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もしもクソ客とメンエス嬢が入れ替わったら恋愛に発展するのか  作者: ino(小説家セラピスト)
第2章 入れ替わり後
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11話 状況整理

「ピンポーーン、ピンポーーン」


「ドンドンドンドン、ドンドンドンドン」


衝撃の出来事のあまり、気にしていなかったが、ずっと部屋の呼び出し音と、ドアを叩く音が鳴っていたようだ。



きっと店のスタッフなのだろう……



ヒナの姿をしたタナカは、バスタオルを巻いて急いで鍵を開けた。



そこには若い男が物凄く慌てた様子で立っていた。

きっと電話番の店のスタッフなのだろう。



「ヒナさん!大丈夫ですか?」



物凄いスピードで走ってきたのだろう。

若い男は息を切らしながら言った。



「あ、はい、大丈夫です」



ヒナの姿をしたタナカが答えた。



「それは良かったです。お客さんはどうなりましたか?」



そう、若い男が質問してきた。



クソ客タナカの姿をしたヒナはまだ意識がない。



その姿を見られたらめんどくさい事になりそうだと判断したタナカ(ヒナの姿)は、とっさに嘘をついた。



「あー、あいつは店のスタッフに連絡した事を伝えたら、すぐに逃げて行きましたよ」



「そうでしたか……」



「急いで来てくれてありがとうございます。おかげで助かりました。あとは1人で片付けておくので、戻ってもらっていいですよ」



「大丈夫ですか?手伝いましょうか?」



「い、いえいえ、そちらのお仕事もあると思うので、心配しなくて大丈夫ですよ」



「あ、はい、分かりました。あとで、オーナーにも連絡しておきます。何かあったら遠慮なく連絡下さい。失礼します」



「分かりました。ありがとうございます」



半ば強引に若い男を帰らす事に成功したヒナの姿をしたタナカは、急いで玄関の鍵を閉めて浴室に戻った。





するとタナカの姿をしたヒナが、目覚めたようで泣いていた。



「ちょっと、どうなってるのこれ……

身体が入れ替わってるよ……」



半泣きのタナカの姿をしたヒナがそう言った。




「俺もどうなってるのか訳が分からない。でも生きてて良かった」



「私はタナカの姿になるなら死んだ方がマシよ」



全裸のおじさんが女の喋り方をするのはとても気持ち悪かった。



タナカは自分の姿を見てそう思った。





「一回落ち着こう。服を着て、状況を整理しよう」



バスローブが2着残っていたので、2人はそれを着て状況を整理する事にした。



ヒナの姿をしたタナカを見て、タナカの姿をしたヒナは、また泣き出した。




「どうしてこうなるの、死にたい……」




「落ち着こう、すぐに戻れる可能性もあるかもしれない……

生きてるだけでも良かったとポジティブに考えよう!」




「一体、どうやって元通りにするの?」




「それは……俺も分からない……


でも1つだけ言えるのは、この事を知っているのは2人だけで、現状では2人で協力していくしかないという事」



「そうね。私がタナカの姿になったなんて死んでも言えない!あと、私の中身がタナカになった事も絶対に知られたくない!」



「じゃあ、元通りになる為に同盟を組もう!」



「同盟?仕方ないわね……


でも勘違いしないで!


さっきあんたがしてきた事は犯罪行為で、私は一生許さないから!


同盟はあくまで元通りになるまでの期間限定!」



「分かった、それでもいいよ。俺も家庭や仕事があるからこのままでは困る。よろしく頼むよ」



「あんたみたいなクソ野郎にも家族がいたのね」 


タナカの姿をしたヒナはクスッと笑った。

そしてこう続けた。



「じゃあ一体何から始めるの?」



「そうだな。まずはここを片付けて人目に付かない所に行こう」



「確かに!しばらくしたらオーナーが来るかもしれないし、こんな姿誰にも見られたくない!


で、人目に付かない場所ってどこよ?」




「ヒナちゃんが一人暮らしなら、ヒナちゃんの家がいいと思う」



「一人暮らしだよ!確かにこの状況だと私の家が1番良さそうね……」



こうして、2人は期間限定の同盟を結び、場所を変える事にした……




閲覧ありがとうございます。

X(旧Twitter)フォローもよろしくお願い致します。

@ino_shousetuka

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