第２死 ～スライム撃破という目標設定！～
どうやら自分が最弱なのを認識したヒデオ。
城を出てからいったいどうするのか！？
城を出て歩きながら考える。。
あのスライムはめちゃめちゃ強いスライムってわけじゃないようだ・・。
突然変異とかそんなんでたまたま強かった！？
そう思いたいけど、兵士さんの反応を見る限り違うよね・・・。
受け入れなきゃいけないなぁ。
とりあえず、俺は現段階で最強に弱い！
最強じゃないね。とにかく最弱！
とりあえずスライムを倒す！ってことを目標にしよう。
そのためにどうすればいいか考えよう。
・・・殴っても手ごたえなかったなぁ。。
力が弱いのかな。
それかそもそも殴る系は効かないのかも？
スライムの攻撃も強かったなぁ。。
たまたまあごに食らったから・・？
痛恨の一撃！みたいなものだったのかな？
いや・・楽観的に考えるのはよそう・・・。
間違いなく俺は弱いんだから。
力もなければ打たれ強さもない。ってことだよね。
攻撃を受けるのは危険な気がする・・・・・・。
それに痛いのいやだし・・。
じゃあどうやったら攻撃を受けないか考えなきゃ！
そしたら導かれる答えはただ一つ！！
『遠距離攻撃！』
よし！作戦は決まったぞ！
太古の時代から遠距離攻撃はチートレベルの強さ！
弓矢しかり、鉄砲しかり。
安全なところに身を隠しながら遠距離で攻撃して倒すぞ！！！
弓矢を買うお金はないし、鉄砲がこの世界にあるかわからないな・・・。（あっても買えんが）
としたら残る手段は一つ！
投石！！！
よっしゃ！！！石投げまくってスライムにリベンジしたるで～～！！！！（関西人じゃないけどね）
作戦が決まったところで目の前には教会が。
神父さんにもう一回挨拶でもしておこうかな～。
「こんにちは。神父様。また死んじゃったみたいです。」
「そうですか・・・。大丈夫ですか？」
神父さんは優しい瞳（憐みの瞳なのか！？）で俺を見ている。
「死んでも生き返れるのはありがたいです。もちろん死ぬときはものすごく痛かったですが・・・。」
「そうですよね。。それで、これからどうするのですか？」
「とりあえずモンスターを倒しに行こうと思います！」
スライムとは言わなかった。言ったらさすがに神父さんでも、
え！？スライム！？余裕でしょ！？って思われそうだし・・・。
「無理はなさらずに。。」
神父さんの心配そうな顔に見送られ町の外に歩き出した。
・・・・・・
「ジョン様は何を考えているのだろう・・・？何かあの青年に見えたのか・・・？」
そんな神父のつぶやきがあったことなどヒデオは知る由もなかった。
町の外に出たヒデオ。
スライムに見つからないように、石を探さなきゃ・・・。
大量に用意しとかないとなぁ。
幸いなことに石は結構簡単に見つけることができた。
あんまり大きいと遠くまで飛ばせないからなぁ。
握りこぶしぐらいの石を集めていく。
２０個ほど集めたところで一つの疑問が頭に浮かんだ。
「俺・・当てれるかな？」
力が弱い。そんな俺でも当てれるのか！？
元の世界でも体育はあまり得意ではなかった。
中の下ってところかな・・。
一応毎回出席はしてたけどね。
試しに近くの岩（高さ＆横幅１ｍぐらい）に目標を定めて投げてみる。
「とりゃ～！！！！！あれ！？」
トルネード投法みたいにかっこつけてみたら明後日の方向に・・・。
・・・普通にまずは投げてみるか。。。
パスッ！
目標に当てることはできた！
よしよし。まぁ、５ｍぐらいだからさすがに当てれるね。
１０ｍぐらい離れてみた。
３回投げて１回はずしてしまった。
６６％か・・・。
まぁ、現実的にはこのぐらいの距離じゃないと厳しそう・・・。
しかし、意外とできるじゃん俺！
日本の学校制度はたいしたもんだね～！
とりあえず下手だけどそれなりにやってたらそれなりに力はついているんだなぁ。
ひとまず投石作戦の前に投げる練習をするというレベルまで自分の実力が低くなかったことに安堵した。
もう一度石を２０個ほど探し準備OK！
って２０個も持ち運べないぞ・・・。
ということは・・まず石をおいといて、そこにちょうどいい距離にスライムが来るのを待たなきゃいけないってことか・・・。
それかスライムを先に見つけて気づかれないように１０ｍ離れたところに石を運ぶか。
こっちのほうが現実的かな。
