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柊君へ  作者: Taさん
第二章
79/254

入河ちゃん ~15~

入河ちゃんの話です!

「・・・どうして、柊先輩と出ていって、戻って来るときには坂井先輩が一緒なのよ?」


「坂井先輩を知っているの?」


「バスケ部の先輩だよ。おはようございます!坂井先輩!」


「おはようー。頑張ってるね。」


坂井先輩と友達が挨拶を交わしながら席へと案内する。

私はエプロンを付けて、接客の準備をしていると・・・


「オーダーです!コーヒー1つ、紅茶1つ、それと苺ケーキ2つ、あと・・・


 入河ちゃん1つです!!」


「えええ!!!」


思わず、オーダーを言った友達を見ると、


「入河ちゃん入りました!」


「ど、どいうこと??」


「まあまあ、コーヒー入れてあげるから、先輩達の席にいってよ!」


「わ、私、商品じゃないんだけど!?」


「・・・だって‥先輩には逆らえないもん!!生贄になってよ入河ちゃん!」


こうして私は天野先輩と坂井先輩に差し出されたのだ・・・。

いや、楽しいお茶会って感じで良かったのだけど・・・。




「・・・何で窓を開けてるの?」


私達の席は窓際で外から良く見えるような位置だ。

だから、私は窓を締めようとしたのだが、みんなから却下された。


「先輩達もみんなから見られるのは嫌ですよね?」


「ぜーんぜん気にならないわよ。」


・・・確かに天野先輩なら気にしそうにないな・・・。


「私は気になるわよ。」


ちょっとすねた感じで坂井先輩がいう。


「どうしたのちょっとすねた感じになってるけど?」


「だって・・・。」


そこまで言ったところで何かに気づいたらしい天野先輩がニヤリと笑い、


「この胸がうらやましいの?さっきからここを通る男子達の視線が

 ここに向かってくるのは感じてるけどね。」


そういって、何もしてなくても誇張していた胸を更に手を使って誇張する天野先輩。


「・・・いったい何が詰まってるのよ・・・。」


「ここには夢と希望が詰まってるの。」


「天野ってそんなに夢や希望持ってた?」


「ちがうわよ!


 だ・ん・しの!


 夢や希望が詰まっているの。」


「何を言ってんのよ・・・。」


さすがに私ではついていけない話をしている・・・。

いや、私も人並みにはあるはずだけど・・・。



「ほら!入河ちゃんが困っちゃってるでしょう!やめなさい!」


「困らせちゃいけないねー。じゃあ、この話題はここまで!

 美味しくケーキをいただきましょう!」


そう言って、2人はケーキを食べるのだが、その場に、


「先輩差入です!!」


そういって、クッキーを差し出してくた友達。


「そんな気にしなくていいのよ。」


坂井先輩が断ろうとしたのだが、天野先輩が、


「いいんじゃない貰って。だって、私達・・・


 客寄せパンダに使われてるしね。」


そう言って、天野先輩が友達を見ると、


「・・・バレてました。」


舌をだしてテヘっとする友達。


「???客寄せパンダ???」


私の疑問に天野先輩が、


「美少女3人、その中の1人は豊満な胸の持ち主で、

 その3人が窓際で優雅にお茶してる光景って

 男子から見たら入りたいと思わせるには十分でしょう。それに・・・。」


そういって、私達に店内を見るように促すと、

確かに男性客の数が多い・・・。


「結果も伴ってるしね。だから、いただいちゃいましょう。」


そういって、クッキーをつまむ天野先輩。

・・・さっきまでの話もあったせいか、

ちょっと食べる仕草がエッチな感じがしてしまう・・・。



「入河ちゃんはどこの中学出身なの?」


「私は××中学出身です。」


「やっぱり中学でも陸上部?」


「いいえ、テニス部でした。」


「そうなの!?どうしてテニス部に入ってくれなかったのよー!」


「いや・・それは・・・。」


「ああ・・・。」


何かにピンときた顔をする天野先輩。

ニヤリとしたその笑みがなんだかすでにバレていることを予感させるのだけど・・・



「柊とはじゃあ、高校で知り合ったの?」


「・・・はい・・・。」


絶対に・・・バレてる・・・

そう予感させるには十分な発言だ・・・

天野先輩って・・・怖い人だ・・・


「私は家が近所で、柊が幼稚園の頃から知っているよ。」


「そういえば、幼い頃の柊君ってどんな子だったの?」


坂井先輩が天野先輩の話に乗ってくる。

天野先輩と坂井先輩は同じクラスになって知り合ったらしい。

2人を見ているともっと前からの知り合いのように感じるのだけど。


「ああ・・・小学校・・・中学校かな?あの頃に比べて今は相当落ち着いた感じかな。」


「・・・ヤンキーだったの?」


「別にヤンキーってわけじゃなかったけどね。

 ケンカ早いし、しかも格闘技やってたから強いしね。」


「なんだか、手に負えない暴れん坊って感じがするけど・・・。」


「そんなことはないんだよ。私たちの一つ上の先輩に

 しょっちゅうボコボコにされてたからね。」


「あの柊君が!?」


「ああ、坂井は見たことあるよね柊のケンカのシーン。」


そう言って、ニヤリと笑う天野先輩に、ちょっと困ったような顔をする坂井先輩。

何かあったのかな・・・


「その柊が手も足も出ずに惨敗してたんだよ。

 一撃でのされていることもあったわよー。」


「・・・どんな人が相手だったんですか?」


「ものすっごく美人の先輩!しかも頭も良くてね~。

 今年は日本最高学府の大学に進学したよ。しかも理科三類に。

 あの先輩の家系は医者だからね、当然家の病院を継ぐのに行ったと思うわ。」


「び、美人で頭がいいって・・・天は二物も三物も与えるのね・・・。」


「違うわよ坂井。私とためを張る・・・


 胸も持ってたからね。


 残念ね・・・坂井・・・。」


「わ、私だって人並みにはあるわよ!!!」


顔を真っ赤にして反論する坂井先輩。



「そう?だけど・・・。」


なぜか天野先輩の口元が歪み、目には怪しい光が宿る。

そして次の瞬間・・・


「「ひやぁ!?」」


私と坂井先輩が悲鳴を上げる。

それもそのはずで、天野先輩の片方の手が私の胸に、

もう片方が坂井先輩の胸を掴んだからである。


そして手はそのままに・・・


「残念だよ・・・坂井・・・。」


そう言って、手を離した瞬間、坂井先輩からの猛抗議をうけるのだが、

ヘラヘラと笑って、全く答えていない天野先輩だった。


思った以上に気さくな先輩達で楽しい時間を過ごして、


「ありがとうございました!また来てくださいね!」


「OK!明日もまた来るよー!」


天野先輩と坂井先輩を笑顔で見送ったのだ。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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