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第15死 ~さよならゴブリン そして新たな出会い!?~

罠がほぼ完成したと思ったら、

木からコードレスバンジーしてしまったヒデオ。

これからどうなる!?

「ヒデオよ。起きたまえ。」

「はい・・・また生き返らせてくださってありがとうございます。。」

「うむ。木登りはだいぶうまくなったようじゃな。」

「はい。木登りマスターと言っても過言ではないかと!」

「調子に乗るんじゃない!!!木登りマスターが木から落ちて死ぬか!!!!」

「すみませ~ん!!」


王様とのやり取りもだいぶ慣れてきた感じである。

多少失礼なことを言っても怒らない人なんだろうな。

フレンドリーに話してもいいのかもしれない。

調子に乗っちゃいけないけど・・・・。

礼儀は大事だからな・・・。


「しかし、あの罠良さそうじゃのう。

 いろいろなものに応用が利きそうじゃ。」

「ありがとうございます。」

「城の中の通路にも仕掛けておくのもいいかもしれんな。

 この城の内部に敵が来たらそれこそ一大事だが・・・。」

「そうですね。。城に入れないように罠をしかけるほうがいいでしょうね。」

「そうすると、上に何もないところではあの罠は使えないからのぅ・・・。」

「あ・・・はい・・・。」

「まぁよい。応用はこちらで考える。

 原理さえわかればよいのだ。」

「わかりました。」

「引き続きゴブリン討伐に励むがよい。」

「はい!」


城を出て教会に行く。

そうだ!

神父さんに仲間になってくれるか聞いてみよう。

一人でするよりも、二人で作業した方が早いしなぁ。。


「神父さん。ただいま戻りました。」

「おかえりなさい。ヒデオさん。」

神父さんの顔を見ると安心するな。

ここが俺の居場所って感じになりつつあるな。

「あのぅ・・神父さんに聞きたいことというかお願いがあるのですが・・。」

「なんですか?できる限りのことはさせていただきますよ。」

「単刀直入に言います!私と一緒に罠を作りませんか!?」

「おお・・・・!」

神父は予想もしていなかったようで驚いたようだ。

「どうでしょうか・・・?一人では何かと大変で・・・。

 それに神父さんは私のことも分かって下さっているので・・・。」

「お誘いありがとうございます。申し訳ありませんがそれは難しいです・・・。」

「やはりそうですか・・・。」

「はい。私は自分の役割を果たさなければなりません・・・。」

「そうですよね。。他の人を紹介していただくことなどできるでしょうか?」

「うーん・・・。それも難しいですね・・・・。

 この町にいる人はほとんど自分の役割があり、

 他の人を手伝うなど難しいと思います。」

「そうですか・・・。」

確かに、武器屋の人にしても一人でやっていたし、他のお店もほとんど一人でやっている。

兵士が遠征で死んでしまったという話もあったけど、

人手不足なのかもしれないな・・・。

「わかりました。自分でできる範囲で頑張ります!」

「はい。頑張ってください!」


「今日はもう森へは行きませんか?」

あたりはまだ明るいものの少し太陽が西にある。

夜になるとブラックバードが出るからな・・・。

でも、あの罠をゴブリンが自分で引いたりしたら・・・?

また一から作り直さなきゃならない。。

完成した以上すぐにやるべきだな。

「いえ!これから行ってゴブリンを倒します!」

「わかりました・・・。お気をつけて・・・!」


神父さんと別れて森へと急ぐ。

まだ大丈夫だと思うが、早いにこしたことはないしね。

罠が壊されたりしてなきゃいいけど・・・・。

心配になると、その様子を想像してしまう。

ゴブリンがなんだこれ?みたいな顔でロープを引っ張り、

上からドシャッと落ちる・・・。

うーんあり得そう!

急がねば!!!


そして罠ポイントへ到着した。

無事に罠は残っていた。

特に何も変わった様子はない。

一安心・・・・。

もう登るのはやめておこう。

あと一個石をのせたところでそんなに結果は変わらないだろうし。

3本のロープを束ねて1本にして引っ張りやすいようにする。

これで準備は万端だ!


