-第0話-
私、アイゼアは出来損ないだった。
この国の人は皆魔力というものを持っており、その力は普通、4歳くらいには少しでも使えるはずなのだ。
しかし、私は4歳になっても1ミリもその予兆を見せない。
魔力がないと魔法が使えないため、魔法を使えるのが当たり前なこの国では生活が不便なのだ。
それでも父も母も愛してくれた。
「力が使えなくてもアイゼアはアイゼアだから」
「いつかきっと使えるようになるよ」
そう言ってくれていた。
そしてこの国では、7歳になる年に学校に通い始めることになる。
魔法を専門にしたい子はどの程度の力があるかのテストをして、そこでその専門の学校の目につけば無事入学できる。
一般人も一応6歳になると「魔法適正検査」というものがあり、どの程度で魔力があるか、どのような魔法が使えるかなど、それを調べるのだ。
この検査の結果は正確に出るため、いくら今まで使えなかった私でも、少しくらいはあると両親は期待してくれていた。
しかしいざ検査を受けてみればどうだろう。
紙に並ぶ「0」と棒線だらけの結果。
その時は確か、検査をしてくれた人も驚いたような顔をしていた気がする。
そしてその結果を見た両親の顔は今でも頭に焼き付いている。
失望、呆れ、怒り……色々な感情が混ざっていたような顔だった。
その顔を見たあとの記憶は曖昧だ。
気づいたら知らない施設にいて、そしてその施設には私と同じように、親から見放された子供が集まるらしい。
私はその施設で過ごした。
もちろん学校にも通ったが、私に魔力がないことを知るとみんないじめてきて、とてもじゃないがいい思い出があるとは言えない。
そして今現在、私アイゼアは16歳。
あの親から見放された地獄のような日からもう10年が経過していた。
未だに魔力はないし、魔法も使えない。
そして今私に人生の転機となろうことが訪れる。
目の前には小さな少女、そしてその子は私の目を見つめてから少しした後口を開く。
「あなたの全てを私にくれませんか?!」
第1話投稿するまで多分めっちゃ時間かかります。
結末とか考えてないので結構長引くかもです。