表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/21

第5死 ~袋叩きだ!~

少しでも褒められるとやる気が出ますね。

王様もそのあたり心得ているのは多くの人を統べる立場だからかな。


前回、やはり死んだものの初めての成果ともいえる、

「モンスターを仲間にする」という試みからの、

ただ倒すだけでなく、調べたりしてみる。という新たな考え。

褒められて嬉しかったものの結局スライムを倒せない自分が悔しい・・・。

どうするかな・・・。


考え事をしながら歩いているとすぐにまた教会についた。

「神父さん!今戻りました!あの~・・・」

自分でも思っていたより大きな声で入っていく。

王様に褒められたというか少しでも認められたことが、

自分で気づいていない以上に嬉しくて、すぐに報告したかったのかもしれない。


しかし言葉が遮られた。


「ヒデオさん!やりましたね!!!」

「え!?」

「王様から少し聞きました!新しい考えを我が国にもたらしてくれたのですよね。」

「ええ・・まぁ・・。」

「すごいことですよ!ジョン様・・・ああ王様とは昔からの知り合いなのですが、

 あまり人をほめたり認めたりということのない方です。

 王様自身強いですし、頭もいいのでなかなかそういう場面がなかったのです。

 その王様が言っていたというのはひじょ~~に珍しいことです。」

「そうなんですね。確か兵士の人にもそう言われたなぁ‥。」

「自信を持ってくださいね!」

「ありがとうございます!でも、結局死んだんですけどね・・・!ハハハ・・・」

神父もそこを聞くと苦笑していた。


「さて・・・次はどんなことをするのですか?」

期待のまなざしが向けられる。

今までなんだこいつは感があったような気がしてたけど、

神父さんにも認められたってことかな。

お世話になっているからそれはよかった・・。

あまりにも役立たずだったら神父さんも責められたりする可能性とかもあるかもしれないしね。

逆に言えば活躍したり何らかの成果を出せば神父さんも一緒に褒められるのかも。

鼻が高いって感じになるのかな~!

神父さんのためにもがんばらなきゃなぁ・・・。

「うーん・・・・。」

とは言うもののそんなにすぐに思いつかなかったので、今日はそのまま休むことにした。


布団を被ってうとうとしていると・・・・

布団を被る・・・・

こうすればスライムから俺は見えないな・・・・。

研究するために捕獲するのはたやすいとも言っていたな・・・・。

ピカーン!(ひらめいた音)

スライムを袋に入れて、ぼっこぼこにしてやればいいんじゃない!?

袋叩きだ!!!

きっと捕獲することはたやすいなら、それにちょうどいい袋もありそうだし!

よしよし!

いい案を思いついた・・・・!

そう思って安心して眠りについた。



次の日の朝。

「神父さん!思いつきました!袋叩き作戦です!」

「おお!?ってどんな作戦なのですか!?

「袋に入れてぼっこぼこに殴りまくるという作戦です!!!」

「なるほど!」

神父は力強くうなずいた。

しかし、すぐに何とも言えない表情になった。。

「あの・・・・言いにくいのですが・・・。」

「なんですか?」

「ヒデオさんの力では袋の中にいるスライムに殴ってもダメージを与えられないのでは・・・・。。」

「なあああぁぁぁああぁにいいいぃいいぃいぃ!?」

ガーン!!!

「でしゃばったことすいません・・・。」

「いえいえ・・別に怒っているわけではありません・・・。盲点だった!

 と思い思わず叫んでしまいました。。」

「袋に入れると言っていましたよね。

 破れない袋となると、さらに中にダメージを与えるのは難しいかなとも思いまして・・・・。」

「確かに・・・。」


がっくり。。

いやまてよ・・・。

破れない袋ならそこに入れて口をしっかりと完璧に結んだりすれば息が吸えないんじゃないか?

きっと生き物である以上は空気を必要とするだろうし・・。

モンスターでも多分そうだよなぁ。。

よし!窒息作戦に変更だ!!!!

いやまてよ・・・・・。(2回目)

確か近くに湖があったなぁ。

湖に沈めるのが一番なんじゃ?

水の中では生きていけないだろう!

よし!湖に沈めて窒息作戦だ!!!


「それならこれはどうでしょう?袋に入れてそのまま湖に沈めるんです!」

「なるほど・・・・。生き物ならば水の中では・・。」

「そうです。きっと息ができずに倒せると思います!」

「わかりました。袋は用意しますね!」


作戦は決まった!

いざゆかん!

袋を渡され手触りを確かめる。

黒いごみ袋のビニールのようだけど、もっと丈夫だ。

これなら大丈夫だろう。

問題はどうやって入れるかだけど・・・。

上からかぶせて、スライムが動いてビニールの中に進んだところをスッと持ち上げる。

これしかないなぁ。

つかんで入れるとか無理そうだし・・・。


なかなかうまくいかないかもしれないけど、やるしかないな。


町を出て歩きながらスライムを探す。

小さめのがいいなぁ・・・。

そう思いながら歩いていると湖から少し離れているもののちょうどいい大きさのスライムを見つけた。

あれに狙いを定めよう!!