ゴブリンが来るのを待つか、呼び寄せるか・・・・。

まずは待ってみようかな。

呼び寄せる途中にゴブリンにやられることもあるかもしれないし・・・。


しばらくロープを持ち、待ってみることにした。

・・・・

・・・・・

・・・・・・

来ないな。

1時間ほど待ったところでこれは来るはずがないと判断した。

来たところで、ちょうど罠の下を通ってくれないといけないしな・・・・。


何かいい方法はないものか。。


そうだ!!!

食べ物だ!!!

餌でつるのは罠の基本!

ゴブリンは以前俺が撒き散らかした食料を持って行っていた。。

ということは、食料を置いておけば・・・・。


非常用の食糧を持ってきていたので、罠の下に置く。

カンパンなので、匂いのあるものじゃないから、勝手に来てくれることはなさそうだ。、

やっぱりある程度近くに呼び寄せないとダメかな・・。


しょうがない・・・・。

ある程度の危険はおかさないと成果は得られない・・・ってところかな。


ゴブリンを探しに行くことにした。

こういう時に限ってなかなかいない。

30分ぐらいは探しただろうか。

あたりが少し暗くなり始めてきた。

ここまできて撤退するわけにもいかない。


とりあえず罠のところに戻ると、ゴブリンが罠の下にいるではないか!

その場で置いておいたカンパンを食べている。

今がチャンス!!!

すぐにロープのところに行き、思いっきりロープを引っ張った!!


ミシミシ!!!

ズシャドシャズーン!!!

まずは大きい板がゴブリンに当たり、

どんどん石だの木だのがゴブリンの上へ降っていく。

グワッ!

そんな声が聞こえ、瓦礫が動かなくなった。

どうやらゴブリンを倒すことができたようだ!!!!


すると、身体が熱くなるのを感じた!!!

身体が、、身体が熱い!!!!

力が湧いてくる!!

またレベルが上がったのだ!!!

よっしゃあ!!!これでレベルゼロからせめて1にはなったかな!?


今までより確実に強くなった自分を感じる。よしよし!!

嬉しい!!!

レベルが上がったこともそうだが、

計画通りに事が進んだことも嬉しい。

結局ゴブリンに殺された回数も少ないし。

自分の成長を感じられるのが何よりも嬉しい!

自分で自分をほめてあげたいです!


さて・・・・帰って王様に報告だ!!

神父さんも喜んでくれるだろうな!!!

あたりは少し暗くなり始めていたが、

もう戻るだけだし大丈夫だろう。


その時、ふと声をかけられた!

「おい!お前がこれをやったのか?」

「え!?!?!?!?」

誰!?というか人!?

モンスター!?!?!?しゃべれるの!?

なんだなんだ?


「そんなに驚かなくてもいいだろ?俺は人間だ。」

振りむいてよく見ると確かに人間だ。

西部劇のような帽子をかぶり、背も高く、かっこいい人がそこに立っていた。

「あ・・・ああ。人間かよかった・・!」

「驚かせちまったようだな。すまんすまん。

 で、あれはお前がやったのか?」

「あの罠のことか?ゴブリンを倒したやつ。」

「そうそう。なかなかやるじゃねえか!!」

「ありがとう!俺はヒデオ。王国罠士。

 罠ってのは、戦わずして相手を陥れて勝つ!みたいなもののことね。」

「ほう!俺は、ソウ。ハンターをしている。

 一応王国にも認められているぜ。」

そう言ってソウはバッジを見せた。

王国の猟士であるということがそこには示されている。

とりあえず怪しい人じゃないんだろうな。

ひとまずよかった・・。


「ヒデオ。他にも罠でモンスターを倒したことがあるのか?」

ソウはずいぶんと興味を持ったようだ。

「あるよ!あいつは大変だった・・・。」

ヒデオはちょっともったいつけて話してみようと大げさに言ってみた。

「どんなやつなんだよ?」

「あれは大きいときには家ぐらいの大きさになったりするんだよ。

 何とか倒せたがな・・・!」

スライムって名前を言ったら、なんだよ・・!?

って思われるだろうからそれはふせとくか。。

「そいつはすごいな!どうやって倒したんだ?」

「穴を掘ってそこに落として生き埋めにしてやったんだよ!!」

「おお!!!やるな!!!

