入河ちゃん ~11~
入河ちゃんの話です!
夏の前にうちの高校では文化祭があり、
「柊先輩のところは何するんですか?」
「俺のところは、学校の模型を発泡スチロールで作って、
それを教室に展示するっていうのをやるよ。」
「むむむ・・・なかなか面白そうなことしてるじゃないですか・・・。
「入河さんのところは何をしてるの?」
「よくぞ聞いてくれました!
私達の所は喫茶店をやるんですよー!!
中学の時は飲食店は出来なかったので、初めてなんです!
何かザっ文化祭って感じがします。」
「へぇー、じゃあ、文化祭の時には寄らせてもらうよ。」
「はい!是非!そして・・・。」
「そして?」
「できれば・・・。」
「できれば?」
「前売り券を買ってください!!!」
「へ?」
「飲み物は制限がないんですけど、食べ物は余ったら廃棄するので、
数を決めて前売り券を用意してるんです。」
「そんなシステムなんだね・・・。
俺らが飲食をした時は、余ったらみんなでパーティーしてたけどね。」
「そうなんですか!?それはそれで楽しいですね・・・。
やっぱりそこら辺はやったことがある人がいると出るんでしょうけど、
私達のクラスに飲食をやったことがある人がいなかったから、
ロスをなくすって事で前売り券の制度になりました。」
「そっか、じゃあ、前売り券を買うよ。何があるの?」
「ありがとうございます!
じゃあ、明日メニュー表を持って柊先輩のクラスに行っていいですか?」
「ああ、別にいいよ。」
「じゃあ、明日宜しくお願いしますねー!!
初めて入る2年生の階にちょっと躊躇してしまうが、
友達と共にいるため入ることが出来る。
「柊先輩って何組なの?」
「一組だよ・・・あ!?」
私の目に柊先輩が飛び込んできたのであった。
「柊先輩!!」
「おお!お疲れさま。」
そう言って、席に座っていた柊先輩がこちらに出てきてくれたのである。
「これがメニュー表になってます!」
そう言って、メニュー表を開くと「おおぉ!」と感嘆してくれる。
「・・・ねえ、入河さんにノルマってあるの?」
「実は・・・。」
実は少なからずあるのだが、決してそれを目当てに柊先輩に声をかけたのではない!!
少しでも話せればと思って声をかけたのであって・・・
・・・ちょっとは期待してました・・・すいません・・・
「1人1000円です。」
正直に告げると、
「ここに5人いるから、5000円は稼ぎたいと?」
「・・・はい。」
「そっか、だけど、ホットケーキとかって250円とか、
コーヒーも100円とかで安いよね。
これ結構数を稼がないと目標金額行かないんじゃない?」
「・・・はい。」
すると柊先輩が、教室にいた先輩たちや
近くを歩いていた先輩達に声をかけてくれたのである。
あっという間に先輩に囲まれてしまいちょっと怖かったけど、
皆が前売り券を買ってくれたのであった!!
「ありがとうございます!!!」
「はいはい、頑張ってねー。」
柊先輩にバイバイをして自分達の教室に戻るのだが、
「良かったね!目標達成したよ!!」
すでに前売り券が売れて1万円を超えていたのであった。
「ホントだよ!私、どうしようかと思ってたのに・・・
持つべきものは我が友 入河ちゃんだね!」
「こんな時だけ調子がいいわよー!」
友達も喜んでくれていた。
ノルマをどうしようかと考えていたのに、
一瞬で達成するとは思ってもみなかった。
他の友達も困っている子がいたので、その子の分も売ったことに出来るし、
柊先輩に声をかけたのは大成功だな。
「生柊先輩をみれたしねー。」
友達がニヤニヤしながら私を見る。
「生ってなによ!生って!」
「みんな気づいてるんだよー・・・。」
「・・・何をよ?」
「スマホの待ち受け・・・柊先輩だってことをね。」
「!?」
言葉にならない声が出てしまう。
「ど、どうして知ってるのよ!!だって、誰にも見せてないのに!!」
「そう思ってるのは本人だけよ。
みーんな知ってるんだからね。」
「・・・。」
その後も散々いじられてしまうのであった。
うう・・・
待ち受け変えようか・・・
だけど、柊先輩を見たいし・・・
変な葛藤をいだくことになったしー!!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