スライムが来るのを待つって日が暮れちゃうよ！
そういや、日が暮れるとかあるのか・・？
思考がいろんなところにいってしまうが、、、
とりあえず、今はスライムを倒すことだけを考えよう！と気を取り直した。
しかしよかった！いろいろ練習してる時にスライムに襲われたりしなくて！
運はいいのかもしれないな～
そんなことを思いながら周りを歩いてみる。
あんまり遠くに行くと石持っていけないからなぁ・・。
それなりな距離にスライムいるかな・・・。
すると、草がほとんどはえていない砂利道のようなところにスライム発見！
まだこちらに気づいていない！
よし！！
近くに隠れられそうな岩もあった。
なんて都合がいい！
とうとう俺の時代が来たか！？
なんてすぐ調子に乗っちゃうところも悪いところ・・・。。
隠れられる岩に投げる用の石を２１個運んでいよいよ戦闘開始だっっっっっ！！！！
まだスライムは気づいていない。
よっし！！
思いっきり投げたる！！
「とっりゃあああ！」
やっぱ気合が大事！！あれ！？気づかれちゃう？
まぁいい！！どうせ石投げたら気づかれるだろうし！
１投目は見事命中！！
ちょっとへこんだような気がする！・・・へこんでないような気もする・・！？
ここでひるむわけにはいかない！
用意した石をとにかく投げる！
スライムはゆっくりと近づいてくる。
「オラオラオラオラアァァァ！」
投げる投げる投げる～！！！
焦りもあるのか当たるのは５０％ぐらい。
それでも、少しスライムのゲル状のものが削れるときもあったので効いてる！！
悪羅悪羅悪羅悪羅悪羅悪羅！！！！（おらおらで変換したら出たからそのまま活用！）
いいぞいいぞ！
よし！！このまま！！
と石をつかもうとしたら、石がもうない！！！
そしてスライムは目の前！！！
きっとダメージはあるはず！！！！
あとは肉弾戦でなんとかやってやる！！！！！
殴ってダメだったから、今度は蹴りだ！！
キックのほうが大体強いはずだっ！！
ウリィ！！！
思いっきり蹴りを放つ。
ブヨン・・・・。
あれ？もしかしてこの感じは？効いてない・・！？
逆足で思いっきりキック！！！
モニョン・・・・・・。
やばい予感しかしない！！！
・・カシュッ
スライムの一部分が固くなる音が聞こえた。
そして、スライムの体当たり！
あごを守らなきゃ～～～！！！
ガードを上げてあごを守ろうとしたら腹におもいっきりヒット！！！
ボディーの痛みはあごの比じゃないって言うけどマジだわ・・・・。
地獄の苦しみ・・・。
痛すぎて意識が遠のく。。。
もう一度スライムが攻撃態勢になったのがうっすら見えた・・・
そして意識を失った。。。。
「ヒデオよ！また死んでしまったのか！さすがに早いな！！」
王様ジョンは少し笑いながら言った。
俺は生き返らせてくれたことよりも、この理不尽な弱さに対してキレた！
「スライムにも殺されるしどうしたらいいんだよ！！装備も買えないし、魔法とかないし、
スキルもないし、どうしろっていうんだ～！！」
ジョンはまだ笑いながら、しかし威厳を保ちながら言った。
「自分の力でなんとかするのだ。神はできない試練を与えない。安心しろ。
もし死んでも必ず生き返らせてやることを約束する。」
何を言っても無駄なのだと少し冷静になったヒデオは非礼を詫びた。
「取り乱してすみません。。でも、泊まるところもなけりゃ食べるものを買うお金もないし、
いったいどうしたらいいのかホントに何にもわからなくて・・・。」
ジョンは頷きながら答えた。
「ふむ・・・。まぁ、確かにそうだな。教会があるのは知っているか。
あそこにいる神父、リストという名なのだが、あいつを頼るがいい。
教会に泊まれるように言っておこう。食事なども出してくれるだろう。」
「わかりました・・・。ありがとうございます。」
とにかくこの世界に来た以上、この世界の理に従っていかないといけない。
とりあえず、泊まるところができたというのは大きな進歩なんじゃないか？
食事もくれるって言うし。。
じっくり教会で考えよう。
これからのことを。
まだ俺の心は折れちゃいないぞ・・・！（さっきほぼ折れかかったけど・・・）
そう考えながら城を後にするのだった。。
遠距離投石大作戦失敗！
もっと石を用意していたとしても、スライムに近づかれて撲殺されたでしょうね。
遠すぎたら当たらないし。
