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第18死 ~硬い箱ならいける!?~

ブラックバードは強かった!

やはり網では弱かったみたいですね。。

さてどうする!?

「ヒデオよ。やはりブラックバードは強いか・・・。」

王様は心配そうに語りかけた。

「・・・・・はい・・・・

 あ!!!!そういえば、ソウは!?!?」

「安心するがよい。ヤツは死んでおらぬ。」

「そうですか・・・そんなこともわかるのですね。」

「ああ。王国に近い場所なら死んだ人間がいたらわかるようになっておる。」

「では、今も交戦中!?!?

 早く手助けに行かなくては!!!!!!」

「落ち着くがよい。そなたが行っても役には立たん。」

「っう!!!」

はっきりと王様に言われてしまいがっかりしていると、王様はこう続けた。

「そなたはそなたのやるべきことがあるであろう。

 自分の役割を果たすのだ!」

「自分の役割・・・。そうだな・・・・罠を作るんだ・・・。」

「うむ。励めよ!」

「っは!」


そう言って城を後にする。

確かに手助けにはならないな・・・・。

はっきり言われると傷つくんだけどね・・・・・・。

さて・・・罠を考えよう・・・。


前回の罠は網が切れていなかったらどうだっただろうか。

網は確実にブラックバードに当たっていた。

切れない性質のものなら・・・?

それを考えていけばいい気がする。

うーん・・・。紐とかでは切られてしまいそうだ・・・・・。


切れないと言えば・・・金属?針金のようなもので網を作るか?

いけるかもしれない!

しかし、針金も細かったら切れるだろうしなぁ。

うーん・・・。

太い針金なんてそうそうなさそうだ・・・。

あっても網を作る加工が難しそうだな・・・・。


それなら、金属の箱はどうだろう?

金属の箱の中に捕獲する!!

これはいいね!!!!

問題はその金属の箱をどうやって手に入れるかだけど・・・。

うーん。。。

何か今までの経験で参考になることは・・・・・。。。。。


そうだ!!!

武器屋だ!!!

あそこには折れてしまった剣とか、

直した時の切れ端みたいなものが結構あったな!!!

あれをもらって、燃やして溶かして型に入れて作ればいいんじゃないか!?

結構おおがかりになるけど・・・・・。

型さえできればそれに溶かした武器の破片を入れて、

冷えれば勝手に固まって出来上がるんじゃないかな!!!!

よしよしよし!!

これでいこう!!!


次は罠箱作戦に決定!!


その時、町の外に人影が見えた。

「あれはもしかして・・・!!」

やはりソウだった。

「ヒデオ・・・!無事に生き返ったんだな。死んだんだから無事じゃねぇか!」

「ソウ。お前は大丈夫なのか?」

「ああ!!ヤツの攻撃は俺に当たらなかった!

 俺の攻撃もヤツに当たらなかったけどな!!!ハッハッハ!!」


笑いごとなのか微妙なラインだが、豪快に笑っているので、

つられて笑う。

「ははは!そりゃどうしようもないな!」

「そうなんだよ!だからあっちもあきらめて帰っていったし、

 俺も帰ってきたってことさ!」


「とりあえず、教会で休もう。」

「ああ・・。」

教会へ向かって二人で歩く。

歩きながらヒデオは思いついた作戦を伝える。

「次の作戦を思いついたぞ!」

「おお!!さすがだ!死んでもただでは起きねぇってやつか?」

「ちょっと違う気もするが、まあいい!聞いてくれ!罠箱作戦だっ!」

「罠箱?」


ソウは少し驚いたようだが、ヒデオの話を聞いていると、

表情が明るくなってきた!

