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第20死 ~籠の中の鳥作戦!~

やっとブラックバードを捕まえるための箱を作り上げたと思ったら、

その箱につぶされて死亡!

しかし着実に前に進んではいます。

・・・少しですが。

「ヒデオよ!起きたか。」

「・・・・・。。。。はい。。。」

「うむ。しかしそなたの発想には毎回驚かされるわ。

 あのような硬い箱など考えたこともなかった。」

「ありがとうございます。」

「あれを応用して、兵士が中に入っておき、

弓で敵をねらうというのもいいかもしれんな。」

「なるほど!王様の発想力も素晴らしいですね。

「そなたの考えあってのことだがな!。

 そなたは罠士というより発明士かもしれんな。」

「おお!かっこいい・・・かも。」

「まぁ、何個称号はあっても構わないものだが、

 罠は勝手にそこら中に作っていると反感を買うであろう。

 だから早めに任命した。

 発明は別に勝手に行っても反感を買うこともあるまい。

 別に任命する必要もないか。

 いや・・・まてよ。

 このまえの鍛冶で火事騒動は反感を買うか・・・。」

「すみません。。。」

「まぁよい。

 無事にブラックバードを倒すことができたら発明士の称号を授けよう。

 このわしからのお墨付きということで、

 何かあったとしても大目に見てくれるであろう。」

「ありがとうございます。」

「何もないのが一番なのじゃが・・・。」

「心得ておきます・・・。」


罠士にプラスして発明士か!

かっこいいはかっこいいな!

正直別にモチベーション上がらんわ!って聞いたときは思ったが、

意外と嬉しいもんだな・・・。

まだ倒してないけどね・・・・。

ブラックバード待ってろよ!!!


城を出て、すぐに箱のところに向かう。

箱は重い部分が下、つまり普通に置かれている状態になっていた。


「ソウ!すまなかったな!まだ死んじまった!」

「ああ・・・俺の方こそ高さをもうちっと考えりゃよかった。すまなかった!」

「いいってことよ!!ブラックバード仕留めに行こうぜ!!!」


しかしこれをどうやって森へ運ぶか・・・・。

普通に運んでいたらまた落として死ぬかも?

うーん。。

ちょっとめんどうだけど、下に丸いものをかませるようにして、

上を引っ張るか。

丸いものがコロコロ転がって進むみたいな感じに。

丸いもの丸いもの・・・・。


やっぱ丸太かな・・・。

小さい丸太をうまく敷いて、

最初にその上に乗せればあとは箱を引っ張れば下の丸太が転がって進み、

箱より後ろに丸太が行ったらそれを前に持ってきて・・・を繰り返せばいいか・・・。

ピラミッドの石とかを運ぶときにそうやったんだっけ?

歴史を体験してる感じ・・・嫌いじゃない!



「よし!じゃあ丸太を持って来よう!!」

「え?なんでだよ?」

ソウに考えを説明する。

めんどくさいと思われたと思うが、

死ぬよりはましだし、結局運びやすいのでその方が得だとソウも判断したようだ。


いざ丸太を・・・と思ったのだが、丸太などなかなかない。

木を切り倒して作るのは大変すぎる・・・。

結局大量の砂利を持ってきて敷いてその上を強引に引っ張っていくことに決めた。

全然歴史を体験してないが・・・まぁいいだろう。。。


砂利を集めるのはさほど苦労しなかった。

しかし、じゃりを敷いて引っ張る時が大変だった。

しかし、ソウはかなりの強者。

何とか森まで箱を運ぶことができた。


「ふぅ・・・・!ここらでいいだろう。」

「ああ。。。疲れたな~!!」

あたりは少し暗くなり始めている。

これから準備して何とか今日の夜には討伐したいところだ。

間に合うかは微妙なところだ。


「まずは、箱をななめにしよう。」

斜めに固定できるような物をさがす。

いわばつっかえ棒なのでが、

木などでは、箱の重さに耐えきれず、潰れてしまう。

割れない石をかませるしかない。

しかも、それに紐を結び付けておいて、

箱の下にブラックバードが来たらそれを思いっきり引っ張ってとれるようにしなければならない。

この紐を引くのはやはり力があるソウだな・・・。

だとすると俺の役目は・・・。。。


「なぁ、箱の下にブラックバードをおびき寄せるために・・・・。

 やはり俺が囮になろうと思うんだが。」

「なんでだよ?人形でいいんじゃねぇか?」

「いや、人形は一度ブラックバードも見ただろうから、ばれている可能性もあると思う。」

「言われてみれば確かに・・・。」

「それに、箱の下は見えにくい。箱の下で人形を動かしていても、

 ブラックバードは見えないから気づかないだろう。

 俺がまずブラックバードと遭遇したら、

 急いで箱の中に逃げる。

 これしかないんじゃないか?」


うーん。。。

ソウは考えている。

確かに他に策は思いつかない。

「俺は生き返ることができる。

 死ぬわけじゃない。

 いや、死ぬんだけどさ。」

明るく言うヒデオ。

ソウは静かにうなずいた。

「わかった。そうしよう。。また生き返ることはできるんだよな?」

心配そうに尋ねるソウ。

結構性格的にいいやつかもしれない。

「ああ。レベルもまだゼロだったし大丈夫だと思う!」

「よし。お前の死は無駄にはしないぞ!!!」

「まだ死んでないって!ハハハ!」

そうやってふざけあってるぐらいがちょうどいいのかもしれない。


作戦は完全に決まった。

あとは準備をするだけだ!


