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第11死 ~次の獲物はお前だ!ゴブリン!~

やっとスライムを倒したと思ったら王様に殺されるなんて!

ヒデオはホントに弱すぎる。

想像を絶する弱さということですね。

「ヒデオ・・・ヒデオ・・・・起きなさい。」

やや優しい感じの王様の声がした。

「う・・・う・・・!!」

多分生き返ったばかりだからか、あまりはっきりしない頭で、

死ぬ前に起こったことを思い出す。

「ヒデオ!すまなかったな!!そなたがあんなに弱いということを忘れていたわ!」

「生き返らせて下さったのでいいです・・・。」

「すまんすまん。根に持っておるようじゃな・・・。」

「いえ。大丈夫です。」

「まだ目が死んでいるな。。まぁよい!ヒデオよ!

 お主に褒美を与える!」

褒美と聞いてヒデオの目に活力が戻った。

「ありがとうございます!」

「お主を【罠士】に任命する。我が王国の罠士として働くがよい!

 これは我が王国の者と証明するバッジである。

 これをつけていればどこに罠を作ろうと咎められることはないだろう。」


なるほど。。確かに、罠を勝手にいろんなところに作ったら怒られるだろうからなぁ。

でも、褒美ってこれだけかな・・・・。

働くことになるだろうから、給料ももらえるんだろうし、すごい褒美と思うこともできるか。

この世界で生きていく術が見つかったってことだからな。


「ん?不服か?」

「いえ!ありがとうございます!」

「これだけか?って顔をしていたぞ。安心しろ。これだけではない。」

「え!?」

「我が王国は働く賃金を先払いしておる。

 そなたに、3万クル渡そう。

 一か月分だ。大事に使うがいい。」

「おお・・・!!!ありがとうございます!!!」


お金ももらえた!!!

やっぱり褒美と言えば金!!

地獄の沙汰も金次第。

金は天下の回り物!

お金はテンション上がる!

大切に使わないとな!!

神父さんにもお世話になってるから渡そう!!


よしよし!

でも、罠士ってどんなことをすればいいのかな。。。

「して・・・そなたの仕事なのだが。」

「はい。」

「特にない!」

「え!?!?!?!?」

「今は特にない!!と言ったのだ。」

「この城は城壁も高く堅固である。防衛のために罠を必要とすることはないだろう。」

「はい。」

「それにお前はすぐに死にすぎる!もう少し強くなり死なないようにならんとな。」

「・・・・・はい・・。」

「しかし、そなたの力が必要となる時も来るだろう。それまで腕を磨いておくように。」


・・・なるほど。特に仕事もないのに、お給料。

これは相当な褒美だな。

異世界から来た人が頑張ったからとりあえず一か月分頑張って、

さらなる結果を出してみろ!ってことなんだろう。


「わかりました!鍛えてもっと自分のレベルを上げたいと思います!」

「レベルか・・・。そういえばお主はスライムを倒した時レベルが上がったのだろう?」

「感覚的には強くなった気がしました!」

「ふむ。では、調べてみるか。」

「調べることができるのですね!!お願いします!」

「神父を呼んでまいれ・・・!」

「っは!」


兵士さんたちが神父さんを呼びに行った。

神父さんレベル調べられるのか。

知ってたらいろいろと聞きたかったところだけど・・・。

神父さんが来るまでにいろいろわからなかったことを聞いてみるか・・。


「王様。質問などしてもよろしいでしょうか?」

「ん。かまわんぞ。」

「スライムを倒すことはできたのですが、

 スライムより少し強い敵はどのようなものがいますか?」

「ふむ・・・・ゴブリンかのぅ。おい?どう思う?」

「っは。スライムの次はゴブリンかなと思います。

 まぁ、普通の兵士ならゴブリンも一撃で倒せますが・・・。」

「余計なことは言わんでよろしい。やはりゴブリンだな。」

「一撃で倒せるのですね・・・。ちなみに、見たことはないのですが、

 どこにゴブリンはいるのでしょうか?」

「湖には行ったことがあったな。それと逆方向に行くと森がある。

 そこにゴブリンが出るぞ。」

兵士さんが教えてくれた。

「なるほど・・。ありがとうございます。次はゴブリンを倒してみたいと思います!」

「ふむ!良いだろう。ゴブリンを倒せたらまた褒美を考えておくぞ。」

「ありがとうございます!!」


そんな話をしていると神父さんが到着した。

「ヒデオさん!おめでとうございます!!!

 私も嬉しいです!!」

「ありがとうございます!何とかスライムを倒すことができました!!」


「リストよ。ヒデオのレベルを調べられるか?」

王様が本題を口に出した。

「っは。調べてみます。」

神父は杖を取り出し、何やら呪文のようなものを唱えている。

聞いたこともない言語で簡単には真似できそうにない。


「あれ?・・・・・おかしい・・。」

神父は何やら困惑した表情を浮かべている。

「リスト!どうしたのだ?」

「すみません王様。。もう一度調べてみます。。」


神父はもう一度同じように唱えだした。

「なぜだ・・・?」

しかしまた失敗したのか表情がさえない。

「どうしたのじゃ?話せ。」

「・・・は。ヒデオさんのレベルを調べたのですが、

 レベルが0と出ました・・・・。」

「「「ゼロ!?」」」

そこにいたヒデオや王様や兵士達全員が口をそろえて言った。

「はい・・・。ゼロです・・。二回調べたのですが・・。」

「うーむ。お主の能力も錆びついたのではないか?わしを調べてみよ。」

「・・・はい。。」

また神父は呪文を唱えだした。

「王様はレベル75。正しく測定できているようです。

 王様まだ鍛錬などされているのですね。

 前はかったのは1年前ぐらいでしょうか・・・。

 2上がっていますね。」

「リスト余計なことは言うでない。陰でコツコツやるからかっこいいのだろう・・。」

「これは失礼をしました。。」


王様と神父さんは仲がいいんだったな。

同級生みたいなものだって言ってたっけ。

王様になっても軽口をたたき合える仲ってなんかいいなぁ。

でも75か・・すごいな。


「そなたの力は問題ないようじゃな。ということは、ヒデオはレベル0ということか。」

「おそらく・・・。」

ゼロか・・・。でも、異世界から来たからここのレベルシステムに対応してないってことあるんじゃないか・・?

