入河ちゃん ~18~
入河ちゃんの話です!
「お疲れさま!入河ちゃん。」
そこにはテニス部があるはずの天野先輩と
バスケ部があるはずの坂井先輩もいたのだ。
「お二人とも部活は???」
「暗黙の了解よ。」
「そうそう、体育祭はうちの高校の名物だからね。
先生達も何も言わないけど、応援してくれてるのよ。」
「そうなんですか!?」
「じゃないと、部活サボって送りだしてくれないし。
それにうちの顧問何って
『体育祭は絶対にいい思い出になるからな!』
って言って応援してくれたもの。」
坂井先輩が笑いながら、顧問の先生のモノマネを披露してくれた。
全体練習が始まると撮影した映像を観たおかげか、
みんな真剣な面持ちになっており、また修正点を認識しているためか、
みごとに合ったのであった。
「絶対に本番も合わせるぞ!!!」
「「「「「おぉ!!!」」」」」
見事にマッチした爽快感と興奮がでみんが大声で団長の言葉に応えていた。
「入河ちゃん、帰ろうか。」
「はい!」
天野先輩と坂井先輩と共に一緒に帰っている時だった、
「天野さん、ちょっと話が・・・。」
天野先輩が団長から呼び出されたのであった。
「ちょっと待っててね~。すぐ済むから。」
まるで用件が分かっているような感じで団長のもとへと向かう天野先輩。
「何か問題があったんですかね?」
「ううん、たぶん・・・告白するんじゃないかな?団長が。」
「えええ!?」
「天野ってモテるからね・・。」
「そうなんですね・・・。どうするんですかね?」
ちょっと人の恋バナであるためテンションが上がるんだが、
「残念ながら断られると思うよ。」
「ええ!?どうしてですか!!
だって、団長って男らしくてカッコいいじゃないですか!!」
「傍から見たらそうだけどね・・・。
だけど・・・
天野から見るとダメだと思うよ。
だって・・・
ダメ男好きだもん。」
苦笑しながら答えてくれる坂井先輩。
「・・・ダメ男好きですか・・・。」
思い当たる節はある!
文化祭の時に現れた元カレを見ると・・・
どうして付き合ったの?
と疑問が湧くからだ。
「ちなみに、天野って・・・
柊君の告白も断ったんだよ。」
「えええ!?」
衝撃の話に思わず大声が出てしまう。
夜なので、ものすごーく響いてしまった。
「ど、どうして断ったんですか??」
「お、落ち着いて入河ちゃん。
わ、私のことじゃないから分からないわよ。」
思わず興奮していた私をなだめてくれる坂井先輩。
それもそうだ・・・天野先輩が告白されたのだから、
断った理由も天野先輩しか分からないはずなのだ・・・。
「・・・もしかしたら私のせいかもしれないけどね・・・。」
「え?」
少し間をおいて真剣な顔をする坂井先輩。
「入河ちゃん・・・。
私、柊君のことが好きなの。」
「えええ!?」
「そんな風にみえないかな?」
「あ、いえ、ど、どうでしょう・・・。」
絶対にバレるくらいに動揺してしまう。
「入河ちゃんも好きだよね?」
「ふえぇ!?」
「ふふふ、可愛いね入河ちゃんわ。」
優しく頭を撫でてくれる坂井先輩。
どういえばいいのだろうか・・・
「入河ちゃんとはちゃんと向き合って話をしておきたかったの。
どちらが付き合うにしろ、ちゃんと伝えとこうと思ってね。」
「・・・。」
「ごめんね、驚かせて。」
「い、いえ・・・。」
そんな微妙な空気の中、天野先輩が戻ってきて、
「用事も終了したし、帰ろうか!」
いつもの笑みを浮かべた天野先輩であったが、
私と坂井先輩の空気を察したのか、
「君達に忠告しておくけど・・・
どっちも選ばれないってこともあるんだかね!」
すっごい意地悪な笑みを浮かべてそんなことを言う天野先輩!
・・・まあ、その可能性もあるけど・・・
「・・・ホント、その性格直さないと友達なくすよ!」
坂井先輩からの忠告に、
「私は坂井と入河ちゃんがいれば別にいいのよ♪
あとはおまけに柊も入れてあげるけどね。」
坂井先輩に抱き着いた後に、私にまで抱き着いてきた。
「大切な友達は少なくても全然問題ない。
いることが大事なんだからねー。」
不思議な笑みに感じた一瞬だったのだが、
すぐにいつもの笑みに変わって、
「ご飯でも食べて帰ろうよ!」
「家で夕飯用意されてるから無理!」
「すいません・・・私も・・・。」
「何って冷たい2人なんだ!!せっかく親睦をより深めようと思ったのに・・・。」
残念がる天野先輩だったが、ふと天野先輩が戻ってきた方向を見ると、
うなだれるように落ち込んでいた団長がいた・・・。
ああ・・・
すべてがわかる光景でした・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




