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柊君へ  作者: Taさん
第二章
96/254

坂井さん ~3~

つぶつぶポッキー・・・懐かしい・・・

「あれ?柊君。」


「坂井先輩?お疲れさまです。」



部活を終えて私は急いで帰路についた。


理由は簡単で、バス通学をしていて、朝と夕方に1本ずつではあるが

学校から家までの直行便があるのだ!!


普段は3回乗り換えをしなければいけないのに対して、

直行便であれば乗り換えなしで、1時間乗っていればいい!

しかも始発の場所から近いおかげで、座れるというおまけつきだ!!


そのため部活を終えるとダッシュで着替えてバス停へと向かったのだ。

するとどこかで見たことがあるシルエットがあった・・・



「柊君もこの直行便?」


「はい、これだと乗り換えなしで帰れますからね~。

 部活はちょっと早く終わったんですけど、待ってました。」


「そうだよねー!

 待ってもいいって思っちゃうよね~!」


柊君の家は、私が下りるバス停から、更に進んだ先にある。

詳しくは知らないけど、天野の家の近くだと言っていたので、

だいたいどの辺りかは分かっている。



「そう言えば!!芸術は何を選んだの?」


「音楽です!

 天野先輩から聞きましたよー!!」


「お!じゃあ、男子だけのクラスは回避できるね。」


「ええ・・・良かったです。

 貴重な情報を教えてもらって。」


「そんな大げさな~。

 男子だけのクラスってのも楽しいかもしれないよ?」


「・・・全然楽しいとは思わないですけどね・・・。」


うちの学校では芸術の授業があるのだが、

それは選択式で入学前に選んだものが

3年間ずっと続くシステムになっている。


書道と美術を選んだ男子は、2/3の確率で男子のみのクラス(通称:男クラ)になるという

知らなければものすごく不幸な目に会うと言うシステム。


なぜか音楽を選ぶと男女共学のクラスになれるが不思議だけど・・・

噂では音楽の先生が男クラは嫌だと言って、

音楽だけは男クラがないと噂が立っている・・・ホントかどうかは定かではないけどね。



「そんなに男子だけっていやぁ?」


「ええ・・・だって、部室とかで思いますけど、

 夏場とかって、ものすごい酸っぱい臭いがこもってますからね・・・。

 あれを教室で常に味わうことになるなんって・・・。」


「・・・たしかに・・・それは・・・イヤだね・・・。」


男子のバスケ部の部室を想像してしまった。

どうしても男子バスケ部の部室に一部バスケの道具が置かれているため

練習前に入らないといけないんだけど・・・・


換気にしているのに・・・


ちょっと気分の悪くなる匂いが立ち込めている・・・


そっか・・・


あの中で授業は確かに嫌だな・・・



その後、直行便に無事に乗れて、2人席に並んで座る。



「あ、食べますか?」


「ありがとう!私、これ好きなんだよね!!」


柊君がくれたのは“つぶつぶいちごポッキー”だった。

たまたま持っていたのだろうけど、

私が普段ご褒美の日にだけ食べるものであったため

思わずテンションが上がってしまう。


しかもちょっと冷たくて、美味しい!


「どうしたのコレ?」


一本食べ終えて、柊君に促されて、また一本を取る。



「さっき先輩に貰ったんです。

 っていうか、部室に冷蔵庫があるのにびっくりなんですけど!!!」


「ああぁ~、氷を作るからでしょう?

 部活の時に出すお茶の中に氷を入れるから、そのために用意してるよね~。」


「そうなんですよね!

 中学の時なんか部活中に水飲むな!!って怒られていたのが、

 ここだと定期的にお茶をとれー!って言われてびっくりですよ。」


「そうなの?私の中学だと水分はこまめに取れ!って言われたわよ。」


「・・・ズルいですね・・・。」


「いやいや、ズルいとかじゃないし!!」


「あ、これ残りどうぞ。」


そういって、ポッキーの袋を私にくれた。



「え?いいの?」


「好きなんでしょ?このポッキー。美味しそうに食べてるから、

 どうぞ思う存分に食べてください。」


「それなら箱ごと食べたいな~。」


「・・・そんなわがまま言ってると取り上げますよ!」


「あー!うそうそ!いや~、こんなに食べれる何って私幸せだよー!」


盗られそうになったポッキーを自分の手元に持ってきて、

また一本ずつ頬張っていく。

頬張りながら、気になっていたことを聞く・・・



「そういえば、柊君って推薦組じゃないんだよね?

 春休みに登校しているのに・・・。」


「ええ、そうですよ。

 自力でうちの高校に来たんですよ!」


えっへん!っと胸を張るのだけど・・・



「私も自力ではいっているわよ!!

 ・・・それで、なんで春休みから参加してるの?」


「入試が終わった次の日に高校の校長先生から電話があって、

 部活に参加してください!って言われたんです。」


「・・・それってまだ合格発表前だよね?」


「はい。」


「・・・新手の裏口入学?」


「し、失敬な!!

 ちゃんと点数を取ってます!!

 テストは二番だったらしくて、上級生の入学祝い式?ってので

 新入生お礼の言葉を読むことになってますよ。」


「あ、じゃあ、本当に実力で入ったんだね!?」


「・・・だから、そう言っているでしょう・・・。」


「ねえ、中学の時も陸上だったのよね?」


「ええ。そうじゃないとここに陸上部として春休みの時から来てるのおかしいでしょう?」


「そ、そうだけど・・・。

 どのくらいの選手だったの?有名人?」


「はぁ~、まあ・・・


 超有名人ですね♪」


「・・・うわぁ~、いやだいやだ。

 そこは普通、謙遜して『そんなことないですよー』っていうところだけどねー。」


「ソンナコトナイデスヨ。」


「カタコト!!

 しかも言わされてる感が半端ないし!」


「けど、これでどんな成績だった?って聞かれて、

 とんでもない成績じゃん!って言われたら、

 謙遜したのも嫌味かよ!って言うでしょう?」


「・・・そんなにすごいの?」


「ええっとですね・・・。

 個人だと・・・ジュニアオリンピック出てます。」


「・・・マジ?」


「マジ。」


「・・・あぁ~嫌だ嫌だ!

 柊君もそっち側の人間なんだー。」


思いっきりため息をつきながら、ジト目で柊君を見てしまう。


私は・・・持っていない側の人間だからね・・・



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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