「あのう・・・異世界から来たからレベルがはかれずゼロってことではないのですか?」

一応言ってみた。


「ヒデオさんそれは違うと思います。

 例えば犬や猫などは、 レベルをはかれないのですが、ゼロというようにはならないのです。」

「というと・・・?」

「ゼロだとわかるのと、はかれないというのは違うということです。」

「なるほど・・・。ホントにゼロということなんですね…。」


「こうは考えられぬか?

 ヒデオはレベルが上がったのを実感しているそうじゃ。

 しかし、ゼロと出ている。

 推測になるが、レベルが低すぎて0と出たが、0ではないということではないか?」

「王様・・意味が・・・わかりません・・・・。」

「アホじゃのう。簡単に言うぞ。

 時計などを考えてみよ。

 0分と1分の間には60秒ある。

 だが、1秒たっただけでは0分と言われてしまうことも多いだろう。

 それと同じことじゃないのか。

 つまり、レベルは上がったものの1には到底及ばないレベルということじゃろう。」


王様説明うまいな!頭がいいのだろう。。。

さすが一国の王・・・。

どうやら、その説が濃厚だな・・・。

0.001が0.005に上がった!みたいな感じ?

誤差の範囲だわ~

確かにそれじゃレベルゼロだな・・・。

なんか残念・・・。


「ヒデオよ。レベルは一つの目安にすぎぬ。

 あまり気にしてもしょうがないぞ。」

「はい。。。」

「そなたは我らにはないものを持っておる。

 それを発揮していくがよい。

 さっきは強くなれと言ったが、むしろ強くならない方がいいかもしれぬな。

 弱くても相手を倒す。

 それを極めるのだ。」


「はい!」


威勢よく返事をしてしまったが、

ってことは、スライムを狩りまくってせめて普通の強さになるのもだめってこと・・・?

スライムを倒しまくってレベルマックスとか根気よくやってもいいと思ったのに・・・。。。


「次はゴブリン討伐だな。ゴブリンはスライムより知能があるようだ。

 まぁ、人間に比べるとかなり劣るだろうが・・・。

 気を付けるがいい。」

「わかりました。」



そうして神父さんと一緒に城を出た。

「次はゴブリン討伐ですか。頑張ってくださいね。応援しています。」

「ありがとうございます。

 あ!そうだ、本当にいつもお世話になっているので、

 王様にいただいたこのお金を差し上げようと思うのですが・・・。」

「え!?寄付して下さるということですか?

 ご自分で獲得されたお金。ご自分で使って下さいよ!」

「いえいえ。寝泊まりもさせていただいていますし・・・。」

「そうですか・・・・・。それならばありがたくいただきますね。」


意外に早く受け取ったなと思ったり、

全部渡さなきゃよかったかななんて思ったりしてしまうところが、

人間レベルの低いところかもしれない・・・。

でも、特にお金を使うこともないからいいってことにしよう!!


「それでは、ゴブリン討伐行ってきます!」


と神父と別れゴブリン討伐へ出発するのであった。




湖と反対方向に歩くと、すぐに森が見えてきた。

うーん・・・。あんまり木が多いわけではないけど、やっぱり少し暗くて不気味だな・・・。

いきなり遭遇したら100%勝てないから、森をちょっと進んだら落とし穴でも掘っておこう・・・。

罠士をなめるなよ!ってね。


森をしばらく進んで穴掘りにかかる。

銅のつるぎはスコップがわりだよ!

銅のスコップと呼びたい気分だ。

ゴブリンはどの程度の重さかわからないけど、スライムよりは重いだろう。

幸い森には木がたくさん落ちているから、

穴を掘った後細い枝を上に置き、葉を乗せて落とし穴を完成させた。

後はゴブリンを探すだけか。


少し歩くと前にゴブリンと思われるモンスターを発見。

身長は1m40cmぐらいかな。体重は30kgぐらい?

間違いなく穴に落ちる重さだ。

ただ、普通に強そうだな。

アホっぽい顔してるから大丈夫かな・・・。

よし!石を投げてこちらにおびき出そう‥‥。


遠くから石を投げる。

ゴブリンはこちらに気づいて向かってきた。

よしよし!

逃げるぞ!

落とし穴の前まで来てゴブリンを待ち構える。

ゴブリンは普通に追いかけてきたが、

こちらが止まっているのを見て何か感じたのか、

落とし穴の前まで来て止まった。


気づかれた!?

勘のいい野郎だ!

いや・・よく見るとこちらの様子を観察しているだけで穴に気づいている様子はない。

怒らせればこっちに来るかな・・・。

そう思い、石を投げてみた。

ゴブリンに命中!!

これで怒ってくるかな!?


ゴブリンは間違いなく怒ったようだ。

そして、当たった石を拾い思いっきり投げ返してきた!

「え!?」

避ける間もなく当たる石。

頭にヒット!!!

血が出ているのが分かる。

頭からピューっとね・・・・。

そしてすぐに意識がなくなってしまうのであった・・・・。

罠士就任!

しかし、レベルはゼロ!

しかも、今後も弱いまま倒せと!

かなり無理強いですが、きっと乗り越えられる・・・!!!と思います。


とりあえずゴブリンに瞬殺されました。

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