「確かに、金属の箱ならブラックバードも突破できないかもしれねぇ。。

 あぁ、そういえばすまなかった・・・。

 あのぐらいの網でも飛んでいる勢いがなければ切れないと思ったんだが・・・。」

「それはしょうがないことだ。気にしてないよ!」

「それならいいんだが。」

「しかし、金属の箱か。おもしろい発想をするな!!」

「そうか?まぁ、うまく箱ができれば勝ったようなもんだな!!」


教会に着き、神父さんにも罠箱作戦について伝えた。

「なるほど・・・・。いいと思います。

 しかし、その金属の箱・・・うまく作れるといいのですが・・・・。」

「そうですね。今考えているのは、

 地面にまず穴を掘り、真ん中にはまた土を入れて固めることで型になるのではないかと・・・。」

「おお!そりゃいいな!!できそうじゃん!!」

ソウは単純(?)なのか、すぐにのってくれる。

嬉しいが、慎重な意見も結構必要なんだけどね。

「どのぐらいの大きさを考えておりますか?」

それに対して神父さんは少し奥まで考えていて色々言ってくれるという感じかな。

ありがたい!

ソウと神父さん良いコンビになるかも。

飴と鞭じゃないけど、

よりよくするための意見と、気持ちよく考えられるように肯定してくれるのも大切だよね。


「大きさは、縦横高さ1mぐらいあれば・・・と思っています。」

「そうですか。結構な量が必要になりますね。」

「はい。ですが、武器屋には思ったよりもたくさんあったので、大丈夫かなと思います。

 これ以上大きいと中で飛んで加速をつけて箱をひっくり返されそうだし、

 これ以上小さいと中に入れるのが難しいと思いますので・・。」

「よく考えてありますね。さすがです!」

神父さんも最後は褒めてくれるから嬉しいところ。


「あれ・・・?でもよ・・・・。この箱に入れたあとどうすんだ?」

ソウがはっと気づいたように言う。

・・・・・・あれ・・・・?

網とかなら捕まえた状態でソウに攻撃をしてもらえるけど、

箱に入っている鳥を攻撃できない・・・・。

ちょっとあけたらそっから一瞬にして脱走しちゃうだろうし・・・・。


昔話の「びんがじゃま」って話を思い出した。

池に落とし物をした人が透明なびんに入って池に潜るも、

びんがじゃまで結局落とし物がとれないという笑い話だ。


「確かに・・・いや、ここに捕獲できれば、

 その上に重りなどを大量に乗せて、出られないようにして、

 餓死を狙える!」

「おお・・・・!」

おお!ってほどでもないが、別にすぐに殺さなくてもいいわけだし、

ブラックバードが人を襲えなくなるんだから問題ない!

封印だな!封印!!!

立札でも立てておくかな。

この重しどけるべからず・・・。みたいな。


「ブラックバードは何体もいるのか?」

ヒデオはソウに聞いてみた。

「うーん・・・わからねぇとしか言いようがないな。

 同時に2体出てきたことは今までない。

 あの森の主みたいなもんだから、1体しかいないのかもな!」

「よし!それなら大丈夫だな!!」

助けに来られたりしたら大変だからな・・・。


あとは、ゴブリンが助けに来る・・・か?

「ゴブリンとブラックバードはどんな関係なんだ?」

「それもわからねぇ・・・。時々ブラックバードはゴブリンを食べることもあるって話だが。」

「助けに来るってことあるかな?」

「ないと思うぜ!ゴブリン同士ならそういうこともあるかもしんねぇけどな!」

「よし!まぁ、念には念を入れて、わかりやすく周りに落とし穴でも掘って

 近づかないようにしとくか・・・・!」

「そりゃいいな!興味を示して封印をとかれたらめんどうだからな!!」


そうして、作戦が決まったので、その日は眠りについた。



次の日。

「おっす!」

「おはようございます。」

「おはよう!まずは武器屋にレッツゴー!」


見通しがもてると足取りも軽い。

すぐに武器屋に着いた。


コンコン

「ヒデオです。お久しぶりです・・・・!!」

「おお!!!元気にしてたか?まぁ入れ!!!!」


元気よくムーアさんが迎えてくれた。

変わりないようでなによりだ。


「邪魔するぜ~。」

「おう。いらっしゃい!ソウか!!久しぶりだな!!!!」

ソウとムーアさんも知り合いのようだ。

まぁ、武器屋ここしかないし、町自体小さいからみんな知り合いみたいなもんかな。

「どうだ?俺が作ってやった特製ブーメランは!!!」

「調子いいぜ!!!高い金出してんだからこのぐらいはやってくんなきゃな!

