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柊君へ  作者: Taさん
第二章
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入河ちゃん ~20~

入河ちゃんの話です!

初めてのキャンプ場でのキャンプにテンションが上がっていたのですが、

すぐに緊急事態が起きたのです!!!



「うわぁぁ!!!」


それは薪置き場に薪を取りに行った顧問の声で、

みんながその声に振り向くと、


そこには蛇が先生の手を噛んでいたのです!


「マムシ!!!」


ここで柊先輩が叫んで、急いで先生の傍に行く。

そして、


「誰か!救急車!救急車を呼んでくれ!!」


そう叫ぶのだが、誰もがこの状況下では動けずにいたところ、

そのまま柊先輩がポケットからスマホを取り出して、電話をかける。


番号を押し終えた柊先輩はスマホを先生のお腹の上において、

カバンからタオルを取り出し、腕の上腕部をギュッと締めて、

更には脇の下にタオルを挟みこんでいたのである。


「119番消防です。」


柊先輩はスマホをスピーカーにしていたらしくて、声が響く。


「火事ですか?救急車ですか?」


「救急車です!」


「住所はどこですか?」


「〇×キャンプ場です。そこにある炊事場付近にいます。」


「誰がどうされましたか?」


「顧問の先生がマムシにかまれました。

 陸上部でキャンプにきています。」


「今はどういう状態ですか?」


「マムシにかまれた腕の付け根部分をタオルで縛って、

 脇にタオルを入れて閉じさせています。

 それとかまれた部分を押して、毒を押し出しているところです。」


そう言いながら、手で顧問の手を押していた。


「すぐに救急車が向かいます。

 安静にしてますか?」


「はい、動かないように横にしてます。」


「そのまま横にして、安静にしていてください。

 あなたのお名前と連絡先をお願いします。」


「柊と言います。連絡先は○○○ー○○○○ー○○○です。」


「すぐに救急車が向かいます。」


そう言って、通話が切れると、


「誰か水を持ってきてくれ!!」


柊先輩が叫ぶのだが、顧問を囲んでいるだけで誰も動きだそとはしなかった。


というか、少なくとも私は柊先輩の言葉が聞こえているのは分かるのだが、

それを理解することが出来なかったのである・・・


・・・しばらく経ってから、やっと理解できるようになったのだけど・・・


柊先輩は迷わず炊事場に行って、鍋に水を汲んで顧問の傍に戻って来るのだが、


「ひ、柊、毒を出さないと・・・。」


「もうやってます!」


そう言って、顧問を囲んでいる部員たちをかき分けて、

また先生の傍に行って、掌を押して、更には水を駆けだすのであった。


「こいう時は毒を吸いだした方が・・・。」


「今、それをやってるんじゃないですか!

 こうやって押し出してるんです。」


「だ、だけど、ネットとかでは吸いだした方がいいって言うけど・・・・。」


「あれは吸いだした人にも毒が回る可能性があるんですよ。」


「そ、そうなんだ・・・。」


結局、救急車が来るまでの間、柊先輩がひたすら処置をしていて、

私達はただ見ているだけだった・・。


そして・・・救急車には柊先輩が乗り込んでいった・・・


結局夜になっても帰ってこない柊先輩。


「明日、駅で合流することになたらしいわよ。」


福留先輩がため息交じりに女子の泊るコテージへと戻ってきた。


・・・そっか・・・結局柊先輩とはキャンプ楽しめないのか・・・


ちょっと残念ではあったのだが、

昼間の柊先輩の迅速な行動にはカッコよさを感じている。

当然それは私だけではなく、


「ありゃ~惚れるわ!」


久本先輩がため息交じりに言っていると、

松本先輩が真剣な顔をして

同じ男子短距離陸上部の鳥谷先輩に対して・・・


「・・・惚れてもいいけど、手を出すなよ鳥谷。」


「・・・それは、無理な相談だ・・・。」


「「「「「・・・え?」」」」」


皆からの驚き?疑問?色んな意味が超えられた『え?』が鳥谷先輩に注がれた。


・・・え?


じょ、冗談ですよね?


誰か教えてください!!


そう思って、特に3年の先輩達を見るのだが、

誰もがあいまいな顔をして固まっていたのであった・・・


・・・本当?なのかな・・・


私の初めてのキャンプは柊先輩の武勇伝の思い出を

知りたくなかった知った事実で塗り直されて終わったのであった。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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