表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/21

第19死 ~箱が完成!!!~

焼死してしまったヒデオ。

罠を作る段階で死んじゃうこともまぁありますよね。


「ヒデオよ!派手にやっているようじゃな!!!」

「っは・・・!!」

王様の声で目が覚めるのはいつもと同じだが、

いつもと大きく違うことがあった・・・・・!!

裸!!!!

素っ裸!!!!

衣服が燃えたからか!!!

恥ずかしい・・・・・。。。。。

愛用の銅のつるぎは武器屋の工房に置いといたからあとで取りに行けばいいとして・・・。


生き返る時は自分が着ていたものなどはそのままになるのだとわかった。

身に着けていたものだけ一緒に生き返れるようだ。

いや、破れたりしてたら破れたままだから、

身に着けていたものだけ生き返った時に身に着けてるってだけの話か。

・・・・そんなくどいことを考えていると、王様がいらいらしたように言った。


「いつまでそんな恰好でいるつもりじゃ!

 まったく!とは言っても着るものがないのか・・・・。」

「そうです・・・。」

「しかたがない!この前のゴブリン討伐の褒美として服を授けよう。」

「ありがとうございます。」

褒美が服で終わってしまったのか・・・!?

でも、今は何よりも服が欲しい・・・。

今お金とかもらってもしょうがないもんな・・・・。。

神父さんに借りていた服だからあとで、買って似たようなのを返そう・・。


「これを使え。」

「どうも・・・。」


王様のことだから、めちゃめちゃ変な服とか渡して喜びそう・・・

なんて思ってしまったが、

普通の服でよかった。

いわゆる冒険者っぽい服というか。

黒系の長ズボンに、真ん中にボタンが付いてる白いロングティシャツに赤いパーカーみたいなもの。

結構普通の服だ。

王様・・・疑ってすみません・・・。


「何を一人で変な顔をしておる?」

「いや…別に・・・。。。」

「そなたは本当に見ていてあきないのぅ。表情が豊かじゃな。」

あまりそんなことを言われたことはなかったが、豊かというのは良いことだろう・・・きっと。

「嘘がつけないタイプじゃな。」

「はい。嘘は言いませんので!」


「まぁ良い。少ししゃべりすぎたようじゃ。早くいくがよい。」

「っは!そうでした!!!武器屋が燃えてたらどうしよう・・・!??!

 失礼します!!!!」


急いで武器屋へ向かう。

どうやら武器屋は燃えていないようだ。

良かった。。。

ただ、焦げたにおいがする・・・・。

俺が焦げたにおいか?!

あんまりいいもんじゃないな・・・・。。


武器屋に近寄ると、ちょうどソウが穴を掘り終えたところだった。

「おお!!!ヒデオ!!!!無事だったのか!!!」

「無事・・・・だったわけでもないが、俺は生き返れたよ!

 武器屋も燃えずにすんだみたいだな・・・・。」

「ああ!火だるまになって出てきたからさすがに焦ったぞ!!!!」

「驚かせてすまなかったな。

 ムーアさんにも謝らないとな・・・!!!」


「ムーアさん!すみません!!!!」

「おお!!!ヒデオ無事か!?・・・いや死んだから無事じゃないな!

 でも、戻ってこれたってことはよかったぜ!」

「武器屋が火事にならなくて本当に良かったです。

 すみませんでした。。」

「いいってことよ!燃えてねぇからな!!燃えたら困るが!ハッハッハ!」


ムーアさんも明るい性格でちっちゃいことを気にするタイプじゃないからよかった。


「炉もできてたぞ!あれを外の穴に流し込むんだろ?」

「そうです!」


「よし!!俺がやってやるよ!

 慣れてるし、多分ヒデオがやったら死ぬからな!!!ハッハッハ!」

豪快に笑うムーアさん。

でも、若干目が笑っていない・・・?

そうか・・・・。

あの炉の中身が武器屋内にこぼれたら確実に炎上!!!