スライムの子どもなのかな?

アメーバみたいに分裂して増えそうだから子どもってことじゃないかもね。。

まぁいい!


そうっと近づいていく。

特にスライムは動くこともなくその場にいる。

「よし今だ!!!」

スッと近づき、袋をかける。

そして様子を少し離れてみてみる・・。

上から空気が入ってビニールが立つような形になり、

ちょうど風がなかったのも良かったのか、

スライムの上にビニール袋が乗ったような形になった。


よしよし。今のところはいい感じ!

するとビニールがもぞもぞ横に動いた。

チャンス!!

スッと近づきビニールの下の方を地面にこすりつけるように横にずらしながら

上に持ち上げた。


「よっっっっし!!!」

うまくいった・・・・!!

スライムが小さくて軽いのも良かった!

袋を上に持ち上げたら見事に中にスライムが入った!

上をしっかり結び、喜び勇んで湖に向かう。

不思議なことにスライムは袋の中で暴れたりすることはなかった。

暗い中だから活動が鈍ってるのかな?

これも一つの成果かも。

夜にスライムが攻めて来ないってことからもみんな知ってるのかもね。。


そんなことを考えながらも走り、湖についた。

他のモンスターなどに会わなくてよかった!


湖について、ふと、袋叩き作戦が頭に浮かんだ。

とりあえずやってみるか!!

「うおりゃああああぁぁああぁ!!

 どりゃああぁああぁああぁあぁ!!!

 くそやろおおぉおぉおおぉおおぉお!!!!

 はぁ・・はぁ・・はぁ・・・・」

殴る蹴るの暴行をくわえた。

しかし、やはりスライムは中でむにょむにょ動いている。

効果はいまひとつどころかなんもなしってところかな・・・。

まぁしょうがない!


さてこれを湖に投げるぞ!!

いや・・・沈まないと困るな・・・。

ちょっと開けて石を入れたりしないといけないな。

空気も抜かなきゃならないし。


近くに石はゴロゴロあったので、何個か近くに持ってきた。

あんまり重いと投げられないからなぁ。

まぁ、そんなに遠くに投げなくても沈んで全部が水につかればいいか・・・・。

袋をあけるときには細心の注意を払い、あけたらすぐに石を入れてしめる。

これを5回ぐらい繰り返し、これは沈むだろという感じになったので、

空気を抜いて上を結んだ。

よしよし。

さて、これを湖に投げて・・・。

すぐにスライムが死んだかどうかわからないけど、

それはまぁいいか。

倒したことできっと身体とかに何らかの変化があるんじゃないかな。

レベルみたいなものが上がるんじゃないかと。

一発くらっただけで死んじゃう強敵を倒したんだからね。

どうなるか楽しみだ!


そんなことを考えながら思いっきり袋を投げた!

かなり重かったが何とかうまく投げることができた。湖に勢いよく沈んでいく。

さて、帰ろうかそれともしばらく待とうか・・・・。

少しは待とうかな・・・。

そう思ってその場に腰を下ろした。

湖を見てみる。

きれいな湖だな。

そろそろ底についたな。

魚が泳いでるのも見えるなぁ・・・。

そう思っていたら魚が上から落ちてきた袋に興味を示したようで集まってきている。


中には口で突っついたりしている魚もいる。

むむむ・・・。もしかしたらもしかする・・!?

そんな悪い予感がしたときは大体当たるんだよな・・・。


そして案の定予感的中・・・!

魚が突っついたところに穴が開いてしまったようだ。

中の空気が出てきて泡が水面までくる。

まぁ、これはこれで別にいいかな。


そう思った時、急に袋が弾けた!!

そして、中にいたスライムがどんどん大きくなっている!!!

水を吸収している!?

どんどん大きくなるスライム。

そしてもう水面まできている!

逃げなきゃ・・・!!

しかも、これは町のみんなに伝えないとまずいんじゃ!?

兵士さんたちが勝てないかもしれないし・・。

そんなことを思って走り出す。

後ろを見るとスライムがどんどん追いかけてくる。

でかいから動きが遅いかというとそうでもない。

もちろん速いわけでもないけど。

逃げれるかも・・・。と思ったその時、

スライムが少し止まったかと思ったら体の一部をすごい勢いで飛ばしてきた。


「ぐはっっ!!!」

足に当たり痛みが走る!!!

骨折したようだ。

走ることができない。

スライムが近づいてくる!!!

殺られる・・・・・。。。

スライムはそのまま上にのしかかってきた。

「ぐふ・・・・。いぎがでぎな・・・・・・・・・・」

そして薄れゆく意識の中で町は大丈夫だろうかなどと心配しながら意識が遠のいていくのであった。

また死んでしまったヒデオ。

しかも、今度は巨大スライムを生み出してしまった!!!

町はどうなる!?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