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柊君へ  作者: Taさん
第二章
71/254

入河ちゃん ~7~

入河ちゃんの話です!

ちょっと長めの話になってしまいました・・

「「「ウェルカム トゥー 陸上部!!」」」



3年生の明るい挨拶と共に歓迎会が開始になった。


私は当然新入部員たちが固まっている場所にいたのだが、

柊先輩の周りには福留先輩と大賀先輩の二人がしっかりと脇を固めていたのであった。



「やっぱり柊先輩を狙ってるのかな?」


「そうだと思うよ・・・。

 アレだけ露骨にやってるんだからさ。」


柊先輩に料理を小皿によそって甲斐甲斐しく渡す大賀先輩。


・・・正直・・・


そんな大賀先輩を初めてみました!!


同じ女性とはいえ、決して私達に対して笑顔で接することはなく、

淡々と仕事をこなす大賀先輩なのだが、今日は全く違う。


満面の笑みで柊先輩に接しているのだ・・・。



・・・あの人と私は戦わないといけないのか・・・


私が柊先輩を好きなことは自覚している。

いつからかは正直分からないけど、

たぶん初めて会った時には気になっていた・・・。


「じゃあ、私、柊先輩の所に行ってくるね。」


そういって柊先輩の傍に向かうのであった。


「柊先輩!お疲れさまです!」


柊先輩に挨拶して、スッと近くに座る。

ちょっと・・・大賀先輩の視線が怖いけど・・・


「いらっしゃい、入河ちゃん。」


福留先輩は笑顔で迎え入れてくる。

・・・大賀先輩は何も言ってくれないけど・・・


「お疲れさま。」


柊先輩も笑顔で私を迎えてくれたのであった。

私が入ると話が私にふられるようになってしまったのか、


「大賀さん!!」


ちょとのスキを見逃さない男性陣がいて、

すぐに大賀さんを囲みだすのであった。


煩わしいようにしているのだが、周りの男性陣は気にせずに

話しかけたり、食べ物を進めたりしていたのであった。


「あ~あ、大賀ちゃん、男子に捕まっちゃったね。」


福留先輩が笑うと、


「まあ、大賀さんは人気あるからね。」


柊先輩も苦笑するのであった。


「柊先輩も大賀先輩のこと可愛いと思うんですか?」


私が驚くように聞く。

だって、可愛いと思っているのなら、

あんなに言い寄られると普通付き合ったりするのでは?

と疑問が湧くからだ。


「そりゃ~思うよ。3Mって言われるのも納得するし。」


「なら何で!!!」


思わず聞いてしまうと、


「・・・まあ、そんなに好きじゃないから?・・・かな。」


「ええ!!どんな人が好みなんですか?」


「入河さんはどんな人が好み?」


「駄目です!!今は柊先輩のターンなんですから教えてくださいよ!!」


「そうだよー!今、絶対に逃げようとしたよね!」


いいタイミングで賛同してくれた福留先輩と共に柊先輩を責める。


「・・・残念。」


「ああ!やっぱり逃げようとしましたね!!

 じゃあ、罰ですよ!!ここは男らしく、ハッキリといいましょう!!」


「罰って・・・。」


「早く教えてくださいよ!!そしたら私も言いますから!!」


「じゃあ、私も言うわよ~。」


福留先輩がそう言うと、周り男子達がざわつきだして、


「柊!早く言え!!」


「早く言えよ~柊!!」


「ちょっと吐いたらいいんですよ柊先輩!。」


・・・福留先輩もやっぱりモテるのか・・・

それを自覚するには十分な周りの男子達の反応であった。



「何でこんなに責められてるんだよ!!」


叫ぶ柊先輩だったが、柊包囲網からは逃げ出すことは出来なかった。


「さあ!覚悟を決めて!」


私がグイグイ喰いつくとついに観念したように、


「そうだね・・・自分にないものを持っている人何かには惹かれるよ。」


「「「へぇ~!!!」」」


「例えば例えば!!」


福留先輩も含めてみんなが喰いついていく。


「ええ!?・・・そうだな・・・例えば、弱い感じとか?」


「なるほど・・・。」


「だけど、わざとする女性もいますよ?」


「計算が立つ女は苦手。」


「「「なるほどね!」」」


思わず福留先輩は大賀先輩を見ていたのを見逃さなかった。


「じゃあ、次は入河さんの番だよ。」


「わ、私ですか!?」


柊先輩からの指名に思わずドキッとする。

ここで柊先輩ですっていうか!?