 ハッハッハ!!!!」

どうやらソウの武器もムーアさんが作ったみたいだ。

高い金っていくらぐらいなんだろ・・・・?

いずれ聞くとしよう・・・・・。


「今日はお願いがあってきました!」

「おう!なんだ?できることなら協力するぜ!」

「武器の切れ端とか折れたものとかいただきたいのですが!」

「え?」

「かたいものを溶かして、箱型に固めて硬い箱を作りたいんです!」


「またよくわかんねぇことやってんだな~。

 まぁ、どうせ捨てるもんばっかりだから持ってってくれりゃこっちも助かるぜ!」

「そうですか!!ありがとうございます!!!!」

ソウとともに鍛冶の工房の方へ行こうとすると、

「あれ?ソウ?お前も行くのか?お前ヒデオと一緒に行動してるのか?」

「おう!そうなんだよ!ブラックバードを倒すためにな!!」

「気をつけろ・・・・!!!ヒデオは弱い!!!すぐ死ぬぞ!!」

「・・・・・・。」

ヒデオは何とも言えな表情をした。

「ああ・・!知ってる。二回も殺しちまった・・・。」

「お・・・おう・・・知ってんならいいんだが。」


気を取り直して工房へ。

様々な破片や折れたものが結構ある。

見たことはないけど兵士さんたちもきっといろんな戦いとか訓練とかしてるんだろうな。


「よし!根こそぎもらっちまおうぜ!!!」

「あ・・・・そうだ!!もう一つムーアさんにお願いを・・・!!!」


「ムーアさん!この切れ端とかをムーアさんの炉で全部溶かしたりしたいのですが・・・・。」

「炉を使うのか~!まぁ、今んところ今日は依頼がないから良いぜ!」

「ありがとうございます!!」

「でも、気い付けるんだぞ!!」

「了解です!」


そうと決まれば、炉に火をつけ、落ちている切れ端を放り込む。

あんまり一気に入れると温度が上がんないかもな・・・。


温度を上げている間に、型を作らなきゃ!!


外に出て、少し離れた場所に穴を掘る。

穴を掘るのはだいぶうまくなってきた!

罠熟練度が上がってんのかもね。

まぁ、ソウと協力しているというのもあるが。

というか・・・

力はソウの方が圧倒的にあるので、ソウの方が穴を掘るのもはやい。

・・・罠士が聞いてあきれる・・!?

人知れず落ち込んでいると、

ソウが、

「穴はまぁ、俺に任せとけや!溶かす方頼むわ!」

と言った。

釈然としないものを少し感じながらも、工房へ向かう。

炉の中をそっとのぞき込むと、最初に入れたものが溶けてドロドロになっていた。

「よし!」

まだまだ溶かすべきものはあるのだが、まずは慎重に入れていった。

しかし熱い・・・・。

もしかしたらソウはこの熱いのから逃げたのか!?


そんなことも一瞬思ったが、ソウの方が単純に穴を掘るのが適していたからだろう。

…多分ね。


もう一度炉の中を見ると、二度目に入れたものも溶けているようだ。

温度がかなり高くなってるんだろうな。


よしよし。

もういっぺんにたくさん入れちゃおうかな?

その方が早いし。

ヒデオはめんどくさがりでせっかちな一面もあった。


そのあたりにある破片や折れたものなどをまとめて一気に入れた。

「おりゃ!!!」

その時!!

一気に入れたので、中にあった熱いドロドロが跳ねてヒデオの服についた!

そしてヒデオの服が燃え出した!!!


「あっつあっつああああっつ!!!!!やばい!!!燃えてる!!!!!!!」

ここでこのまま燃えると武器屋まで燃えてしまう。


急いで外に出た。


「おいおいおいおい!!!!!!」

「ヒデオ!!!!」


ムーアさんもソウも驚きヒデオを見る。


ムーアさんは慌てて水を取りに走る。

ソウは掘っていた土をヒデオにかけて消火しようとした。

「ぐわあぁああわああぁぁああああぁ!!」


火はその後他に燃え移らず何とか消えたものの、ヒデオは当然死んでしまったのだった。






初の焼死ですね!


他に燃え広がらなくて一安心ですね。

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