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もしもクソ客とメンエス嬢が入れ替わったら恋愛に発展するのか  作者: ino(小説家セラピスト)
第2章 入れ替わり後
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13話 作戦会議

「作戦会議開始!」



タナカの姿をしたヒナが気合いを入れた。



「まずは、なぜ入れ替わったのか考えよう。理由が分かれば元に戻れるかもしれない」



「そうね……」



「俺たちは、浴室で気絶した。そして気づいたら入れ替わっていた」



「そうか、きっと気絶が原因なんだわ」



「そうだな、気絶が原因の可能性はある。しかし、あれは偶然2人同時に気絶しただけで、狙ってやったわけじゃない」



「つまり……何が言いたいの?」



「つまり、気絶が原因だとしても、元に戻る為に気絶を試すのはリスクが高いという事」


そうタナカ(ヒナの姿)が冷静に言った。



「そうね、頭突きし合ったとしても2人同時に気絶するとは限らないものね」



「それに、気絶を狙って命を落としたり、後遺症が残る場合もある……まずは他にも原因がないか探した方がいいと思う」



「他に?」



「例えば、オデコ同士をくっ付けるとか?」



「え、何それ?」



「多分、気絶は頭をぶつけたのが原因だと思うけど、その時オデコ同士がくっついていたと思うんだ」



「そうね、確かにオデコが痛い気がするし、オデコをぶつけた可能性は高いわね」



「じゃあ試しにオデコをくっつけてみるか」



「そうね」



「ちょっと待った、お前オデコが脂ギッシュでテカリ過ぎて気持ち悪いぞ」



「は?て、あんたこれは自分の身体でしょうが!」



「ま、そうだけど、気持ち悪いからせめて、洗ってきてよ」



「はぁ?まじふざけんなよ……」



そう言いながら、タナカの姿をしたヒナは顔を洗いに行った。



そして戻ってくるなり、こう吐き捨てた。



「だから、おっさんの身体は嫌なのよ!」



「まあまあ、落ち着いて、オデコ付けるぞ」



「分かったわ」


…………



オデコをくっつけた2人だったが、しばらくしても何も起きなかった。



「はぁー最悪。こんなキモいおっさんとオデコくっつけたのに、何も起こらないなんて可哀想な私の身体」



「俺だってこんなキモいおっさんとオデコくっつけたくねーよ」



「だから、自分の身体だろうが!」



このやり取りでヒナの機嫌がかなり悪くなった。



「分かった、分かった、ごめん、ごめん」



タナカ(ヒナの姿をした)は謝った。





我慢の限界だったのだろう。ヒナは怒って口を閉ざした。




……




「オデコはダメだったから、他の方法を考えよう!」



そうタナカが切り出した。




しかし、ヒナは無視をした。



タナカは内心、



”だから女はめんどくさいだよ″



と思った。



そしてしばらくそっとした方が良いと思い、仕方なくタナカは自分のスマホのメモ帳に、あらゆる可能性を書き出した。




◆入れ替わった可能性リスト◆


?気絶       

×オデコをつける


・手を繋ぐ

・鼻をつける

・ビンタ

・抱きしめる

・胸を揉む

・キス

・全裸で襲う




タナカは数時間前の記憶を頼りに必死に考えた……





しばらくするとヒナが口を開いた。



「で、なんか分かったの?」



「一応、いくつか可能性を書き出したよ」



「見せて」



「はい」



何かを観念したのだろう、ヒナはタナカが書き出したリストを順番にやってみる事にした。


「じゃあ、順番にやってくわよ。『手を繋ぐ』からね」


ヒナの声はおじさんの声だが、先程よりもさらにトーンは低く、元気はない。



タナカは反省したのだろう。余計な事を言わないように、ヒナに従った。



『手を繋ぐ』と『鼻をつける』をしたが何も起こらなかった。


×手を繋ぐ

×鼻をつける




「ビンタはどうするの?」



「あの時、俺はヒナちゃんにビンタされた気がするんだよね……


だから、今度は……


どうすればいいんだろう……」



「いいわ、どちらも試してみれば確実よ」



「それもそうだな!」



しかし、何も起こらなかった。



×ビンタ

×抱きしめる



同様に『抱きしめる』も色々なパターンを試したが、何も起こらなかった。



「次は『胸を揉む』ね。私が私の胸を揉めばいいのね」




そう言って、タナカの姿をしたヒナが、ヒナの姿をしたタナカの胸を揉ももうとした。




そして大きなため息を吐いた。



「はぁーー」



おそらく、おじさんの汚い手がヒナの胸を揉む事に対するため息なのだろう。



お互いになんとなく分かっていたが、あえて深くは言及しなかった。



服の上からと、もちろん生でも揉んだ。



……



しかし何も起こらなかった。



タナカは女の姿をしていたものの、初めての経験にドキドキした。



念の為、逆パターンも試したがダメだった。



自分の胸を揉むのはなんか複雑な心境だった。




◆入れ替わった可能性リスト◆


?気絶       

×オデコをつける


×手を繋ぐ

×鼻をつける

×ビンタ

×抱きしめる

×胸を揉む


・キス

・全裸で襲う





「もう嫌……」



ヒナは突然タナカのスマホの画面を見て泣き出した。



そしてこう続けた。



「ここまでは我慢してきたけど、こんな大嫌いな人とキスするなんてできない!どうせ元には戻れないんだし……」



ヒナの泣き虫は、おじさんの姿になっても治ることはなかった……



タナカは泣いているヒナにかける言葉が思いつかず、何を言っても傷口に塩を塗るだけだと思い、そっとする事にした。




◆入れ替わった可能性リスト◆


?気絶       

×オデコをつける


×手を繋ぐ

×鼻をつける

×ビンタ

×抱きしめる

×胸を揉む


?キス

?全裸で襲う


閲覧ありがとうございます。

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@ino_shousetuka

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