それを避けるためか・・・・。

もちろん親切でもあるんだろうけど。

「本当にありがとうございます。お言葉に甘えます!」


「戸を開けておいてくれよ!準備はいいか?」

外にいるソウへ目線を送る。

「こっちもいいぞ~~!持ってこ~~~~い!!!」

ソウからの返事を聞いてムーアさんへ合図を送った。

「大丈夫です!!!お願いします!」

「よしきた!!!」


ムーアさんは怪力だ。

結構でかい炉から運ぶための器にドロドロを入れて、

いっぱいになったらそれを外へ運ぶ。

ムーアさんが通るたびに、熱さが通り抜ける。

こんだけで熱いんだからムーアさんはもっと熱い思いをしてるんだろうな・・・。

ごめんなさいムーアさん!

4往復ぐらいしただろうか。

「おっし!これで最後だ!!!」

という声が聞こえた。

そして、熱いドロドロが入った器を持っていくムーアさん。


もう戸を抑えている必要もないので、一緒に穴へ向かう。

「最後の入れるぜ!」

気合を入れて流し込んでいく。

穴の大きさとちょうどあっていたようで、

真ん中に四角くためた土の上をドロドロが広がっていく。

端と真ん中とがくっつき、上から見るとただの正方形のような形になった。

急速に冷やしたら硬くなるんだっけ。

でも、もろくなるんだっけな。

うーん・・・。はっきりとは覚えてないけど。。

よし。とりあえずこのまま放置!!!


しばらく冷やすことにした。

うーん。しかし暇だな・・・・。


でも、どこかに行くわけにもいかない。

この熱いドロドロに子どもが落ちたりしちゃ大変だからなぁ。


話でもするか・・・。


「やっとできたな!しばらくこのまま冷やそう。」

「水とかかけて冷やしたらどうだ?」

ソウもせっかちなタイプかな。

「やめたほうがいいぜ!鉄は急に冷やすと硬いがもろくなっちまう。」

俺の知識はあってたんだな~

中学の技術って授業でやったような?

絶対に100%の自信を持って今後役に立たないと思ったが、

やっぱり学校教育はすごいな。

そんなことを思いながら、武器屋は本職だから、ムーアさんに従っていれば問題ないと判断した。


「じゃあ俺は店に戻るぜ!」

色々なんか裏技でも聞こうと思ったが、店に戻っていってしまった。

まぁ、ここまで手伝ってくれたことがありがたい。。

「ありがとうございました!!」

せめてもと大きい声でお礼を言っておいた。


「そういえばソウはレベルはどのぐらいなんだ?」

「あ?レベル?知らねぇなぁ。」

「そうか神父さんしか調べられないから・・・・。」

「そういうこと!まぁ、レベルなんてわかる必要ねぇよ!」

「そんなもんかな?」

「そうだろ!レベルが1億だろうと5だろうと、俺は俺。

 レベルを調べたら強くなるってわけでもねえんだからよ。」

「確かに。。ただ俺の場合はちょっと違うかもな・・・。」

「どういうことだよ?」

ソウは怪訝な顔をした。

「俺のレベルは・・・・ゼロなんだよ!」

「え!?ゼロ!?なんだそりゃ!!!ハッハッハ!!おもしれぇ冗談だな!!!」

ソウは爆笑!