 確かにでかくても生き埋めにされたらどうしようもねぇな!」


・・・・でかいままの状態を倒したと思ってくれているが、

まぁ、一応事実しか言ってないわけだしこのままにしとこう・・・。


「そっちはなんでこんなところに?」

こんなもうすぐ夜になるって時間にここにいるのは不自然だ。

「ああ・・・俺はブラックバードを狩るためにここに来たんだ!!」

「え!?」

「ブラックバード知ってるか?夜にしか出ない鳥だ。

 あれは結構やっかいでな。

 素早いし、夜の闇に溶け込むのがうまい。」

「知ってるよ。あれを倒したことがあるのか?」

「いや、まだない。。何度か対峙しているんだが、

 逃げられちまうんだ!」

確かにあれを倒すのは至難の業なんだろう。

「ブラックバードにはかなりの賞金もかけられているんだぜ!」

「賞金!?」

「ああ!王様はモンスターの首に賞金をかけている。

 まぁ、モンスターを倒して安全になれば王国にとっても良いわけだからな!」

「確かに。」

「でも、賞金に目がくらんで死んじまうやつもいるんだけどよ・・・・。」

少しソウは遠い目をした。

ソウも何か昔に事件があり、

胸に抱えているものがあるのかもしれない。


「そうだ!ヒデオっていったっけか。

 俺と組まないか?

 組んでブラックバードを倒そうぜ!!!」


え!?まさかのあっちから仲間にならないかという誘い!!!!

渡りに船!?

濡れ手に粟!?(ちょっと違うか)

あまりに急だったので驚いて黙っていると、

ソウは続けた。


「俺の力を見せてなかったな。それで仲間になれって言われても確かに難しいか。

 俺の武器はこれなんだよ!」

そう言ってソウは取り出した武器をヒデオに見せた。


それは、のこぎりのような刃があるが、形はくの字になっている。

いったいなんだこれは?

「これはどんな武器なんだ?」


「見たことねぇか!これは俺専用の特注品だからな!

 見た方が早え!まぁ見とけ!」


そういうと、ソウはその武器を投げた!

結構遠くまで飛んだかと思うと、その武器は戻ってきた。

いわゆるブーメランになっていたのだ!!

戻ってきたブーメランをソウはキャッチした。

「どうだ?結構いいだろ!!」

「おお!!!やるな!!!!!」

ヒデオが思ったよりいい反応を見せたのでソウは気をよくしたようだ。

「だろ!!しかも命中力だってあるんだぜ!!

 どっか狙ってほしいところ言ってみろよ!

 そこに当ててやるぜ!!!」

「すげえな!!!じゃああそこの赤い葉っぱが付いている枝は?」

「あれか!余裕だぜ!!!あのぐらいの枝ならスパッと切れるぜ!」

「切れてさらに戻ってくるなんてむずいんじゃないのか?」

ソウはさらに得意げな顔をして言った。

「何言ってんだよ!!俺をなめるんじゃねぇって!!

 まぁ見てろ!!!」


そう言ってソウは目標を見定めてブーメランを投げた。

バシッ!!!!

見事枝に命中!!!!スパッと枝は切れた。

「すごいな!!!ほんとに当てるとは!!!」

ヒデオは思わずソウに駆け寄った。

「危ねぇぞ!!!」

ソウが忠告したが時すでに遅し。。。

戻ってきたブーメランがヒデオに刺さった!

ぐはあぁ・・・あぁあ!

やっちまった!!!

「おい!!!お前!!ダイジョブか!?」

「だ・・・だいじょぶだ・・・・王国に来てくれ・・・・。」

「全然ダイジョブじゃねえなこれは・・・。王国?なぜだ???」

「とに・・・かく王国へ・・・・行って・・・王様のところへ・・・・!!!」

「参ったな・・・。これは遺言ってやつか・・・?

 王様にお前の死に様を報告すりゃいいのかな・・・。。。」

「だい・・・・じょ・・うぶ・・。。。

 おまえも・・・ばっせ・・られることは・・・ない・・・から・・」


朦朧とする意識の中でとにかく王国へ・・・とつぶやくヒデオ。

王国でソウと再会することはできるのだろうか・・・・?

せっかくゴブリンを倒したし、

仲間もできると思ったらまさかのブーメラン刺さり死に。


王国での再会に期待です。

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