿をしたタナカは、トイレやお風呂、着替えも1人でするようになっていたので、当然ヒナの身体の隅々まで見たり触ったりしていた。



「うるさい、分かってるけどそういうのは聞きたくないの!とにかく無駄に私の身体に触るなって事!ぶん殴るぞこの野郎」



ヒナは本当に殴りたいくらいだったが、自分の身体を傷つける事になるので止めることにした。



「ごめんごめん。そんな怒るなよ。真面目にやるからさ」



タナカはその後は真面目に練習した。

メンズエステには何度も行っているので、施術を覚えるのは早かった。



「じゃあ次はマーメイドね」



「えー、マーメイドって足絡めて密着するやつ?」



「うん、そう。よく知ってるね」



「まあ、メンエスに行った数は多いからな!」



タナカはヒナに教わりながらマーメイドを練習した。



「はぁ、まだ自分の身体がモデルだからできたけど、知らないおっさんに密着するのは嫌だなー。吐き気がしてきた」



「んー、そればかりは頑張って我慢してねとしか言えないね。お客さんに吐かないでね」



「うん、もしもの時はトイレに駆け込むよ……」




その後も、カエル足、四つん這い、鼠径部、おっぱいスタンプ、密着など、メンエス特有の技をタナカは習得した。



いつも受けているだけあって、未経験の新人セラピストよりも覚えは早く、技術も上手だった。



「よし、とりあえず施術はこんなもんでいいかな。あとは接客や本指名様の情報を覚えてもらわないとね」



「はぁ、まだあるのか……」



「今日はこれで終わりでいいよ。


お疲れ様。


ところで……


気になった事があるんだけど、質問してもいい?」




タナカの姿をしたヒナが、ヒナの姿をしたタナカに、少し遠慮気味に尋ねた……





閲覧ありがとうございます。

Xのフォローもよろしくお願い致します。

@ino_shousetuka

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