・・・いえないよ・・・


じゃあ、柊先輩を匂わす発言を・・・


いや、駄目だ・・・目の前にいるニヤニヤしている福留先輩が

とんでもないこといいそうだ・・・


そんなことを考えているとまともなことが言えなくなってきてしまう。

うーんどうしようか・・・



「言い難そうだね~。」


福留先輩がニヤニヤしているのを見ると・・・


絶対にバレてるよ!!


嫌な予感がする中で、


「入河ちゃんは男性は身長は高い方がいい?」


「そうですね・・・私以上には欲しいかと思います・・・。」


恐る恐る福留先輩の質問に答える。


「じゃあ、見た目はカッコいいほうがいい?可愛い方がいい?」


「・・・あんまり見た目にはこだわりはないですけど・・・

 爽やかな感じがする方がいいです。」


「やっぱり頭はいい方がいい?」


「そ、そうですね・・・。」


「勉強を教えてもらったりしたいよね?」


「はい・・・。」


「うんうん!私も分かるよその気持ち!!

 じゃあ、真面目と不良、それとちょっと不良だとどれがいい?」


ううう・・・また答えにくい質問をしてくる。

どれが正解なんだろうか・・・


柊先輩だとちょっと不良ってところだろうかな・・・


うちの学校だとだいたい真面目なんだから、

真面目以外の回答をすると、「それは・・・。」ってなるし!!!


ニヤニヤして・・・意地悪だ!!


絶対福留先輩って意地悪だ!!


何とか無難な回答をしないと・・・


「真面目か、ちょっと不良くらいで・・・。」


「そうよね~。不良過ぎるとちょっと引いちゃうけど、

 ちょっと不良ぐらいだと何かカッコよく見えるよね~。」


「そ、そうですね・・・。」


「じゃあさ!スポーツは得意な方がいい?例えばハードルが早いとか!」


「!?」


思わず口に含んでいた飲み物を拭きだしそうになってしまう。

さっきから質問に答えるのに喉がカラカラになっていたから、

水分をとろうとしたところでそんな質問をしてくるとは・・・


「そんな動揺しないでよ。ハードルは例えじゃん!」


絶対に悪意のある例えだよ!!


もういやだーーー!!


そんな時だった、


「あんまり入河さんに踏み込んじゃダメでしょう。

 周りのみんなも興味本位で聞き入ってるじゃないですか。」


ああ・・・柊先輩・・・


助け船を出してくれる何っていい人だよ!!

だけど、もう少し早く助けてくれてもいいのに・・・


「そう?だけど、周りのみんなも興味津々だと思うけどね。」


周りの先輩達もニヤニヤしている。

・・・私、バレてるんじゃないんだろうかな・・・


一抹の不安を覚えてしまう・・・


「福留先輩はどんな人が好きなんですか?」


柊先輩の助け船で私は何とか救われたのだが・・・


「ええ、私?


 ええっとね・・・・


 柊君かな。」


ハッキリと宣言する福留先輩に、


「はいはい。」


軽く受け流す柊先輩。


「ええ!!何でそんな軽く流すかな~!」


「彼氏さんがこの場にいたらまったく違う回答するでしょうに。」


「そんなことないかもしれないよー。」


・・・あれ?福留先輩って・・・


彼氏いるの!?


それであんなに柊先輩に迫っているのか!?


あまりの驚きに目を見開いてしまうと、


「なぁに?入河ちゃん。」


「い、いえ・・・何でもないです。」


思わず言葉が詰まってしまうのだが、

ニッコリと微笑んでそれ以上何も言わないでという気配が伝わってきた。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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