さすがにゼロというのは冗談にしか聞こえないのだろう。


「いや、ホントなんだよ!この前神父さんにはかってもらったらゼロだった!」

「あの神父やぶ医者ならぬやぶ神父なんじゃねぇの?」

「違うんだよ・・・そのあと王様のレベルをはかったらちゃんとできてたし・・・。」

「まじか!うけるな!!!!それじゃお前はレベルゼロ!!」

「そうだぜ!ゼロゼロ!!!」

無駄にテンションが高くなって騒いでいた。

「でも、スラ・・いや、モンスターを倒した時、

 レベルが結構上がった感じはあったから、限りなくゼロに近いが、ゼロじゃないと思うぜ!」

「っは!!!どうでもいいじゃねぇか!ゼロで!」

「まぁそうだな!」

スライムを倒してってのはいちいち隠さなくてもいいけど、

スライムごときでレベル上がったのか!?ってまた驚くかもしれないからふせておいた。


「そういえば、王様は、どのぐらいだったんだ?」

「75だったかな・・・!」

「おおすげえな!!!時々、他の町でレベルの話が出ることはあるんだが、

 75なんて人は聞いたこともないぜ!」

「やっぱそうなのか・・・!!さすが王様だな。」

「ああ。王様にはかなわねぇって感じがあるな。」

ソウも王様のことを尊敬しているようだ。

「そうだな。俺なんて王様が喜んで、俺の肩を叩いたら死んだからな。」

「喜んで殺されるってそいつは愉快だな!!!ハッハッハ!!」

ハッハッハ!!!二人でアホみたいに笑っていた。

あたりは暗くなってきている。


「そろそろ冷えたかな?」

手を少し近づけてみるが、まだ少し熱さが伝わってくる。


「もうこんな暗くなってきたら今日これから森にセットするのは難しそうだな。」

「ああ。そうだな。夜は人通りもほとんどないから俺達もそろそろ教会へ行くか。」

「そうしよう。」

「教会に行くんだから、レベル調べてもらえば?」

ソウに聞いてみた。

「ん?俺は別にいいわ!」

まだ何かしらのわだかまりはあるのかもしれない。

まぁ頼んでまで図る必要がないということなのだろう。

「そういえば、俺はゴブリンを倒してからはかってないんだった!!

 レベルが上がった感じはあったから、はかってもらおうかな!!!」

「おう!いいじゃねえか!」

ソウもヒデオのレベルには興味があるようだった。



教会につき、神父さんと話す。

「あのぅ・・・。レベルをはかってもらいたいのですが。。」

「ああ!いいですよ!!

 ゴブリンを倒したんですものね!!!」


そう言って何やらよくわからない呪文を唱えだした。

「むむむむむむむむむむ・・・・・・・!!!!

 わかりました!!!!」

「どうでしたか!?」

「ヒデオさんのレベルは・・・。」

ゴクリ。。。期待が高まる。

「まだゼロでした!!!」

があああぁあぁぁん!!!

まだゼロかい!!!!

爆笑しているソウ。

「はっはっはっはっはははっははっはっは!!!!ゼロか!!!」

ちょっとショックを受けていると、ソウは言った。

「良いんだよレベルなんて!!気にすんなよ!!・・・・はっははっはっはっはっはっははは!」

最終的には笑いをこらえられず爆笑するソウ。


残念ながらまだゼロという結果に少し悲しくなりながらその日は眠ったのであった。



翌朝、起きてすぐ箱のところに行ってみる。

無事にしっかり固まっているようだ!

恐る恐る触ってみたが、もう熱さも感じない。

よし!!!今日はこれを森に設置するぞ!!!!


一度教会に戻り様々な準備を整えて箱のところにソウと向かった。


「朝見たんだができていたぞ!!!」

「そりゃあよかった!!!」


箱のところに着き、よく見てみる。

触ってみるとかなり硬そうだ。

しかし、かなり重そうに感じる。

まぁ、ブラックバードを捕まえておくんだからある程度の重さはあった方がいいだろうけど・・・。


「よし!!!じゃあ掘り出すか!」

「おう!!!」

今見えているのは上の正方形部分のみ。

横を掘り出し、箱の全容をあらわにしなければ!!!


今日は黙々と作業をする二人。

ブラックバードとの対決を頭に描いているからだろうか。


そして周りの土を全部どけて箱の外観すべてが見えた。

「よっし!!!できたな!!!!」

「ああ・・・・!!」

「とりあえず持ち上げよう!!」

二人で持ち上げようとする。

「うっ!!!」

重い!かなり重い!!

力のあるソウも、

「結構重いな・・・。」

とつぶやいている。

ヒデオは当然ソウよりも力がない。

持ち上げるとソウの方が高くなる。


そして、今は上にある部分が箱の底にあたるので、

上が一番重いという状態だ。


ソウの方が高くなり、上が重いのでバランスが取れなかった罠箱は、

ヒデオの方にクルッと回りながら落ちた!!!!

バグァーン・・・・!!

そんな音とともにヒデオの上に箱がひっくり返った状態で落ちた。。。

ヒデオは下敷きに・・・・。


「うぐはぁあああ!!!」


「おい・・・!!大丈夫か・・・!!!」


そんなソウの声がだんだん遠くなり、ヒデオは意識を失ったのであった。



やっとこさ箱が完成しましたが、

重い!

そして下敷きに!!!

ブラックバードとの対決にいくまでが長くなってしまいましたね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