箱を斜めに立てて石をかませる仕掛けはできた。

それなりの高さがある大きい石でないとヒデオが逃げるときに入り込みにくい。

しかし大きすぎると引っ張ってすぐに箱を落とすことができない。

そのあたり微妙なバランスを考えながら何とかできた。

リハーサルもやってみたが、うまくできた。

やはり試してみないとね・・。

本番一発勝負はさすがに危ない。


基本の仕掛けはできたので、あとは、ゴブリンよけのために周りに落とし穴を掘っていった。

箱を中心に円を描くように。

箱への通路だけはあけながら。

あまり箱に近いとせっかくの斜めの箱が倒れてしまうので、慎重に作っていった。

これでゴブリンが箱をいじってしまうこともないだろう。

落とし穴を作ったおかげで箱へ素早く入るのは少し難しくなったがまぁ大丈夫だろう。

通路部分は俺が死んだあとソウにやってもらうか。


あとは、念のための箱の上に乗せる重りも用意しないとな。

この箱の重さなら大丈夫だと思うが、念には念を入れないとね・・・・。

袋に砂を詰めた土嚢を4つほど作っておいた。


全ての仕掛けが完成した時には、かなり暗くなっていた。


「・・・できたな・・・・!」

「ああ!できたな!」


静かに小さな喜びをかみしめる。

しかし、いつまでも喜んでいられるわけではない。

ブラックバードとの対決はもうすぐだろう。

どことなくはりつめた空気を二人は感じるのであった。



物音の聞こえない静かな森。

風もほとんどなく、獣の鳴き声などもない。

静寂。

どんな小さな音も聞こえてきそうだ。

こちらにとってはちょうどいい。

ブラックバードの飛ぶ羽音ですぐに察知することができるからだ。


そのまましばらく時間がたった。

「今日は来ないか・・?」

小さな声でヒデオが話しかける。

「わかんねぇな・・・。いつもならもう出てきてもいい時間だが。」

小さな声でソウが答えた。

長い時間待っているだけだと集中力が切れがちだが、

ブラックバードという大物を退治できるかもしれないという高揚感で

集中が途切れることはなかった。


「うーん。また明日にするか?」

今度はソウが話しかける。

「そうだな・・・・。」

後ろに歩き出しとしたその時!!

バサバサという音が聞こえた!!

「「来たぞ!!!」」

二人は同時に言った。

すぐに前を向き、ヒデオは箱の中へ、ソウは紐のところへ急ぐ。


「気をつけろヒデオ!!!!後ろだ!!!横に跳べ!!!!」

「なにぃ!?とりゃ!!!!」

訳も分からずとりあえず横に跳ぶ。

ヒデオがいた場所をブラックバードがシャッと通り過ぎた。

「アブねぇ・・・!!ここで死んでは意味がない!」

ヒデオは走って箱の下まで無事たどり着くことはできた。

「こっちはスタンバイオーケーだ!!!」

ヒデオは叫ぶ。

「わかった!!!!」

ソウが力強く応える。

しかし、ブラックバードは次の目標をソウに変えたようだ!


ソウが叫ぶ!

「おいヒデオ!!こっちに来やがる!!!何とかそっちに意識を向けさせてくれ!!!!」

「わかった!!!」

しかし、どうしたらいいものか。

「おい!!!こっちだ!!!きやがれ!!!」

ヒデオは叫んだ。

しかし、こちらに来る様子はない。

しょうがない・・・・!

この箱から少し出て呼ぶしかない!!!


意を決して箱から出て叫ぶ!!!

「おい!!!こっちだ!!!!!」

ソウに向かって行っていたブラックバードだったが、なかなか攻撃が当たらないので、

飛びながらヒデオの方を向いた。

「ヒデオ!!箱へいけ!!!今あいつはお前を見た!!

 いわばロックオンしたんだ!!!」

「わかった!!!!箱の中に入ったらすぐに石を取って封印してくれよ!!!」

「もちろん!!!!!」


箱の中にヒデオが入ると同時にブラックバードがヒデオに攻撃をしかけた。

ヒデオは体当たりをくらい、箱の壁に激突する。

その拍子に石が箱から外れて箱が落ちてきた。

ソウが引いたのと、ヒデオが衝突したのとで素早く箱が落ちたのだ。


意識が遠くなるヒデオ。

しかし、ブラックバードが中にいることは確認した。

やった・・・・・やったんだ・・・・・・。。。。


遠くで

「よっしゃあぁああぁあぁぁああぁあ!!!!」

というソウの声も聞こえた。


満足感に包まれながらヒデオは目を閉じたのであった。



とうとうブラックバードを封印できました!!!


ソウは親の敵ということでかなり喜んだでしょうね。

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