入河ちゃん ~19~
入河ちゃんの話です!
「宣言されたんだけど!!」
私は家に帰るとすぐに友達に電話を掛ける。
「なにを??」
「ええっとね・・・。」
本人の名前は出さずに経緯を話す。
「・・・カッコイイ人がいたもんだね・・・。」
「そうだよね!・・・いやいや、そうだけど、私はどうすればいいの??」
「どうするもこうするも・・・告白するしかないじゃん!!」
「ええ!?」
「だって、先に告白されて向こうが付き合うことになったらどうするの?」
「・・・悲しい・・・。」
「そうならないためにも先手必勝!!
ちょうどいいタイミングで陸上部のキャンプがあるんでしょう?」
「・・・うん・・・。」
これから学校もさすがに盆休みにはいるのだが、
盆休みに合わせて陸上部キャンプがある。
まさにいいタイミングなのだが・・・。
「覚悟を決めろ!!女をみせろ!!」
「そ、そんなこと言われたって・・・どうしよう・・。」
「なんでよー!ここまで来たら言うしかないでしょう!!」
「・・・自分だったら言える?」
「言えないわよー!」
「うわ~、他人事だと思っていってるんじゃん!!」
「そうよー!他人事だもん!!」
「この薄情者!!」
「マンガだと絶対に両想いになるパターンじゃん!」
「マンガと現実は全然違うし!!」
「そうだよねー、私も高校に上がればすぐに彼氏の1人や2人できるモノだと思ってた!」
「そうそう、何か、すぐにいい感じになってさ・・・。」
「そう!急に告白される!・・・みたいな。」
「だけど・・・現実そんなことないもん!」
「ないよねー!!」
「告白何って、マンガの世界じゃ普通にしてるけど、いざって思うと超緊張するし!」
「いいじゃんまだ!告白しようかと思う相手がいてさ!!
私何って、そんな相手すらいないし!!
どうしてマンガだとあんなにすぐに素敵な人にであえるんだろうかな???」
「全然イケメンっていないしね・・・。」
「そうなのよねー!私何って今はボールが友達?いや、恋人?って感じだよ。」
「それ何か、昔のマンガになかった?」
「あ、バレた?お兄ちゃんのマンガにあったセリフをぱくったの。」
「へぇーそうなんだ。」
そんな会話をしつつ、最後には、
「入河ちゃん!あとはどうしたいかはあなた次第です!
告白チャンスはちょうどいいタイミングで来るんだしね。
まだ時間も少しはあるんだから考えるんだよ~!」
「うん・・・ありがとう・・・。」
どうしよう・・・どうしようか!!!
悩んでいると時間はあっという間に過ぎていき、
すでにキャンプの当日を迎えた。
・・・結局答えはでなかったな・・・
集合場所の駅までお母さんの車で送ってもらいながら、
ぼんやりと考えていると、
「あれ?柊君じゃない?」
お母さんの言う先に何と柊先輩が歩いていたのであった!
ドキッとしてしまい、脈拍が早くなるのを感じていた。
「私服も素敵ね。」
お母さんが柊先輩の横を通り過ぎながら観察結果を述べる。
脈拍が早くなったとか言いながら私もしっかりと柊先輩を観察していて、
上半身はピッタリとしたTシャツに、下のズボンは少し大きめの綿パン、
靴はバッシュというスタイルだ。
着替えとかの荷物は・・・あの小さなリュックに全部入っているのだろうか??
「ピッタリとしたジーンズとかも似合いそうだけどね。」
「柊先輩、ジーンズは太腿が入らないらしいよ。」
「へぇ!?本当にアスリートって感じだね!」
「私もそうなるかな・・・。」
ちょと足が太くなるのは嫌だなっと思っていると
「大丈夫よ。私の娘がそんなにアスリートになるとは思えないもの。」
そう言って母から笑われたのであった。
「アスリートになるかもしれないじゃん!」
「じゃあ、期待して待っておくわね。
忘れ物はない?気をつけていってらっしゃい。」
そう言われて、私は集合場所へと向かって行く。
みんなが続々と集まってきており、
「おはようございます。」
「「「おはようございます」」」
その繰り返しをし続けていた。
そんな中、私が着て少し遅れて柊先輩が現れる。
車の中から見たシルエットそのままに・・・
「柊君って、細マッチョだよね。」
福留先輩が早々に話かけていた。
そしてすぐに大賀先輩も柊先輩へと話かける。
出遅れてしまった・・・
その後もキャンプ場に着くまでの間の電車では
中々鉄壁の守りを超えることが出来なかったのは言うまでもない・・・
・・・あの2人彼氏いるのに・・・
ちょっと彼氏さん達にもっと頑張って、先輩達の手綱を締めて欲しいです・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




