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柊君へ  作者: Taさん
第一章
8/254

中田くん ~3~

不快な内容になっておりますので、

不快だと感じた場合には飛ばしてください。

次話をお楽しみください。


~追加~

 Another Storyを書いていますので、不快になった場合にはそちらを読んでください。

 内容は中田くんとは違うのですが・・・お口直しになれば幸いです。

ある時、珍しく西尾が俺に話かけてきた。


「ねえ、中田君、この辺り臭くない?」


「はぁ?」


「いや、中田君が臭いわけじゃないんだけど、この席の周辺が何かね・・・。」


そんなことを西尾が言ってきたのである。

西尾の周りにいるクラスメイト達も同じように鼻をつまんだりしている。


俺も思わず臭いを嗅いでみるのだが、みんなが付けている制汗剤の匂いしかしない。

むしろシーブリーズの俺が好きな匂いしかしないんだけど・・・


その時、西尾達がある方向を向いていることに気づいた。

その先には・・・


原か・・・


クラスが始まった頃には西尾と仲良くやっていたみたいだけど、

最近、西尾達とは外れて1人で行動しているところをよく見るようになったのだ。


その後もしきりに臭い臭いという西尾達が、

俺にも臭いよね?と尋ねてきたので、


「原が臭いんじゃないか?」


俺の発言に西尾達のグループがニヤリと笑みを浮かべてから、


「中田君も言ってるよ~、臭いんだって原さん!」


そこから原に対する非難が怒濤のごとく始まっていった。

それはその日だけで終わることがなく、毎日行われていた。


俺がくるとクラスメイト達も俺に期待した視線を送ってくる。

だから、俺はその期待に応えるように、


「ブスがいると空気が悪いな!!」


登校した来たばかりの原に早々に浴びせる。

またある日には、


「くせえな!!ブス!!」


そんな言葉を投げかけると、みんなから良く言ったと言わんばかりの声を浴びれるのであった。


「さっすが中田君、ホントのことでも私じゃいえないよ~。」


西尾が笑顔で俺に尊敬のまなざしを浮かべてくるように

この頃からなっていったのであった。


更に原を貶めるような言葉を掛けていると西尾との距離は近づいてきて、


「あ、ごめん。」


思わず近すぎる距離のためか、西尾の手が俺の腕に触れた。

ちょっと照れたような顔をする西尾がまた可愛い。


「お、おう・・・。」


俺も何ってコメントしていいのか分からずに

返事を返すことで精一杯になっていた。


この頃になると西尾に対して、イラついてくることが湧いてきていた。

西尾は誰とでも話すのだが、それはもちろん男ともだ。


肩に手を当てたりする西尾を見るとイラっとしてしまう。

それに西尾が他の男と話している姿を見てもイライラとしてしまう。

特にイラつくのは・・・


「ひ~いら~ぎく~ん!」


猫なで声で柊に話しかけてるのを聞くと頭の中が沸騰するような状態になり

頭の中をどす黒いものが支配するのだ・・・。


そんな時は、ますます原に罵詈雑言で罵るのであった。すると・・・


「ホントのことだけど言えないよ~、中田君。」


笑顔で俺に西尾が近づいてくるのであった。

この笑顔を見るだけで俺の暗い気持ちはスッとさわやかになっていくのであった。


だけど、西尾が俺に近づいてきてくれるキッカケはいつまでも続くものではなかったのだ。

それを壊したのもまた・・・あいつ・・・


柊だ!!!




「あ、原さんってこのクラスだったんだ。」


そう言って、柊が窓の席に座っていた原に声をかけてきた。

原は返事をしているのだが、もぞもぞと下を向いてしまう。

話しにくそうにしてる原に、気にもせずに柊が話しかけていき、


「そう言えば、竹中、教科書忘れたんだよな?」


そういって、柊の後ろにいた竹中に声をかけていた。


・・・こいつも俺は嫌いだった・・・


サバサバした性格で、分け隔てなくみんなと話しかけているのだが、

どこか自分の頭の良さを鼻にかけている感じが感じ取れていたからだ。


俺がそれを強く感じたのは、廊下にテスト結果が発表された時、


「竹中さん!22位だってよ~!」


竹中と一緒に友達が自分達の順位を確認している中で、

先に竹中の順位を見つけたので、叫んでいた。


「へ~。」


その反応に上がることもなく淡々と答えている竹中。


「もっと喜ぶべきことじゃん!」


「どうして竹中は、そんなに平坦なのよ!!」


竹中の友達が笑いながら竹名にツッコミを入れている。

それでも平坦な竹中に友達は更に笑っていたのであった。


「あ、23位中田君じゃん!」


そこでふと俺の名前が挙がった。

思わず竹中達の方に視線が向かうのだが・・・


「・・・誰?中田って?」


竹中の発言に驚く友達たち。しかも俺の方にもチラッと視線を向けていることから

友達は俺のことに気づいているようだ。


「同じ塾じゃん!」


「同じ塾?・・・分かんないな・・・。」


必死で友達が教えているのにこれっぽっちも俺のことを思い出せない竹中。

ちなみに竹中とは塾でも同じクラスであり、成績が一番優秀なクラスであり、

人数も10人ほどしかいないクラスだ。


友達が俺の方向を指さして、竹中に俺がいることを伝えると

竹中が俺の方に振り返ってくる。


ハッキリと俺のことを認識した・・・はずなのだが・・・


「・・・誰?」


それでも俺のことが分からない竹中にイラつきを覚えるのだが、


「ごめんね~。」


そういって、肩をポンと叩いて、その場から立ち去っていく竹中。

まるで俺に対して、興味を持っていないこの仕草が本当に腹が立ってきた。


それからも塾で会うことがあっても、横をすれ違っても話しかけても来ない竹中に

イラつきを覚えて、更に俺がどんなにいい成績をとっても反応すらしないその姿勢が

ますます俺をイラつかせるのであった。




「そう言えば、竹中、教科書忘れたんだよな?」


柊の後ろにいた竹中が、


「そうそう。忘れたんだよね。」


「原さん、竹中に国語の教科書貸してくれない?」


「え、うん・・・。」


とまどう原にグイグイと近づいていく竹中、


「ありがとう!原ちゃん!!」


竹中が手を取って握手を交わす姿を見たクラスメイト達がざわりとする。

その光景を見ていた西尾も引きつった顔をしている。


このままではまずい!!


俺がそう思ったと同時にすぐに動き出す。


「柊、お前、ブスと知り合いなのか?」


そんなブスと知り合いで滑稽だなと思いながら柊に近づいてくのだが・・・


「お前さ・・・誰にブスって言ってんだ?」


俺はいきなり胸ぐらを捕まえられて、そのまま後ろの壁まで押し付けられる。

片手で掴まれてるはずなのに、俺の体は浮いていた。

柊ににらまれたまま、


「クズが。」


怒気を含んだ脅しの言葉を掛けられるのであった。

その後は、竹中が、西尾にも声をかけていく。

西尾やクラスメイト達もそれに反論していくのだが、

結局は先生が来て、大きな騒ぎになっていったのであった。



気づいた点がありましたら、追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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